2度目のヴァナディール ソロ活動中の妄想屋クルクと仲間達。
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やぁ、バルファルだ(`・∀・)ノ

ここんとこずっとチョコボの世話ばかりしていたけど、もういいだろうと思って昨日引退させたんだ。
まぁ、いつでも呼び出せるし、別に寂しくなんか・・・。

今日は久しぶりに寝坊して、モグハでダラダラしてたら、ぴよさんから連絡があったんだ。
かぼすが雇ってるサルサって名前のバイトのミスラが、ウィンダスに向かってるんだって。
だけどそのミスラは、一人でバスから出たことがないらしい。
もちろんクリスタルの登録もしてなければ、チョコボにも乗れない。
そんなヤツが、無事にウィンダスに着くとは考えられない。
・・・ヤバいじゃん。
そのミスラは、かぼすに会いたいってずっと言ってたらしい。
かぼすは今ウィンダスにいて、弟子入りしたシャントット博士にこき使われて、モグハに帰るヒマもないようだ。
ぴよさんとクマさんが、たまに戻るようにかぼすに言っておくからって言ってたらしいけど、待てなかったんだな。
かぼすのモグから、出て行ったきり戻ってこないって連絡があったんだってさ。
1日や2日くらい戻らないことは、今までにも何度かあったらしい。
だけどこんなに・・・って、いなくなって何日経つんだよ?

「俺とクマで、探しながらウィンダスに向かうから、バル君はそのことをかぼすに伝えておいて欲しいんだ」
「いいけど、オレらも探した方がよくないか?」
「そうしてくれると助かるけど、バル君サルサの顔知らないでしょ?」

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かぼすがバイトを雇ってるってことは、前に聞いたけどな。
実験台にしてるんだっけ?
ヒトデナシだな!

それにしてもオレたちって、しょっちゅう人探ししてないか?
うずらさんに、クマさんに、サンラーに、今度はサルサって名前のミスラ。
とりあえずオレは、かぼすに会いにシャントット博士の家に向かった。


石の区にある博士の家の前に着いて呼び鈴を鳴らすと、カーディアンが出て来た。
オレがかぼすに用があるって告げたら、中に通されて、奥へと案内された。
途中、正体不明のプルプルした物が廊下の壁にくっついて震えていたり、キラキラ光る石が落ちていたりしたが、屋内の物には一切手を触れないように、オレは気をつけた。

カーディアンは廊下の先にある部屋の前までオレを案内すると、そのまま行ってしまった。
オレは一応ノックをして、そっとドアを開けたんだ。
目の前には、高く積まれた本の山。
机の上には何だかわからない物の欠片が散乱していて、床に置かれている大鍋からは奇妙な色の煙が出ている。
その向こう側から、かぼすの声が聞こえてきた。

「開いちゃったんだから、仕方ないじゃないですか」
「わたくしは開けるなと言いましたよ」
「目の前にあったら、気になりますって」
「同じことを何度言わせるつもりですの!?」

かぼすが言い合っているのは、シャントット博士だ。
何だかわかんないけど、ものすごくタイミングが悪い時に来ちゃったみたいだぞ。
本と本の間から顔を覗かせて見ると、腕組みをして足のつま先を上げたり下げたりしているシャントット博士と、博士から距離を置いて立っているかぼすが見えた。
かぼすのヘラヘラとした態度はいつも通りだけど、指先が緊張していることがオレにはわかった。

「だから~、見える所に置いておくのが悪いんですってば~」
「子鼠の分際で、このわたくしに口答えするなんて、100万年早くてよ!」

その言葉が終わらないうちに、大きな氷の塊がかぼすに向かって飛んでいった。
直撃かと思った次の瞬間、かぼすは手にした棍で、それを博士に向かって打ち返していた。
が、しかし、打ち返された氷の塊は、シャントット博士が伸ばした手の先で再び方向を変え、今度は無数の氷の矢となって再びかぼすに向かって行った。
それをかぼすは、目の前に炎の壁を作り防いでみせた。
ジュッという音がして、氷の矢は白い水蒸気となって消えた。
シャントット博士にしてみたら、子供の相手をしてる程度かもしれないけど、あの人を相手に攻防するかぼすは、どういう神経しているんだろう。
オレだったら、ひたすら謝って逃げるけどな。

「あ、ヤバっ!」

かぼすが作った炎の壁が、近くに落ちていた紙クズに引火して燃え始めた。
バタバタと慌てるかぼすを呆れたように見てから、シャントット博士はこちらに顔を向けた。

「そこにいるヘッポコ君の仲間、子鼠と一緒に火の始末をしておきなさい」
「ぅへいっ!」

シャントット博士はそう言うと、その場から姿を消した。
あぁ~、ビックリした。
オレが本の山を崩さないように、気をつけながら本の隙間を通り抜けると、かぼすが火を消し終えたところだった。

「なに~? 部屋の片付けの手伝いに来てくれたわけ?」
「違う。伝言だ」
「全く、参っちゃうよね。片付けなんか、カーディアンにやらせればいいのにさ。そこにあるバケツに、散らばってる紙クズ入れて」
「・・・お前がバイトに雇ってるミスラが、ウィンダスに向かってるってさ。一人で出発したらしいよ」
「そっちにある本は、あっちの本棚ね」
「・・・ぴよさんとクマさんが、探しながらこっちに向かうって」
「もぉ~、ちゃんと順番通りに並べてよね」
「手伝ってやってるんだから、文句言うな!」
「待ってろって言ったのに、何しに来るんだろう?」
「かぼすに会いたいんだってさ」

オレがそう言うと、かぼすは大袈裟なほど大きな溜息をついた。
それから、紙くずの入ったバケツを指差し、「持ってきて」 と言いながら、自分は机の下に散らばっていた藁人形を両手に持ち部屋を出た。


裏口から外に出ると、カボスはバケツの中に藁人形を放り込んだ。
そして、ポケットから何かの印が書かれた紙を取り出し、バケツの上に置いてフタをすると、ファイアで火をつけた。
そのとたん、ガラスを爪で引っ掻くような音が聞こえ、オレは首を縮めて両手で両耳を塞いだ。

「な、何だよコレっ!?」
「博士が呪いに使った藁人形。もう用無しだから、処分しとけって言われたんだ」
「呪い~?」

つくづく、あの博士とは関わりたくないと思ったよ。
それより・・・。

「サルサって名前だっけ? かぼすとどういう関係なんだ?」
「雇い主とバイトだよ」
「そうじゃなくて。どういう知り合いかっての」

かぼすは面倒くさそうに 「え~、話すの?」 とか言いながら、バケツの中の燃え具合を確認した。

「・・・オズトロヤ城に忍び込んだ時にね、牢屋に繋がれてるミスラがいたんだ。汚くて臭くて、ボロ布が体にくっついてる程度の服を着てた」

それが、サルサだったらしい。
サルサは子供の頃にヤグードにさらわれて、それからずっと牢に繋がれていたようだ。
ヤグードは、一体どうするつもりでミスラの子供をさらったりしたんだろう?
かぼすは、「生贄にでもするつもりだったんじゃないの」 と軽い口調で言った。

「ミスラをヤグードなんかの生贄にするなんて、そんなもったいないことするくらいなら、ボクが持って帰ろうと思ってね」

かぼすのミスラ好きは、仲間内では有名だ。
「世界中が自分とミスラだけならいいのに」 なんて、言っているくらいだ。
けれども、そうかといって、特にミスラに優しいわけでもない。
特別なのは、クマさんくらいか?

「オレも探しに行こうか?」
「何で?」
「何でって、モンスターに襲われたりしたらヤバいだろ?」
「平気」
「え?」
「読み書き計算は出来ないし、まるっきり子供みたいだけど、接近戦ならボクより強いから」
「・・・そうなのか?」

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それからかぼすは 「うるさいから、ずっと外してたんだよね」 と言って、シグナルパールを装着した。
なんだ、持ってるのか。
って言うか、そのミスラなんだ!?

「・・・ボクだけど。オマエ、今どこにいるの?」
「ココにいるのニャーッ! かぼすサマみつけたぁ~!」
「わっ」

突然オレの真後ろから声が聞こえ、驚いて振り返る間もなく、シッポがひらりと視界に舞った。
オレの目の前には、ミスラに飛び付かれて仰向けに倒れたかぼすと、かぼすに抱きついているミスラがいた。

「かぼすサマ~、クンクンクン・・・かぼすサマのニオイなのニャ~」
「ボクの上から退け! っていうか、オマエ臭いよ!」
「かぼすサマ、かぼすサマ、アタイ、ひとりできたよ。ここまで、ひとりできたよ」
「いいから退けってば! 離れろ!」
「ほめて、ほめて、エライって、あたまナデナデしてほしいのニャ~」
「うるさい! 今すぐボクから離れないと、バイトをクビにするぞ!」
「ニャ・・・・・・ゴメンなさいなのニャ・・・」

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ミスラが離れると、かぼすは不機嫌な顔をして起き上がった。
パンパンと服をはたいているかぼすを、ミスラはしょんぼり俯いて見つめている。
そんなに会いたかったのか~。
一人でウィンダスまで来て、かぼすを驚かすつもりだったのかな?
きっと、かぼすが褒めてくれるって思ってたんだろうなぁ。
そう思ったら、ちょっと可愛そうになって来た。

「アンタ、バスからウィンまで一人で来たのか? スゴイな!」
「だれ? アタイ、アンタにほめてもらってもうれしくないのニャ」
「・・・あっそ」

同情してソンした。

「バル君、お人好しだねぇ。ぴよ君といい勝負なんじゃない?」
「うるさい!」
「お人好しついでに、ちょっと頼まれてよ」
「何をだよ?」
「ボク、コイツをバスに送り返すから、その間ボクの代わりに掃除しといて」
「はぁ~?」
「ニャ? バスにかえるの? アタイ、いまきたばっかだよ?」
「じゃ、よろしく」
「ちょっと待ちやがれ!!」
「まだかえりたくないのニャ~」

移転魔法の紫を帯びた黒っぽい光に包まれ、かぼすはミスラと一緒に姿を消した。
待て待て待て~!
なんでオレが、かぼすの代わりにシャントット博士の部屋の掃除をしなくちゃならないんだ!?
触っちゃヤバいモノとか、動かしたらどうにかなっちゃうモノとか、そこらじゅうにあるだろうよ。
そんなもん、オレにどうしろって言うんだ!
くっそぉ~~~っ!!!


「おや、子鼠はどうしたんです?」

屋敷の一室に戻り、そこらじゅうに積まれている本のホコリをはたき、とりあえず適当に本棚に入れていると、廊下を通りかかったシャントット博士が顔を覗かせた。
ギョッとしたけど、オレは悪いことなんかしていないもんな!

「かぼすなら、オレに掃除を押し付けて、自分はミスラとバスに戻っちゃいました」
「おやまあ、そうですの。あの子鼠、前々から思っていましてけど、いい度胸をしていますこと。一度、自分の立場というものを二度と忘れることがないように、体に叩き込んでやって方がよろしいかしらね」

ホホホと笑うシャントット博士の目が笑っていなくって、オレは背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

「あ、あの、かぼすは、その、えっと、サボってるとかそういうんじゃなくって、モグハウスに戻らないといけない急用が出来て、それで止むを得ず、えっと、だからオレが代わりに、かぼすが戻るまで、こちらの掃除をさせていただいている訳でありまして、その・・・」

どうしてオレがかぼすを庇って、しどろもどろになりながら、言い訳しなくちゃなんないんだ!?
アイツは一度、イヤってほど痛い目に遭うべきなんだ!
そう思ってるのに、何でオレは・・・。
ブツブツ言っていたオレは、シャントット博士に見つめられているのに気づいて、慌てて愛想笑いなんかしちまった。
博士はフンと鼻で笑い、そのまま別の部屋へと行ってしまった。
あぁ~、焦った。

それからオレは、うっかり蹴っ飛ばしたツボに飲み込まれそうになったり、椅子の上にあったヘンチクリンなお面に手を噛まれたり、棚の上から舞い落ちて来た羽根のせいで鼻血が出るほどくしゃみを連発したりしながら、かぼすが戻るまで部屋の掃除をしていた。


クタクタになってモグハに戻り、疲れとホコリを洗い流しながら、オレは何かを忘れているような気がしていたんだ。
でも思い出せなくてさ。
まぁいいやって、その日は早くにベッドに入ったんだ。
で、思い出した。
ぴよさんとクマさんの二人は、サルサを探して今どこにいるんだろう?
マウラで待っていたら、会えるかもしれないな。
サルサが見つかったよって、教えてやらなくちゃな。

そんなことを考えながら、オレは夢の中でマウラへと向かっていた。






いつも遊びに来てくれてありがちょん(・▽・)
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【2016/10/17 23:59】 | * クルク一家
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