それは、ほんの些細なきっかけに過ぎなかった。
その時のクルクは、いつもと変わらない日常がこれからも続いて行くのだと、疑いもしていなかった。
昨夜手に入れたフェイス魔法を試すために、さて何をしようかとモグハで考えながら、クルクはアイテムの仕分けをしていた。
そういえば、ヤグの根城の宝物庫を荒らしに行くクエがあったっけ・・・。
落とし穴に落ちるのを躊躇い、クリアせずに戻ってきてしまったクエだ。
もう1つ、ナナーミーゴから頼まれていたクエもあったはず。
確認しようと思い、メニューを開いた。
そこで見たのは、オファーしたクエと、クリアしたクエの他に、エネミンスレコードという見馴れぬ文字。
これは何だろう?
ちょっとした好奇心。
見ればそこには、話を聞きに行くべき人の位置が標されていた。
行ってみようか。
その先に待ち受ける恐怖の日々を知る由もないクルクは、安易な気持ちでモグハを出た。
ウィンだと思っていたら、そこはサンドだった。
そういえばそうだったと、もう一度サンドでの位置を確認すると、クルクは何の迷いもなくその人のもとへと走って行く。
品の良さそうな言葉遣いのエルの女性が、エネミンスレコードについて、親切丁寧にクルクに教えてくれた。
損はないと言うその言葉を何となく聞いていたクルクは、百聞は一見にしかずと、取り合えずやってみることにして彼女に頷きを返した。
と、その女性が一瞬ニヤリと笑ったように見えた。
何だ?
怪訝に思い眉を寄せたクルクを見下ろし、女性はそれまでと変わらぬ微笑を見せる。
けれどもクルクには、その微笑は単に顔に張り付かせただけのものに見えていた。
彼女は言う、クルクの行動は記録されるのだ、と。
途端、クルクの背中がスッと冷気を帯びたように冷たくなった。
振り向いた先に浮かんでいたのは、クルクを真っ直ぐに見つめている、不気味な呪い人形だった。
即座に後悔を感じたクルクが断ろうと女性に向き直ると、その意思を感じたのだろう女性は実のない笑顔を作り手を叩き出した。
と、呪い人形が薄らぎ姿が消えた。
ホッとする間もなく、更に女性の口から出た言葉に、クルクは耳を疑った。
「背後から忍び寄って、いかなる時もアナタ様の暮らしをじっとりと見つめ続けるという・・・とってもかわいい人形ですのよ」
呪い人形はただその姿を消しただけで、居なくなったわけではなかったのだ。
その証拠に、試しにクルクが手を叩いてみると、また姿が浮かび上がるではないか。
これから一生付きまとわれる。
いついかなる時も、クルクは監視され続けるのだろう。
そして行動の一々が記録されてゆくのだ。
魔法人形【きろくさん】
あぁ、どこからか視線を感じる・・・・・・。
完
じゃない!
なんだい、この人形ヽ(`д´)ノ
不気味としか言えないのに、かわいい人形だとか、エルのおねーちゃん、頭イカレちゃってんじゃないかい?
でも、まぁ、言うように損はないようだから、いろいろ登録してみようっと。

その時のクルクは、いつもと変わらない日常がこれからも続いて行くのだと、疑いもしていなかった。
昨夜手に入れたフェイス魔法を試すために、さて何をしようかとモグハで考えながら、クルクはアイテムの仕分けをしていた。
そういえば、ヤグの根城の宝物庫を荒らしに行くクエがあったっけ・・・。
落とし穴に落ちるのを躊躇い、クリアせずに戻ってきてしまったクエだ。
もう1つ、ナナーミーゴから頼まれていたクエもあったはず。
確認しようと思い、メニューを開いた。
そこで見たのは、オファーしたクエと、クリアしたクエの他に、エネミンスレコードという見馴れぬ文字。
これは何だろう?
ちょっとした好奇心。
見ればそこには、話を聞きに行くべき人の位置が標されていた。
行ってみようか。
その先に待ち受ける恐怖の日々を知る由もないクルクは、安易な気持ちでモグハを出た。
ウィンだと思っていたら、そこはサンドだった。
そういえばそうだったと、もう一度サンドでの位置を確認すると、クルクは何の迷いもなくその人のもとへと走って行く。
品の良さそうな言葉遣いのエルの女性が、エネミンスレコードについて、親切丁寧にクルクに教えてくれた。
損はないと言うその言葉を何となく聞いていたクルクは、百聞は一見にしかずと、取り合えずやってみることにして彼女に頷きを返した。
と、その女性が一瞬ニヤリと笑ったように見えた。
何だ?
怪訝に思い眉を寄せたクルクを見下ろし、女性はそれまでと変わらぬ微笑を見せる。
けれどもクルクには、その微笑は単に顔に張り付かせただけのものに見えていた。
彼女は言う、クルクの行動は記録されるのだ、と。
途端、クルクの背中がスッと冷気を帯びたように冷たくなった。
振り向いた先に浮かんでいたのは、クルクを真っ直ぐに見つめている、不気味な呪い人形だった。
即座に後悔を感じたクルクが断ろうと女性に向き直ると、その意思を感じたのだろう女性は実のない笑顔を作り手を叩き出した。
と、呪い人形が薄らぎ姿が消えた。
ホッとする間もなく、更に女性の口から出た言葉に、クルクは耳を疑った。
「背後から忍び寄って、いかなる時もアナタ様の暮らしをじっとりと見つめ続けるという・・・とってもかわいい人形ですのよ」
呪い人形はただその姿を消しただけで、居なくなったわけではなかったのだ。
その証拠に、試しにクルクが手を叩いてみると、また姿が浮かび上がるではないか。
これから一生付きまとわれる。
いついかなる時も、クルクは監視され続けるのだろう。
そして行動の一々が記録されてゆくのだ。
魔法人形【きろくさん】
あぁ、どこからか視線を感じる・・・・・・。
完
じゃない!
なんだい、この人形ヽ(`д´)ノ
不気味としか言えないのに、かわいい人形だとか、エルのおねーちゃん、頭イカレちゃってんじゃないかい?
でも、まぁ、言うように損はないようだから、いろいろ登録してみようっと。

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