2度目のヴァナディール ソロ活動中の妄想屋クルクと仲間達。
やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

今日はあんまり時間がなかったから、倉庫回りをした後に、ちょっとだけお空探索をしようと思ったのです★
で、行ったんだけどさ・・・。

Klu3167.jpg

手振ったのに、撮れてなかった~(´・ω・`)

んとね、ワープで進んでみたんだけど、なんかよくわからなかったw
地図見ないからだよね(^_^;)
や、持ってるよ、ちゃんと。
でも、何となくブラブラしてみるっていうつもりだったからさw
行き当たりばったりでいいや~って、行った先にあったワープに乗っかったら、戻って来ちゃったw
じゃ、違うトコ~って別んトコのワープに乗っかったら、戻って来ちゃったwww
なんだい!
いいよーだ。
今日はホントにそれだけだったんだ。
お空でログアウトしたから、明日もまたウロウロしてみよっかな。

じゃ~ね~、ばいび~(・▽・)ノ







いつも遊びに来てくれてありがちょん(・▽・)
ポチッと押してくれたら嬉しいな♪



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【2016/05/31 23:59】 | ヴァナ日記
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ぱぱねこ
くるちゃん やっぴー

お空デビューしたんだねー
おめでとうう

カベにうまってるやつ、近づくと
おそってくるから注意ね!

あと、お空って、あそこににてるよねw
天空の城 〇ピュタ!

Re: ぱぱねこさん
クルク
ぱぱにゃぅにゃぅ、こんばんわ~ん(・▽・)ノ

ありがとございます♪
やっと、ですw

カベにうまってるやつ!?( ̄□ ̄)
き、気づかなかった・・・こわい・・・っていうか、気持ち悪い・・・。
気をつけます!(`・ω・´)ゞ

お空、もうそのまんま天空の城 ラ○ュタですね!
もうしばらく、ウロウロお散歩してみようかな♪
で、どこでバルスって叫べばいいですか?


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やっぴー、クルクです(・▽・)ノ

スッカラカンと忘れていた、ジラートの続きです。
放っておいてもいいじゃん的な気になっているとかいないとか・・・。
取りあえず、ロ・メーヴに行って来ました。
クルクさ、いっつもロ・メーヴとメ・ローヴどっちだっけ?ってわかんなくなっちゃうんだ。
どっちでもいっか★(・▽・)

さて、神々の間にある、前は通れなかったアミアミの壁のとこに行きました。

Klu3161.jpg

そしたらさ、後ろから声かけられたの!
誰!?
・・・はい、もちろんあの人達です。

Klu3162.jpg

1ヶ月もココで待ってたのかな?
つか、言い切ったね!
いいよ、便乗させてあげるよ。
その代わり、乗車券代わりに、何か1つでも役に立ってよね!

アミアミを通って進んで行くと、台座みたいな装置っぽいのがありました。
ワープするのかな?って真ん中に進んでみたら、暁の女神に仕えるイブノイルって人が現れました。

Klu3163.jpg

神の扉に至る道の番人なんだって~。
エルドナーシュの計画、つまり神の扉を開けるっていう計画は、1万年前に地中に眠る5つの偉大な力に振れたことによって始まったって言います。
途方もなく気が長いよね。
だったらさ、もう1万年伸びたって、そんなに変わらないんじゃない?
もしくは、そんなに長い計画なら、叶えてあげたらいいんじゃないの?
・・・ダメなんだよね、うん、そう、わかってる。
ゴメンね、クルクさ、1ヶ月経っちゃってるから、何でダメなのかわかんなくなってるかもw
とりあえず、オネーサンのお話を聞きましょう。

んとね、今現在この地上に存在するクリスタルって、粗悪な紛い物のレプリカらしいよ。
ジラート人は、地下に深く埋もれた5つの大クリスタルのエネルギーを、属性ごとに分離して、小型の結晶体に封じて利用してたんだって。
でも、メルト・ブローが起こった時に、小クリスタルのエネルギーが解放されて、ヴァナ・ディールに蔓延しちゃったんだってさ。
それが、クルクたちが知ってるクリスタルってことね。

イブノイルは、人間はあまりにも不完全だって言うの。
完全だったら、それは人間じゃなくて神じゃん。
エルヴァーンの驕慢、ミスラの嫉妬、タルタルの怯懦、ヒュームの無知、ガルカの憎悪っていう心の闇は、メルト・ブローの後遺症らしいよ。
そう言われても、で? って感じ。
だってさ、別に困らないもん。
性格だよって、それで済んじゃう。
みんな同じなんて、気持ち悪いよ。
人はそれぞれ違うから面白くて、違う中に同じとこがあったりするから分かりあえたり共感出来たりするんだよ。

でも、エルドナーシュは完全なものに憧れているのね。
まぁ、クルクにもその気持ちは、わからないでもないけどね。
だけど、だからって、望んでいない人達や、そのことすら知らない人達を巻き添えにするのはダメだよね。
イブノイルは、クルク達にはエルドナーシュに否やを唱える権利があるって言いました。
そして、ジラートの民を古の呪縛から解き放ってくださいって頼まれました。
いいよ~(・▽・)ノ

Klu3164.jpg

神の扉トゥー・リアへの道を、開いてくれました。
よぉ~っし、そんじゃ行っちゃうよ★

ビュ~ンって着いたのは、知ってるような知らない場所。
ポテポテと通路を歩いて行くと・・・。

Klu3165.jpg

・・・ここがトゥー・リア?
ウロウロ歩いてみました。

Klu3166.jpg

マジか・・・。
やっと。
とうとう。
クルクはお空に来たんだね!

ちょっとした感動でした(*´-`*)
だから、帰りますw
なんか、ワープ装置があったけど、それはまた今度ねw

あ、そういや、一緒にくっついてきた二人は、勝手にどっかに行っちゃった。
どうせまた、ここぞって所で姿を現して、いてもいなくてもいい感じにしゃしゃり出て、もっともらしいことを言って退場するんでしょう。
クルクが次に来るまで、道案内出来るようになっててほしいですね。
ま、期待はしませんが。

それじゃ、またね★







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【2016/05/30 23:59】 | ジラートの幻影
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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

先日コウさんから頂いた小説 「かんきつは、あまいかすっぱいか」 の、アフターストーリーというか、次に進むための、ちょっとしたお話しを書きました★

心の裏側を察してもらうように書くって、難しいですね(^_^;)




・・・*・・・・・・*・・・・・・*・・・・・・*・・・・・・*・・・

i_piyo.gif
いつもはジュノに拠点を置いているブリリオート舞踏団が、珍しくバストゥークにやって来ました。
商業区の競売所前に舞台を設置して、ショーは夕刻から始まるそうです。
クマは朝からウキウキとしていて、かぼすも誘って見に行こうと、かぼすのモグハを訪ねに行きました。
俺は、誘わなくてもいいのにと思いつつも、最近ではかぼすが一緒にいることに慣れてしまったせいか、クマがかぼすを連れて戻って来るのを待っていました。


「にゃーっ! ぴよ君~!!」

モグハに帰って来たクマが、泣きながら俺に抱きついて来ました。

「ど、どうしたんだ?」
「かぼちゃんが・・・かぼちゃんが~!」
「アイツがまた何かやらかしたのか!?」

先日、かぼすは機密文書窃盗の罪で、ウィンダスから国際指名手配をされていました。
俺とクマはかぼすと親しい友人として、銃士隊から出頭を命じられて、初めてそのことを知ったのです。
それから事態が終結するまで、どれほどクマが心配していたか・・・。
黒糖さんから、下手に動いて騒ぎを大きくするなと言われなければ、俺たちはかぼすを探しに走り回ってしまうところでした。
やがて手配が解除されて、俺とクマがウィンダスに駆けつけた時、かぼすはいつものヘラリとした顔で笑い 「どうしたの?」 と言ったのです。
もちろん、俺はかぼすの頭を叩いてやりましたよ。
そんなことがあって間もないのに、またクマを泣かせるようなことを仕出かしたのか・・・。

「かぼちゃんが、ウィンダスに行っちゃうって言うの。移籍して、モグハも引っ越しちゃうって・・・」
「え・・・何で?」
「シャントット博士の、弟子になったんだって。だから、ウィンダスに行くって言うんだよ。ぴよ君、かぼちゃんを止めて!」

俺はクマの肩を掴んで俺から離すと、返事をせずにモグハを出ました。
行き先は、もちろんかぼすのモグハです。

かぼすは勝手にバスにやって来て、さんざん俺とクマを振り回し、そのあげくにクマを泣かせて去って行くつもりなのか!?

アイツがいなくなってくれれば、俺は清々します。
いつも余計なことばかり言って俺に突っかかって来て、イライラさせられっぱなしだったんです。
それにアイツは、俺が頼まれ事でバスを出ようとしたり、クマとデートに出かけようとすると、一々行き先を訊ねていたんです。
なのに、俺達には一言の相談もなく、いきなりウィンダスに移籍するだなんて聞かされて、俺は腹が立ちました。
とにかく、クマを泣かせてまで行くと言うかぼすを、黙って許すわけにはいきません。

かぼすのモグハの前に着き、呼び鈴ではなくドアを叩いてやろうと拳を振り上げた時、中から聞き覚えのある声が聞こえてきました。
いつぞやの、クマが怒ってしまった箱詰めミスラ事件の時の、あのミスラとかぼすが言い争っているようです。

「アタイもいくー! いくったら、いくー!」
「ダメだって言ってるだろ! 何のためにシグナルパールを買って来たと思ってるんだよ」
「そんなのいらないニャー!」
「オマエがいらなくても、ボクは必要なんだよ! 捨てたらただじゃおかないからな!」
「いやニャーーー! いらニャイー! エイっ!」
「あーっ、オマっ・・・! どこに投げたんだよ!?」
「モグに当たったクポぉ」
「モグ、拾って! オ~マ~エ~! いくらしたと思ってるんだよ! 取れないように、耳に縫い付けちゃうぞ!」
「ニャー! ゴメンナサーイ!」
「もう一度言うからね! オマエはバスに残って、あの二人に何かあったら、すぐにボクに知らせるんだよ!」
「でもアタイ、かぼすサマといっしょがいい・・・」
「はぁ・・・あのね、これはサルサにしか頼めない、大切な役目なんだよ。もう・・・聞き分けてよね・・・」
「・・・ぅにゃぁ・・・」

立ち聞きするつもりはなかったけれど、何となくタイミングを逃してしまっていました。
かぼすが言った 「あの二人」 が、俺とクマのことだということは、すぐにわかりました。
バスでかぼすが 「あの二人」 と言えるような人は、俺達以外には思い当たらなかったからです。
かぼすに心配される謂れはないけれど、人を残して行くほど心配なら、ウィンダスになんか行かなければいいのに!
俺はノックもせずに、ドアを乱暴に開けて叫びました。

「ウィンダスでもサンドリアでも、どこへでもとっとと行っちまえ!」
「あれ、ぴよ君。あのさぁ、人には邪魔するなとか何とか言うくせに、自分はお構いなし?」
「・・・・・・」
「ぴよクン、ジャマしないで」

床にぺったりと座ったミスラが、かぼすに抱きつきながら俺を睨みつけていました。

「で? ぴよ君は見送りに来てくれたの?」

ミスラにしがみ付かれながら、かばすは俺を見上げて笑顔を見せました。
その嘘くさい笑みに、俺はイラッとさせられます。

「お前のせいで、クマが泣いてるぞ」
「うん・・・ゴメンね」
「それだけかよ」
「だって、仕方ないじゃない。こんなチャンス、二度とないよ」
「お前は、自分の得になることしかしないのな。俺が何を言っても、クマはお前の味方をしてたじゃないか! そのクマが、行ってほしくないって泣いてるんだぞ。結局のところ、そこにいるミスラと同じ様に、俺達のことだって、自分のいいように利用してただけなんだろ」

かぼすを詰りながら、俺は気がつきました。
シャントット博士と言えば、魔導士ならばその名を知らない者などいない、ウィンダスの、いや、ヴァナディール最強の魔導士と言っても過言ではありません。
そんな人に弟子入りするって聞いたなら、「おめでとう」 って、「頑張れよ」 って言うのが友達だって、そんなことくらい俺にだってわかっています。
だけど俺は、悔しかったんです。
煩いほど俺たちに付きまとっていたくせに、チャンスを掴んだ途端にさっさと離れていくのかと、悔しくて腹が立っていたのです。

そんな俺の言葉に、かぼすは特に反論もしません。
それもまた腹が立ちます。

「ウィンダスなんて、クリスタルのワープを使えばすぐだよ。バスの港から鉱山区に出るのと、どれほど違うっていうのさ?」
「そういうことを言ってるんじゃない」
「それにボク、ちょっと前まで口の院の研修生としてウィンダスに通ってたんだよ? 知ってるでしょ?」
「だから、そういうことを言ってるんじゃないって言ってるだろ!」
「だったらさ、ぴよ君とクマちゃんも、ウィンダスに引っ越したらいいんじゃないかな」

ヘラっと笑ったかぼすに、俺は右手を握り締めました。
けれど、握った拳を振り上げるより先に、ずっとかぼすにしがみ付いていたミスラが声を上げたのです。

「そうだヨ! かぼすサマ、ウィンダスはあっというマなんだから、まえみたいにココからマイニチいったらいいのニャー」
「わかってないなぁ。たかが口の院の研修生と、シャントット博士の弟子じゃ、全っ然違うんだよ。生半可な覚悟じゃ、半日だって持たないよ。それに、バストゥークに籍を置く人間が、ウィンダスの・・・」

かぼすは途中まで言いかけていた言葉を切り、首を傾げて考え込んでしまいました。
ミスラが後ろから 「ねーねー」 とかぼすを揺すっています。
その時、俺の背後のドアが開いて、

「かぼちゃん! そのコ誰っ!?」

クマが駆け寄って、かぼすからミスラを引き離したのです。

「ニャーッ! ナニすんの!?」
「かぼちゃんから離れなさいよ!」
「アンタこそ、アッチにいけー!」
「あー! アンタは確か、この前ぴよ君とモグハにいたミスラだよね!? かぼちゃんとどういう関係なのよ!?」
「アタイはかぼすサマのバイトなのニャー!」

かぼすを間に挟んで、クマとバイトのミスラが摑み合いをしています。
俺はヤキモチを妬いたらいいのか、二人を止めたらいいのか、かぼすを殴ったらいいのか・・・。
ニャーニャーギャーギャー言っている真ん中で、かぼすが 「あぁ、そうか!」 と呟いて、ポンと手を打ちました。

「おい、かぼす!」
「・・・うん、そうだよね。アッチにいた時ならともかく、こっちにいるアジド院長の年齢を考えたら、院長の席はこの先数十年は空きそうもない」
「院長の席?」
「暗殺なんてリスクが多すぎるし」
「暗っ・・・!?」
「となれば、ボクがウィンダス籍でなくちゃならない理由はなくなるね」
「・・・何の話だよ?」
「ボクはシャントット博士個人の弟子なわけだし、かえってバストゥーク国籍でいたままの方が、何かと都合が良かったりするかもしれないな」
「都合って?」
「移籍なら、いつでも出来るもんね」
「おい!」
「ん? あぁ、ぴよ君。 ・・・あれ、クマちゃんがいる。サルサは何やってるのさ」
「かぼちゃん、このミスラ何なの!?」
「かぼすサマ、このミスラがアタイをイジメる~」



取りあえず落ち着き、俺とクマはかぼすと向かい合ってソファーに腰を下ろしました。
かぼすはモグが淹れてくれた冷たいウィンダスティーを飲みながら、「サルサって名前で、ボクの実験台・・・じ、実験を手伝ってくれてるバイトだよ」 と、床に座っているミスラの紹介をしました。
何でも、オズトロヤ城に行った時に、牢に閉じ込められていたのを見つけて、助けてあげたんだとか。
クマは面白くなさそうに、下唇を突きだしています。
バイトのミスラのことより、俺は話を元に戻しました。

「それで? 移籍するとかモグハを引っ越すっていうのは・・・」
「うん、どっちも止めた」
「かぼちゃん、本当!?」
「ヤッター!」

サルサが床をゴロゴロと転がり、喜んでいます。
クマはホッとした顔をしているけど、サルサのことが気になっているみたいで、チラチラと見ています。

「でもね、きっと忙しくなるだろうから、結局あんまり戻って来れないと思うよ」
「そういうことを、先に言えって言うんだよ」
「へ?」
「何も知らされないまま、いきなり移籍だの引越しだのって言われたって、納得出来るわけないだろっ。急すぎて、どうしたらいいか困るんだよ」
「そっか・・・ゴメンね」
「な、何だよ。ずいぶん素直じゃないか」
「いやぁ~、ぴよ君がそんなにボクと離れるのが寂しいだなんて、思ってもいなかったよ~」
「そんなことは、一っ言も言ってないぞ!」
「今までみたいにボクと会えなくなっても、しょんぼりしないでね」
「スッキリ、サッパリだ!」
「あはは・・・強がっちゃって~」
「・・・クマ、帰ろう」

話にならん、と俺が腰を上げると、クマも立ち上がって、そしてかぼすの横に座り直し、それからかぼすをギュッと抱きしめました。

「かぼちゃん、頑張ってね。疲れたら、いつでも戻って来るのよ? アタシもウィンダスに会いに行くからね」
「クマちゃん・・・。うん・・・頑張る。頑張るから、だから・・・」
「ニャーっ! アタイもつれてってーっ! かぼすサマといっしょにいくーっ!」
「・・・ダメだって、言ってるだろ」
「イーヤーニャーッ!!」

サルサが床でバタバタと駄々をこねていると、かぼすがその耳の中にシグナルパールをねじ込みました。

「オマエはシグナルパールをつけて、留守番なの!」
「ニギャァ~ッ! ミミにはいっちゃった~! とって~、クマちゃんサマ、たすけて~!」
「え!? ちょっと・・・取れないよ!」
「ギャイヤァァァァ~~~~!」
「うるさいなぁ。放っといていいよ。それより、ブリリオート舞踏団のショーを見に行こうよ。そろそろ始まるんじゃない?」

床を転げ回っているサルサをモグに任せて、かぼすはサッサとモグハを出て行ってしまいました。



外へ出ると、空の色が夜へと向けて変わりつつあります。
商業区にある競売所前は、すでにたくさんの人が集まっていました。

「これじゃ、かぼちゃん見えないよね。どこか見やすい場所ないかなぁ~?」

クマは背伸びをしたり飛び上がったりして、場所を探しています。

「・・・あのさ」

足元の方から、ボソリとかぼすの声が聞こえました。

「ボクのモグハにサルサを留守番で置いて行くから、何かあったら連絡してよ」
「お前が他人を自分のモグハに入れるなんて、珍しいな」
「・・・・・・」

かぼすを見下ろしてみましたが、頭のてっぺんの髪がはねているのしか見えませんでした。

「お前も、困ったことがあったら、すぐに連絡しろよ」

俺がそう言うと、かぼすは驚いたような顔をして、俺を見上げました。

「そしたら、ザマーミロって笑ってやるから」

そう言って俺が笑うと、かぼすは丸くした目で俺を見つめ、それからニヤリと笑って返しました。
その時、ワァーという歓声が沸き起こり、ステージに踊り子達が姿を現しました。
俺はかぼすを引っ張り上げ、肩に担ぎ上げました。

「わっ、何を・・・」
「これなら見えるだろ。かぼちゃに、貸し1つな」
「・・・・・・かぼちゃじゃないよ・・・」
「おい、髪を掴むなよ!」
「・・・・・・」

流れてきた音楽と、観客達の手拍子に混じって、「ありがとう」 っていう小さな声が、上から聞こえて来ましたが、俺は聞こえないふりをしたまま、他の観客と一緒に、手を叩き始めました。
「頑張る」 とクマに言った時の、今まで見たことがないかぼすの真剣な目を思い出しながら・・・「頑張れよ」 と心の中で呟きながら・・・。





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【2016/05/29 23:59】 | * クルク一家
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もてもて
コウ
クルクさん、おはようございます。

カボス君の話ですね〜。
しかしカボス君、もてもてですね。ミスラに効果があるフェロモンでも発しているのでしょうか。
特にクマさんは、
「かぼちゃん、頑張ってね。疲れたら、いつでも戻って来るのよ? アタシもウィンダスに会いに行くからね」
とまで心配してくれて、本当に気になる存在なんですね。

院長の席!これは、次のお話の前振りでしょうか。未来の世界では口の院の院長候補だったのかなあ。アジドマルジド院長を追い越すのは大変そうですが。

最後の、舞踏団を観劇するシーンはとてもいいですね〜。カボス君とピヨりんの普段は喧嘩し合っていても、心の奥底には絆がある雰囲気が伝わってきます。
未来の、カボス君が小さかった時は、大人なピヨりんとどんな感じだったのかも気になりますね。

ともあれ、続きが楽しみです。どんなお話になるのかな〜。

それでは〜。

Re: もてもて
クルク
コウさん、こんばんは~(・▽・)ノ

読んでいただいて、ありがとうございます★

タルタルって、年齢不詳ですよねw
ミスラもそうですが。
タルタルは、イベントとかで仕草がかわい~(*´▽`*)って思って見ていても、娘がいたり、孫がいたりするしww
かぼすの年齢は、ぴよとそれほど変わらないつもりなのですが(かぼすの方が下)、そこはやはりタルタルなので、他種族からすると小さい子みたいに見えちゃったりするんでしょうかw
あんまり警戒されないのかも?
きっとコウさんも、何かやってる時の動作とか仕草とか、「かわい~v(≧▽≦)」 って思われてるに違いない♪

「院長の席」 については、未来の世界でもアジド院長はバリバリ現役そうですが、かぼすは狙っていました。
お母さんからは 「100年早い!」 って言われていましたがw
今の世界でそんなこと口にしたら、シャントット博士の修行でボロボロになる前に、クルクに半殺しにされるでしょうwww

小さかったかぼすと大人なぴよクマは、書いてみたいんですよね~。
・・・とか言っている側から、脳内で大人なクマが 「かぼちゃんを怒らないで!」 ってお母さんに言ってるー!
何を仕出かしたんだろう?・・・って、物語はたいていこんな感じに出来てきますw

次のお話は、連作っぽくなりそうです。
ではでは~(・▽・)ノ


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【2016/05/28 23:59】 | SS
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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

昨日はインしたけど、ぼんやりウロウロしてただけだったんだ。
たまったアイテムをそれぞれに送ったり、競売に出しに行ったり、モグハの模様替えをしようかなーって考えただけで止めたりね。

今日は、レムの第一章がちょっとあったから、梅のワーロックシャポーを打ち直しに出してみました!
足りないレムは梅のエミネンスで交換して、緋麻布は競売で買って、ジュノのモニちゃんに渡して、ヴァナ0時越えで取りに行ってきました♪

Klu3159.jpg

でもね~、IL119の頭装備あるし、装備固定で最近はカー君帽被ってるから、打ち直してもしまっておくだけの装備になっちゃうんだけどね~(´・ω・`)

それから、設置したままずーっと忘れてたブロンズベッドで金庫クエの第1段やりましたw
今更すぎる(^_^;)
パワーボウはエミネンスで交換出来るし、ビートルリングは梅に作ってもらっちゃった(・▽・)
その後、ベッドはバルに渡しておきました★
次はマホガニーベッドだっけ?
誰か持ってたはず・・・。

・・・オデン鯖のクル君でした( ̄ω ̄)

ふむん。

今日もたいしたことしなかったけど、ヴァナでウロウロしてるだけで楽しいなぁ~( *´ - ` *)
なんだろ、やりたいこと多すぎて、何しようか決まらなくて、そのままぼんやりウロウロしてるだけみたいな気がするw

やりたいことは・・・
クルク → プロマシアミッションの続き。
バル → メリポ貯めてレゾルーションの威力上げ。
梅 → サポ割れしてるシーフと踊り子のレベル上げ、釣り。
ぴよ → ジョブを決める。
サンちゃん → ケモケモのレベル上げ、調理スキル上げ。
かぼす → 合成。
クマ → 狩人のレベル上げ。
全員のモグハの模様替え。

どれもすぐに出来るから、逆にどれをするか選べない(^_^;)

それからー!
いつになったらバスはコンクエで1位を取れるの!?
もうずっと、バス以外のキャラはシグネットしないようにしてるのw
いらない装備品も、売らずにアウトポストにいる人に渡して、バスポイントの足しにしたりしてたけど、ちっともだよ(>_<)
バスの礼服、交換させて~!








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【2016/05/27 23:59】 | ヴァナ日記
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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

今日は時間がちょっとしかなかったから、縄張りに行ってお肉を消費してきました。
麝香牛肉が2個と、特大獣肉が1個あったから、クルクとバルと梅で行ってきたよ♪

まずは、クルクは麝香牛肉持って、キングをやっつけて来ました(・▽・)ノ

Klu3156.jpg

お金は3万ちょいくれるけど、アイテムは相変わらずしょぼくれてました。

次は、特大獣肉を持ってたバル。

Klu3157.jpg

やっぱり、ろくなもんくれません。

最後は、麝香牛肉を持った梅です。
クルクもバルも、ベヒモスマスク+1で縄張りまで行ったんだけど、梅は使っても行けなかったの。
なんでかな? って、クフィムから縄張りに入った所で使ってみたら、飛べました。
行ったことがないと、エンチャントでは飛べないの?
でも水着で、行ったことないプルゴノルゴには飛べたよ?
ふむぅ・・・。
まぁいいや。

Klu3158.jpg

結局、梅がピクシーピアスをもらったくらいで、あとは皮とか角とか免罪符とか、そんなもんだけでした~(´・ω・`)
あ、槍ももらったから、それは店売り★

青浮草もみんな持ってて邪魔だから、それも消費しにいかないとなぁ~。
亀は、行くのメンドーだよね~(^_^;)






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【2016/05/25 23:59】 | ヴァナ日記
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こんにちは、サンラーです。

今日は、森の区を出た所のサルタバルタで、少しだけ獣使いの修行をしました。
あやつることが出来るようになって、トリさんをペットにしてみました。

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疲れてきたのでそろそろ帰ろうかなって思っていたら、梅先生がお迎えに来てくださいました。
帰り道で、バッタリうずらさんとチリさんに会いました。
お二人は、チャママさんのお漬物を買い付けにいらしたようです。
せっかくですので、バルファルさんと黒糖さんもお誘いして、皆で音楽の森レストランでお食事をしました。
とっても楽しかったです。


・・・*・・・・・・*・・・・・・*・・・・・・*・・・・・・*・・・

〔 音楽の森レストランにて 〕

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一人で修行をしていたのかね?

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はい、そうです。
マンドラさんと、ハチさんと、ウサギさんと、トリさんを操りました。

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一人では危険ではないか?

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ゲート前なので、大丈夫ですよ。
川は越えないように言ってあります。

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ならよいが。

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んだよ、爺やだけじゃなく、梅さんも心配性の過保護かよ。
ちょっとくらい怪我したって、どうってことないのに。

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サンラーさんは、女の子ですもの。
危ない目に遭ったら大変ですわ。

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大丈夫よ~、梅ちゃんが一人で行かせてると思う~?
絶対にインビジかなんかで姿を消して、付いて回ってコッソリ見てるに決まってるわ!

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人を変質者のように言わないでもらいたい。

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だって、絶対にそうだもの。

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前々から聞こうと思っていたのだが、君は俺に何か恨みでもあるのか?

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無いとでも思ってるの?

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・・・あるのか?

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知らないわよ。

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知らないとはどういうことだ。

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アンタら、ゴチャゴチャうるさいな。
なんなんだよ、痴話喧嘩かよ。

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坊ちゃま!
どこでそんな言葉を覚えたのですか!?

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爺やもなんだよ。
オレをいくつだと思ってるんだ。

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バルファルさん、おいくつなんですか?

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・・・い、言わない!

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ふふふ、わたしよりはお兄さんですよね。

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当たり前だろっ!

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でも、クルたんよりは・・・うっふっふ。

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1こしか違わねぇよ!

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・・・何の恨みだ?

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兄様、気にしてらっしゃるの?

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あ、梅先生!
お豆、ちゃんと食べてください!

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ん?・・・あぁ・・・むぅ・・・。

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サンちゃんはもう、立派なチョコボ使いよね!

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うずらちゃんったら、もう・・・。







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【2016/05/24 23:59】 | * クルク一家
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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

コウさんが、かぼすが主役のお話を書いてくれました!(≧▽≦)
自己中なかぼすのことだから、いつか何かやらかすとは思っていましたが。
まさか・・・まさか・・・!!(; ̄□ ̄)

クルク一家に明日はあるのか!?


それでは、お楽しみくださ~い(・▽・)ノ




**:・:***:・:***:・:***:・:***:・:***:・:***:・:***:・:***:・:**

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ミンダルシア大陸の南方に位置する、ウィンダス連邦。

先の水晶大戦では、大きな損害を被ったが、そこに住む人々の努力と、緩やかな時間の流れが、その傷を癒し、現在はアルタナ四国の中で、最も魔法の研究が盛んな、学術都市として復興を遂げている。

そのウィンダスのある昼中・・・




「はぁはぁはぁ・・・、なんだよあのミスラ、ちょっとナンパしただけじゃないか!」

息を切らしながら、走っているのは、金髪のタルタルだ。疎らに通る通行人が、驚いたように彼を見る。そのタルタル族はウィンダスを支える五院の一つである、口の院の制服を着ていた。髪型はショートで特に整 えていない。その髪が、全力で走った所為か、うっすらと汗に濡れている。舞い落ちる桜の花びらが、ぺたりとその額に張り付いた。

「・・・撒いたかな?」

金髪のタルタルは立ち止って、後ろを振り返った。

「・・・どうやら、あきらめたみた・・」

安心したのも束の間、頭上から声が降ってきた。

「カボス。逃げられはせんぞ。諦めろ。」

「うわっ!」

カボスと呼ばれた金髪のタルタルは、本当にびっくりして、飛び上がった。

「な、なんでボクの名前を知ってるのさ!っていうか、どうして襲いかかってくるんだよ!ちょっとお茶に誘っただけだろ!」

カボスは喚いた。

桜の木の枝の上に仁王立ちに立っていたミスラ族は、カボスの前に降り立った。ミスラは肌を露出させた革の鎧と、長弓、短剣を身に付けている。

「私の名前は、スカリーM。・・・この名前の意味する所は、分かるな?」

「つ、罪狩り?」

カボスはごくりと唾を飲んだ。

罪狩りのミスラとは、ミスラ本国が懸案とする事項を解決する為に存在している組織で、犯罪の取り締まりや、抑止を行う。が、問題を解決する為に苛烈な方法を取ることも有名で、恐れられている。

「罪狩りが、ボクに何の用さ?ボクはミスラじゃないぞ。」

カボスは胸を張って言った。

スカリーMは目を細めてカボスを見た。

「近頃各所から報告が上がって来ていてな?意識不明で発見されるミスラが続出しているそうだ。彼女らに、よくよく話を聞いてみると、魔導士を名乗るタルタルの実験に協力したとの事。幸い彼女らに何事もなかったから、良かったものの・・・。心当たりがあるだろう?」

スカリーMの言葉に内心汗をかきながら、平静な表情を保ってカボスは言った。

「それは、ボクが彼女達に仕事として依頼したんだ。ちゃんと報酬も渡してるよ。」

「仕事と名を付ければ、何をして良いわけではない。兎に角この件について、何らかの裁きが下される。私と一緒に来てもらおう。」

スカリーMは一歩カボスの方に近づいた。

カボスは逆に一歩下がる。同時に後ろ手で、常に携帯している呪符を起動していた。

「悪いけど、また今度ね。次はお茶が出来るといいな。」

そう嘯くと、魔力の輝きと共に、カボスの身体は、スカリーMの前から掻き消えていた。




話を前に戻そう。

口の院の研修生であるカボスは、元から口の院に在籍していた訳ではなかった。未来の世界から、妹を助ける為に次元移動して来たカボスは、始めはバストゥーク共和国で魔符屋(呪符や護符を総称してカボスが名付けたもの)を営んでおり、彼と仲が良い?ヒュームとミスラのカップルと毎日の様にすったもんだしながら、平穏な日々を送っていた。

だが、いつしかカボスはある夢を見る様になった。それは、彼のトラウマにもなっている、親しい人間達の事故についてだった。

何故親しい人間が事故に巻き込まれると分かっているかというと、次元移動をした際、空間と共に時間をも遡ったので、今のカボスから見れば、その事故は未来に起きる出来事なのだ。

事故は2回起こる。

妹のサンラーの分と、ヒュームとミスラのカップルの分だ。

カボスの記憶だと、それぞれが起こる日時は、もっと何年も先のはずだ。だが、その事故がまるで明日起こる様な夢をみるのだ。

それも何回も。

カボスは未来の世界で口の院の研修生だった時に得た知識を使って考え抜いたが、夢と事故の因果関係を立証する事はできなかった。

しかし、カボスが次元移動をした事実と何らかの関係はある様には思えた。

そこで、一時魔符屋を休業し、現在の世界で、再び口の院で学びなおす事に決めたのだ。通常なら五院の途中編入等不可能なのだが、カボス達を 取りまとめる、一家のボス、冒険者クルクに相談すると、院長のアジドマルジドに口を聞いてくれた。なんでも以前の冒険で面識があったそうだ。こうしてカボスは再び口の院の研修生になる事が出来た。最も、始めクルクに相談した時、研修生になりたい理由としては、

「魔術の知識をもっと増やして、強力な呪符や薬品を作れる様になりたい」

という事にしておいたが。

次元移動については、未来の世界でも不確定な技術で、とても実用段階と言えたものではない。今の世界でカボスの由来が広まってしまうと、どんなパラドックスが起こるか分からないのだ。

それこそ、カボスが回避したい事故が、絶対に起こってしまう・・・という事もあるかも知れない。

だから、真実は語れない。

そんな緊張感を持って、カボスはクルクに依頼をしたのだが、その返事は、

「いいよ~。アジド院長に話してあげる。でもカボちゃん、意外と真面目だねぇ。もっと適当かと思ってた。」

という、なんとも肩透かしするような言葉だった。

ともあれ、カボスの願いは叶った訳だが、悪いクセが出て、冒頭に至った訳である。いや、日頃の行いが悪かったというべきか・・・。




「やぁれ、やれだね。」と独り言を言いながら、カボスは借りているモグハウスの中の、ソファーにどさりと腰を下ろした。

先程使った呪符で、自宅まで戻ったのだ。

モグハウスを管理する、モーグリが飲み物を運んでくる。

「何かあったクポ?・・・ まさか、またご主人様、悪い事を?」

カボスは、モーグリから飲み物の入ったマグカップをひったくり、縫いぐるみの様な、白い生き物を睨みつけた。

「悪い事ってなんだよ?悪い事って。ボクは善良な口の院の研修生だぞ?おかしな事を言うな。」

そう言って、飲み物を飲んだ。冷えたウィンダスティーだったが、走った後の喉には心地良い。

「でもクポ・・・」

「なんだよ?」

「マリ・ジャイカちゃんを薬で眠らしたりとか・・・」

「あれは、合成した薬が、効きすぎたんだ。」

「ハンナ・アルルちゃんを裸に剥いたりとか・・・」

「装備変更の呪文の実験だな。」

「ローナ・ハズトちゃんを箱詰めでサンドリアに送ったりとか・ ・・」

「本人がサンドリアに行きたいって言ったんだ。」

「他にも・・・」

カボスはさり気なく、モーグリから目を逸らして、飲み物に集中するふりをした。

・・・何というか、罪狩りのミスラに追われるのが納得の素行であった。カボス本人にも自覚はある様ではある。

「ご主人様は、どうして魔術の実験に、女の子を使うクポか?それもおかしな目で見られる原因の様な気がするクポ。」

モーグリの問いかけを、カボスは聞こえないふりをした。モーグリは溜息をついて、他の部屋に行ってしまった。

(そんなの、カワイイに決まってるからじゃないか。)

カボスは内心、そう呟いた。

無類の女好きという事だろうか。

「ま、そんな事はともかく。」

カボスは、気分を変える為に、口に出して言った。

(あの、スカリーMってヤツ、面倒だなぁ。)

考えは、そこに戻る。罪狩りのミスラは、非常に優秀なハンターの為、目を付けられた人間で、逃げ切れたものは多くない。

(でも、0って訳じゃないんだよね)

誰か強力な後ろ盾を付けて話を付けてもらうか、はたまた誰かにやった事を擦りつけるか。割とあざとい事も考えたが、妙案は浮かばない。カボスはこの件はとりあえず、置いておく事にした。次にスカリーMに出くわしたら、また逃げる事になるが。




(それよりも、やる事があったんだった)

カボスは、強力な魔法を使えるという意味では、あまり才能がある魔導士とは言えなかった 。だが、いわゆる天才肌で、魔術についての知識と理論はかなりのレベルに達していた。その知識を用いた、物品への魔力付与、即ち呪符や薬品の合成は得意である。

先日、口の院で、自分で合成した薬品を運んでいたところ、たまたま口の院を訪れていた、前院長のシャントット博士がそれを目ざとく見つけた。

シャントットはカボスを呼び止めた。

「あ~ら、子鼠ちゃん。ちょっとお待ちなさいな。」

シャントットはカボスにつかつかと近づくと、カボスが運ぶ木の箱に入った、幾つもの薬品を一つづつ確かめた。

「子鼠ちゃん。これはあなたが作ったの?」

頷くカボスに、シャントットは頬に手を当てながら言った。

「子鼠にしては、なかなか良い薬を作りますわね。・・・アジドマルジド、この子鼠に魔力回復の薬を作らせて、持ってきなさい。」

シャントットは、傍にいた口の院の現院長、アジドマルジドにそう命ずると、高笑いをしながら去って行った。

その薬が昨日完成したのだ。

カボスは早速、薬品をシャントット博士の自宅に持って行こうとしていた。

(そうだ。うまく取り入れば、後ろ盾になって貰えるかもしれないな)

カボスは都合のいい事を考えた。だが、確かにシャントット博士が後ろ盾になれば、罪狩りのミスラとて、カボスに手は出せないだろう。

なにせ、ウィンダス連邦の主席元老院議員なのである。実質的なウィンダスNo2だ。

(そうなれば、問題は全部解決だね)

カボスは、自分が作った薬品の質には、自信があった。確かに、シャントット博士御用達の調剤師という事になれば、あながちカボスの願望も間違ってはいない。罪狩りのミスラも、おいそれとはカボスに手は出せないだろう。

(良し。そうとなれば早速薬品を届けよう)

カボスはとうに中身を飲み終えたマグカップをテーブルの上に置き、ソファから立ち上がった。




モグハウスを出発したカボスは、ウィンダス港から、石の区に向かって歩き始めた。カボスのモグハウスは、口の院の近くのウィンダス港にある。行き先のシャントット邸は石の区の東側だ。

エーテルという名で呼ばれる、魔力回復薬が入った鞄を背負い、カボスはゆっくりと石の区に向かって北に歩いて行った。

ちなみに、先程罪狩りのミスラに遭遇したのは、水の区だ。呪符で瞬間移動したので、そんなに簡単には移動先を特定できないだろうが、そこは名高き「罪狩りのミスラ」である。油断はできない。口の院からの帰りともあって、制服を着ていたのもまずかった。

ともあれ今は、薬を満載した鞄を背負っているので、先程のように走って逃げる事も出来ない。罪狩りのミスラに出会わないよう、運を天に任せながら、歩いて行く他は無かった。

だが、半刻ほど歩いても、罪狩りのミスラに遭遇する事は無かった。ウィンダスはジュノ大公国等に比べても田舎である。カボスとすれ違う人は、むしろ少ないと言って良かった。やがて石の区が見えた。星の神子の御座所である天の塔が間近に見える。

石の区は、全体が湖と呼べる規模の水に覆われている。大きな橋が縦横に走って、天の塔や博士達の家々に通じている。

カボスは、シャントット邸の場所は把握していたので、迷わず東の道を進んだ。少しすると一軒の家が目の前に現れた。

シャントット博士は、元老院公邸に住んでいるので、家自体は中々立派な建物である。

門に呼び鈴があったので、カボスは迷わずそれを押した。どこかで、ジリリリというベルの音が響いた。

「・・・」カボスは待ったが、応答が無い。




もう一度押す。・・・応答が無い。




もう一度押す。・・・応答が無い。




もう一度・・・







「うるさいっ!」

急に耳元で大声で喚かれた。

「うわっ!」

カボスはびっくりして飛び上がった。

「何度も鳴らさなくとも、分かってますわ!今、魔法の実験で手が放せないんですの。用があるなら、鍵はかかってませんので入って来なさいな。」

耳元でもう一度喚かれ、声はぶつりと切れた。何らかの魔法的な仕掛けらしい。

「・・・ちぇ。」思わずカボスは舌打ちした。噂に違わず、シャントット博士は多忙らしい。

気をとり直して、カボスは門を開け、敷地の中に入って行った。更に玄関の扉を開けて、邸内に入る。流石に玄関の扉を開けるときは、若干気後れしたが、館の主人が良いと言っているのである。気にしない事にした。

邸内は雑多としていた。

そこかしこに魔法書や、何だか良く分からない装置が積み上げられ、広いわりには足の踏み場も無い。うっかりすると、そこらのものが崩れ落ちて来そうである。

カボスはキョロキョロしながら、邸内を進んで行った。それにしても、博士は何処にいるんだろう・・・。

「あ~ら。あなた、何の御用かしら?」

不意に後ろから声がした。

カボスはまたまたびっくりして、飛び上がった。よくよく人を驚かせるのが、好きな人らしい。いや、わざとやっている訳でもないのだろうが。

カボスは慌てて振り返った。

そこには、黒を基調とした連邦軍師制式装備を身に付けた、シャントット博士が立っていた。所謂ウィンダス連邦の軍人、軍属に支給される制服で、元老院議員としては、自宅でも気が抜けないという事だろうか。まぁ、邸内はほぼゴミ屋敷・・・いや、雑然としているのではあるが。

カボスは一礼をして、話し出した。

「ボクはカボスといいます。数日前に口の院で、魔力回復薬の作成のご依頼をいただきまして、本日お待ちしました。」

それを聞いて、シャントット博士は考える風である。

「魔力回復薬、魔力回復薬・・・何だったかしらね。ああ・・・」

シャントット博士は何か思い出した様子だったが、何処かの部屋で、「ボンッ!」という音が響いた。

「あ~ら。いけませんわ。魔法装置に魔力を供給しっ放しだったですわ。あなた、何か持って来たのだったら、そこへ置いておきなさいな。」

と一方的に喋ると、 搔き消える様に消えてしまった。シャントット博士は自宅内でも、転移魔法を使うらしい。

カボスは唖然とした。シャントット博士は、薬を注文した事も忘れてるらしい。これでは後ろ盾になってもらうどころではない。

「あ~あ。ついてないや。」カボスは独りごちた。しばらく待っても、シャントット博士は帰って来そうもない。言われた通り、薬を置いて帰ろうかと思って、背負っていた薬の入った鞄を床に下ろそうとした。だが、周囲に積まれた魔法書の山に、鞄が当たってしまい、本の山が一つ崩れてしまった。

「ホントについてないな・・・」

ぶつぶつ言いながら、カボスはとりあえず、下ろしかけの鞄を床に降ろし、本を積み直し始めた。

本を積み直し始める と、嫌でも題名が目に付く。

曰く「神獣と魔法」

曰く「精霊魔法の奥義」

曰く「ふりしぼれ!」

曰く「料理と魔力向上」

曰く「モテる女になるためには」

若干、?な本も混じっているが、どれも貴重そうな魔法書ばかりである。それが、こんな無造作に、床に積んであって良いんだろうかと思ったが、その中で一冊の魔法書がカボスの目を引いた。

題名は、「次元移動の考察と、その運用」と書いてあった。

「これは・・・」

カボスは改めて、魔法書を調べた。

分厚い装丁の魔法書で、題名は手書きである。本を開こうと思ったが、魔力で錠がかけてある。カボスは記憶を探った。この世界のシャントット博士とは、ほぼ初対面だが、 未来の世界では、両親と親しかった人物である。カボスも小さい頃から、未来の世界のシャントット邸には頻繁に出入りをしていた。その関係で、シャントット博士の個人的な情報もかなり把握している。・・・あくまで、未来の世界のシャントット博士の情報をだが。

「・・・■ ■ ■。」

考えた末に、3つの言葉を唱えると。カチャリと音がして魔力錠が外れた。

どうやら、合っていたようだ。

カボスはページを捲って行く。難解な文章が多くて完全に読み解く事は、難しかったが、何とか概要は把握できた。次第に手が震えてくる。シャントット博士は、別の世界への移動を実用化していた。それのみならず、次元移動をした後の、移動者が移動後の世界に与える影響まで、考察してある。実体験談も記載されているようだ。

正に、これこそ求めていた本だ。

カボスは本を閉じた。カボスの思考はどうやってこの本を手に入れるかにシフトしていた。

普通に貸して下さいとお願いしても、おそらく貸してはくれないだろう。無造作に床に積んではあっても、これだけの内容である。普通なら五院の禁書として、封印されていて然るべきだ。シャントット博士は自身によほど自信があるのだろう。自分が管理していれば、漏洩はないと思っているのだ。

では、他にこの本を手に入れる方法はあるのか・・・。

この本があれば、いつも頭の片隅にある、あの事故を確実に防げるかもしれないのだ。

カボスの目が妖しく光った。




数刻が 過ぎた。

暴走した魔法装置の後始末を終えたシャントットは、途中になっていたカボスとの会話を思い出し、邸内のカボスと会った場所に瞬間移動した。

「オ~ホホホ~。お待たせしましたわね。思い出しましたわ。あなた、アジドマルジドの所にいた・・・」

ここまで喋って、シャントットは、目の前にカボスがいない事に気付き、キョロキョロと周りを見渡した。

足元に鞄がぽつんと置かれているだけである。シャントットは、鞄を開けてみた。すると中には、布で丁寧に包まれた、薬瓶が10ばかり入っていた。

「これは・・・エーテルですわね。・・・中々の良品。さて、礼の1つも差し上げねばなりませんが、あの子鼠はどこに?」

シャントットはもう一度周りを見渡したが、人影はない。

シャントット博士は、声を張り上げた。

「キング!キング・オブ・ハーツ!何処にいるの!すぐ来なさい!」

すると、機械音をさせながら、一体のカーディアンが現れた。魔導人形である。タルタル族の2倍以上の体格を持っているが、器用に床に積み上げられた、本や魔法装置を避けてくる。足の代わりに取り付けられた、車輪を止めて、キング・オブ・ハーツはシャントットの前で止まった。

「ゴヨウデスカ★ゴシュジンサマ」

その独特の喋り方に被せるように、シャントットは言った。

「邸内にいた子鼠は、何処へ行ったの?」

その曖昧な言葉でも、キング・オブ・ハーツは意図を理解したようで、

「ライホウ★シタ★ジンブツ★ナラ★サンジカンマエ二★キタク★シマシタ」

と答えた。

「あら、まぁ。そんなに時間が経っていたとは。・・・礼なら、アジドマルジドに言付ければ良いかしらね。」

シャントットが肩をすくめると、キング・オブ・ハーツは続けて報告した。

「ソノサイ★ソノジンブツハ★テイナイノモノヲ★モチダシタ★ケイセキガ★アリマス」

シャントットは、片眉を上げた。

「・・・何ですって?キング、邸内の物品をスキャン。報告しなさい。」

ガ~、ピ~と動作音をさせながらキング・オブ・ハーツは答えた。

「ゲンザイノ★テイナイノ★ビヒン★ノソウスウハ・・・」

「要点だけおっしゃい!」

「カシダシヲ★シテイル★イガイノ★ビヒンデ★ショザイガ★フメイノ★モノガ★アリマス」

シャントットは、爪先でトントンと床を叩きながら言った。

「それは何?」

「マドウショデス★ダイメイハ★ジゲンイドウノコウサツト、ソノウンヨウ★デス。」

シャントットの爪先がピタリと止まった。

「何ですってぇ~。」

シャントットは驚いた。持ち出された魔導書は、危険な技術が相当数記載してあるのである。普通の人間なら読む事も出来ないが、一定レベル以上の魔導士なら使う事が出来てしまうかもしれない。そして使えば、下手をすれば次元間の扉が出来、お互い干渉した挙句滅亡という可能性もある。

それにどうやって邸外に持ち出したのだ。あれには魔法錠がかけてあったはずだ。そして魔法錠が掛かったままの状態では、キング・オブ・ハーツのセンサーにひっかかる為、邸外への持ち出しは、不可能なのである。

ということは、あの子鼠は、魔法錠を外した事になる。

(一体どうやって・・・)

シャントットは首を振った。それは子鼠を捕まえてから、聞き出せば良い事だ。

シャントットは、無意識のうちに周囲に魔力を吹き出しながら言った。周りの積み上げられた本がバラバラと散らばる。

「わたくし、ブチ切れますわよ!」

シャントットの周囲に魔力の嵐が吹き荒れた。




シャントット博士の怒りが頂点に達している時、カボスは既にウィンダス連邦にはいなかった。現在居るのはジュノ大公国である。
(いや~。流石にウィンダスにいるのはヤバいよね。シャントット博士になら直ぐに見つかってしまうんじゃないかな)
カボスは、ジュノ大公国の空中庭園である、ル・ルデの庭のウィンダス大使館の近くのベンチに座って、近くの露店で買った、ウルラガンミルクとチーズサンドイッチを頬張っていた。シャントット邸から持ち出した魔導書が、カボスの思った通りの価値があるのなら、各国の大使館に連絡が行くレベルの物であるはずだろうからだ。逆に言うなら、大使館に動きがないなら、あの魔導書は、カボスが想像したものと違うという事になる。

コクのある、ウルラガンミルクを飲みながら、カボスは手元の羊皮紙に目を通していた。それは持ち出した、次元移動の魔導書を書き写した物であった。カボス謹製の写本する為の魔法のペン、「かきうつしくん」を使って、魔導書の半分程は、数十枚の羊皮紙に書き写していた。本当は全部書き移すつもりだったが、時間が限られていたのと、魔導書の魔力の影響か、「かきうつしくん」が壊れてしまったのだ。仕方ないので、書き写しができた分だけを、鞄に入れて持って来ている。ちなみに魔導書は安全な場所に保管してある。その写しを読みながら、ウィンダス大使館の様子を窺っていたのだが、魔導書の写しの内容が衝撃的すぎて、監視の方はそぞろであった。

魔導書曰く、未来に起こるべき事件を、完全に回避するのは非常に難しいと言うのである。これは日々起こる事柄が、起こるべきして起こっている為で、これを変えようとすると 、別の形で同様の事柄が起こると言うのである。分かりやすく言うと、ギルの入った財布を落とす事が、事前に分かっていたとして、落とさないようにしたとしても、近い未来に、別の場所で財布を落とすか、または、同額を何かに使ってしまうと言うのである。つまり、自分からギルが離れるのは防ぐ事はできないと。

「時間の修復作用」と魔導書には書いてあった。これが事実ならば、カボスが防ぎたい事故は防げないという事になる。カボスは呆然として、道行く人々を眺めた。ガルガやエルヴァーン等、色々な種族の人間が歩いている。

(だけど、諦める訳にはいかないんだ)

カボスは強く思った。幼い日に失った物を、また失う訳にはいかない。今ある大事な物も、失くすわけには行かない。

(何か方法があるはずなんだ。何か・・・)

その為には魔導書を読み解く時間がいる。カボスが物思いに耽っていると、不意にウィンダス大使館の動きが激しくなった。人が慌ただしく出入りを始め、時折開けられる扉からは、声高に話す大使館員の姿が見える。

(気付かれた・・・いや始まったね。)

カボスはベンチから立ち上がった。パン屑を払い、歩き出す。

(とりあえず、何処かに引きこもって、魔導書の解析だね。でも、いつ襲われるか分からないから、護衛がいる)

そう考えて、カボスは冒険者互助会の方へ向かった。




冒険者互助会の建物は、ル・ルデの庭の西側にあった。ヴァナ・ディールの世界に多数いる冒険者を統括する組織の建物としては、こじんまりとしている。カボスが先程見張っていた、ウィンダスの大使館の方が余程立派だ。カボスは、目ただない為に、飾り気のない白いローブを着ていた。その所為か、大使館からこちら、誰にも見咎められなかった。ジュノ大公国には、白いローブを着たタルタルなど、掃いて捨てるほどいたからだ。

互助会の建物の扉を開けると、人は疎らだった。受付に互助会の人間と、奥の張り紙が沢山貼られている掲示板の所に、4・5人の人影が見えるばかりだ。

カボスは、互助会に来た事は無かったが、知識だけはあったので、冒険者に正式に護衛を頼むには、受付に行って依頼を出さなければならないと知ってはいた。

だが、追われている身である。正式な依頼など出せるはずもない。そこでカボスは掲示板の所に行った。掲示板には様々な所からの依頼が貼ってある。冒険者は内容を見定めて、依頼を受ける。そこには5人の人間がいた。ガルガと2人のヒュームはパーティらしく、声高にどの依頼を受けるか話し合っていた。後2人は、エルヴァーンの男とタルタルの女で、それぞれ思案する顔つきで、貼られている用紙を見つめている。

(どっちが良いかなぁ。まあ、一緒にいて楽しいのは女の子だね。男はむさいしさ)

カボスは声をかける冒険者を選ぶのに勝手なことを考えていた。そして、金とオレンジの髪をポニーテールにしたタルタルの女に声をかけた。

「ちょっと良いかな?」

「はい?」

タルタルの女はびっくりした様子で振り返り、カボ スを見た。

「急ぎで護衛を探しているんだけど、君、雇われる気はない?」

「ああ。そうなんですか。」タルタルの女はどうしようかと迷う表情で、カボスを見つめた。

「良ければ、仕事の内容と、報酬を説明するから、お茶でも飲まないかい?」

タルタルの女は、迷っていたが、やがて肩を竦めて、

「いいですよ。」

と言った。

「それはよかった。ボクの名前はユズ。君は?」

偽名を使ったカボスに、疑う事なくタルタルの女は名乗った。

「あたしはユファファって言います。」




一方ウィンダスのとあるモグハウスでは、騒ぎが起きていた。

「せ、先生!?ど、どうしましょう?」

栗色の髪を短いツインテ ールにしたタルタルの女の子が、エルヴァーンの男性にまくし立てていた。

「落ち着け。」

エルヴァーンの男性は、実際に落ち着いた口調で言った。

「お、落ち着けって言われても、お兄ちゃんが指名手配されたんですよ!?」

この2人は、クルク一家のメンバーで、ウメとサンラーと言った。カボスの妹のサンラーが言う通り、カボスは魔術書を持ち出した数日後には、各国に指名手配されていた。罪状は、「機密文書窃盗」だ。サンラーが喚くのも無理からぬ事ではある。

「ど、どうしよう・・・」

落ち着かなげに、モグハウスの中を行ったり来たりするサンラーを横目で見たウメは、ゆっくりと立ち上がった。

帯刀し、出かける準備をするウメを見て、サンラーは、

「先生!?何処に出かけるんですか!?」

と叫んだ。

「落ち着けと言っただろう。事の次第を確かめてくる。後、クルたんにも相談しなければな。・・・ここで待っていなさい。」

「なら、私も・・・」

言いかけたサンラーだったが、ウメが目を向けると、しゅんとなった。自分が足手まといになる事を思い出したのだ。

「暫くかかる。悪いようにはならない。落ち着いて待っていなさい。」

そう言い残して、ウメは自分のモグハウスを出立した。サンラーの祈るような視線を背に受けて。




そんな妹の嘆きをよそに、カボスは精力的に魔導書の解読を進めていた。隠れ家にしているのは、ウルガラン山脈の中腹にある洞窟の1つだ 。ル・ルデの庭で飲んだ、ウルガランミルクから思いついたので、足が付きにくいだろう。既にここに篭ってから2週間が経過している。カボスは逃走に当たって、幾つかの準備をしていた。その1つが魂石と呼ばれる特殊な魔法の石の散布である。シャントット博士、いやウィンダス連邦が自分を探索する際、自分の魔力の波動を探知するシステムを使う事は、容易に想像できた。そこで魂石に自分の魔力を込めて、競売に格安で放出したのである。元々、魂石は魔術の実験用に、大量に備蓄してあった。競売に売り出された魂石は、瞬く間に多数の冒険者に買い取られ、カボスの発見を阻害した。魂石は冒険者の装備品の強化に使われるものなので、いつかは使われて無くなってしまうだろうが、まだまだ時間稼ぎはできそうだった。

「ユズさん。今戻りました。」

洞窟の入り口付近から声がした。護衛に雇った冒険者のユファファだ。結局、彼女を互助会から連れ出し、1ヶ月更新で護衛の仕事をする事を了承させた。自分は魔導士で、難解な魔導書を読み解き、論文を発表するつもりという事にしてある。その間、ライバルから妨害があるかも知れないので、護衛を頼みたいと。正式に互助会を通して依頼しないのは、そのライバルに知られたくないからだとも説明し、高額な護衛料をも提示して、迷っていたユファファを説得した。

(ウソをつくときは、本当の事と混ぜて言うのが鉄則だよね)

等と、心の中でほくそ笑むカボスは、魔導書の解析をしている奥の空間から出て、ユファファを出迎えた。

「ご苦労様。何も異常はなかったかい」

ユファファは、肩に担いでいた、雪ウサギを洞窟の床に下ろしながら、頷いた。

「魔物が数匹うろついてましたけど、こちらに近づいてくる様子はないようです。お仕事が良ければ、このウサギを捌いて夕食にしますけど、良いですか?」

ユファファは、雪の被ったマントを脱ぎながら言った。ウルガラン山脈は北方で、春になったこの時期でも、まだ雪が散らつく。洞窟の中は、即席の暖炉の様な物が組まれていて、暖かい。マントの雪も、直ぐ水滴になった。この暖炉はカボスが組み立てたものだ。

「いやー。ワルイね。護衛の仕事以外にも、家事もやらせちゃって。」

カボスの言葉に、ユファファはにこりと笑って 、

「良いですよ。高い料金を貰ってますから、これぐらいは全然。」

「ユファちゃん、いいお嫁さんになるね。」

ユファは再びにこりと笑い。

「ありがとうございます。じゃあ、仕込みを始めますね。」

と言って、キッチンの代わりにしている、石の台の所に、ウサギを持って行った。

カボスは、洞窟の自室に戻りながら、

(いやいや、あのコは拾い物だな。腕もそれなりに立つし、気も効くし、なんと言ってもカワイイよね。あのコと付き合うのもいいな)

等と、現在の追い込まれた状況にそぐわない、緩い考えに浸った。

だが、魔導書を前にすると、自然と考えが引き締まった。

(さて・・・)

問題は、「時間の修復作用」をどう回避するかである。魔導書を読み解いて、カボスは1つの仮説に達していた。

1つの強力な護符を作るのである。それは「時間の修復作用」を防ぐ為の、防御フィールドを常に展開していて、修復作用の自身への働きを無効化する。この護符を持った状態で、未来を変えるアクションを起こすのである。そうすれば未来は変えられる。ずっと護符を持っていなければならないが、身体から離れない様な効果も付与しておくと良いだろう。呪符や護符を作成するのが得意なカボスならではのアイデアと言えた。

護符を作成する為の魔力回路は比較的簡単だが、問題は護符の魔力の供給源である。時間の流れに逆らおうとするのだから、膨大な魔力が必要で、量的に言えば、互助会が設置した、拠点間移動用のクリスタルでも全然足りないだろう。

(どうしようかな)

カボスは更に考える。ぱっと思いつくだけでも、地脈を利用するとか、神獣の力を借りるとか、他にも幾つか魔力の供給源はあった。

(だけど・・・)

護符と供給源を繋ぐ方法が解らない。それは護符自体を作る技術とはまた別物で、カボスの手に余るものだった。

煮詰まった状態で時間が過ぎていく。ここから先は、もっと知識と能力がある魔導士の助けが必要である。そう、例えばアジドマルジド院長や、シャントット博士の様な、だ。だが、勿論それはできない。シャントット博士の魔導書を無断で持ち出したのだから。

宙を睨むカボスの鼻に、香ばしい香りが漂ってきた。どうやら夕飯が出来たらしい。カボスは魔導書を閉じて、洞窟内の自室を出た。

夕飯は野兎のグリルだった。スパイスの効いた香ばしい香りが洞窟内に漂っている。ユファはナイフで肉を切り分けながら、

「あ、ユズさん。呼びに行こうと思ってました。どうぞ座って下さい。」

と言った。

「美味そうだね。」

カボスは口の中に唾が沸くのを覚えながら、椅子の代わりの石に座った。

上面が比較的平らな大きい岩が、テーブルの代わりだ。

携帯用の金属製の皿に盛られた肉とパン、同じく金属製のコップに入った水が、目の前に置かれた。

「じゃあ、いただきます。」

「いただきます。」

2人は口々に言ってから、食べ始めた。

「ユファちゃん、ホント料理上手だよね。」

カボスは肉を頬張りながら言った。実際に美味しい。肉はジューシーだし、皮はパリッと焼けている。

ユファは照れくさそうに笑いながら、

「普通ですよ。しばらく冒険者の師匠のところで住み込んでたんで、その時覚えました。」

と言った。

「ああ、コウって冒険者だね。」とカボスは頷いた。

ユファと話をする都度、度々出てきた名前だ。初めは軽く相槌を打っていたが、最近はその名前を聞くと、妙な気分になる。

(これって嫉妬?・・・まさかねー)
自慢ではないが、カボスは女性に不自由した事はない。口八丁手八丁で、様々な女をモノにしてきた。その為、この感情を嫉妬と認めるのは、いささか抵抗がある。
ユファの話好きもあってか、食事の時の話題は、大抵彼女の冒険談が多い。そして話を聞いてみると、どうやらユファは、クルク一家のバルファルとも知り合いらしい。

(世間って、存外狭いんだな)

そんな考えが頭をよぎるが、カボスから見て幼稚なバルファルは、ユファに手を出してはいないだろう。

(まあ、手を出してもらっても困るんだけどさ)

バルファルの相手はクルクでないと困る。そうでないと自分は・・・

「ユズさん、聞いてます?」

ちょっと身を乗り出し気味に見つめられて、カボスは焦った。どうやら柄にもなく女性と会話中に自分の考えに耽ってしまったようだ。

「・・・ごめんよ。研究のことが気になって・・・」

咄嗟にごまかした。

ユファは頷き、進み具合はどうか?と聞いてきた。

「そうだね・・・」

ユファの事は気に入っているが、次元移動や時間の修復作用について語っても、分かるとは思えなかった。だがまあ、掻い摘んで話してみる事にする。

案の定、ユファは分かったような分からないような、微妙な表情をした。

「時間の修復作用を逃れる方法ですか・・・ユズさんの研究って難しいんですね。」

・・・感心されてしまった。だが、軽く尊敬のニュアンスを感じるので、気分は悪くない。

「より上位の魔導士に相談すれば良いんだけど、研究のライバルに情報が行くかも知れないので、ちょっとね・・・」

始めにユファにしたウソの説明を混ぜて、誤魔化しておく。

なるほど・・・と相槌を打ったユファだったが、思いついた様に言った。

「じゃあ、魔導に詳しい冒険者に聞いたらどうですか?」

虚を突かれた。

少しして、我に返ってカボスは言った。

「詳しい人を知ってるの?」

ユファは少し困った様子で、

「あたし、冒険者としては駆け出しだから、知り合いとかあんまりいないんですけど、コウなら・・・」

と言った。はっきりした事が言えなくて、申し訳ない様な感じだ。

その様子にほのぼのとした感情を覚えながら、しかしカボスは、

(また、コウって奴か)

と思った。だが、考え自体は悪くない。

(そうか、魔導士は連邦直属の人間だけじゃない。在野にもいたんだ)

思いつかなかった。だが院長や博士程の人材がいるかどうか・・・

「・・・そうだね。じゃあ、よかったらユファちゃんの師匠を紹介してくれないかな。」

カボスは考えた末に、そう言った。

ユファは頷き、

「いいです・・・」

と言いかけて、固まった。そしてカボスに言い直した。

「ユズさん、誰か来ます。念の為に直ぐここを出られるようにして下さい。」

そして、壁に立てかけておいた剣を手に取る。

カボスは驚いて、

「誰が・・・」

言いかけたが、 ユファは自分の唇に指を当てて、

「静かに。急いで。」

と小声で言った。

カボスには全く何の気配も感じられなかったが、ユファには分かるらしい。

カボスは慌てて、洞窟の自室に駆け込んだ。




ユファは、そうっと洞窟の入口から外の様子を探った。もう陽は沈み、月明かりを地面に積もった雪が反射している。その為、夜でも結構明るい。

ユファは辺りを見渡したが、先程感じた気配を感じ取る事は出来なかった。

(隠れてるのかな)

感じた気配は1つだけだった。だが明白に敵意を感じたので、どこかに潜んで、こちらの隙を伺っているのかもしれない。

1歩外に踏み出す。さくりと雪を踏みしめると同時に、ヒュッという音が鳴っ た。

咄嗟に横に飛び退くと、ユファがいた場所に1本の矢が突き立っていた。

「!」

ユファは抜刀し、矢の飛んできた方向に目を凝らした。だが何も見えない。

じりじりとした緊迫感の中、不意に声が聞こえた。

「そこにカボスと言うタルタルが居るだろう。カボスを出せ。」

雪で声が反射して、出処が特定出来ない。女の声の様だ。

「そんな人はここにはいない!何処にいるの?姿を現しなさい!」

現しなさい現しなさい・・・とこだまが響く中、低く笑い声が響いた。

「良いだろう。どうせお前らは逃げる事は出来ないのだからな。」

そして木立の中から現れたのは、白い防寒着を着た1人のミスラだった。

ミスラはユファに向 かって言った。

「私はスカリーM。名前の通り、罪狩りのミスラだ。ミスラ本国の指令により、カボスを捕らえに来た。大人しく縄につけ。」

「だから、そんな人は・・・」

ユファが言いかけた時、後ろにカボスがやって来た。

「ユズさん・・・」

何か言いかけるユファにカボスは畳み掛けるように言った。

「ユファちゃん。このミスラはボクのライバルが寄越した刺客に違いないよ。戦っても得は無いから、逃げる事にするよ。」

くっくっくっとスカリーMは笑った。

「相変わらず口が回ることだな。だが、逃げられはしない。」

そして指ををパチンと鳴らした。

すると虚空から3人のタルタルが姿を現した。いずれも口の院の制服を着 ている。

中央の1人が歩みでた。

「私は連邦魔戦士のロランアラン。口の院研修生のカボス。機密文書窃盗の罪で捕縛する。抵抗すれば容赦しない。」

「ち」

カボスは舌打ちした。罪狩りのミスラだけならやりようはあったのだが、相手が4人では分が悪い。




そして・・・




ユファの視線が痛かった。

ユファは静かに言った。

「騙してたんですね。」

カボスはユファと視線を合わせずに呟いた。

「まあ、事情があってね。悪かったよ。ボクは逃げるが、キミは彼らと一緒に行った方が良い。騙されたって言えば、悪い様にはならないさ。」

そして懐に手を入れた。

スカリーMと連邦魔戦士達が身構える。



取り出したのは・・・




真っ黒い何かだった。




それを頭上で2、3回振る。

連邦魔戦士ロランアランが思わず言った。

「何をやって・・・」

スカリーMの様子が変だった。カボスが振る黒い何かに視線が釘付けなのである。

カボスが黒い何かを右に振れば右、左に振れば左に、頭ごと動いている。

カボスが黒い何かを連邦魔戦士の方に放った。

それは、ミスラの大好物、サイレドンの黒焼きだった。

身構えるロランアラン達の上に、スカリーMが飛びかかった。




「………んにゃーーっ!黒焼きだぁ! いっただきぃ!!」




3人のタルタルは、スカリーMに押しつぶされ、4 人が団子状態になった。

「へ?」

思わず気の抜けた言葉が、ユファの口から漏れた。

スカリーMの挙動にびっくりしたのだ。

間髪入れず、カボスは4人と逆方向に走り出す。

だが雪の所為で、中々足がはかどらない。

立ち直ったロランアランがカボスに追いつこうとする。

そこに立ち塞がったのは、ユファだった。

斜め後ろから、ロランアランにタックルをかけると、ロランアランは雪の上に突っ伏した。そのままタルタルを踏みつけて、カボスに追いつく。

「ユズさんか、カボスさんか、どっちでも良いですけど、後で必ず説明して下さいよ!」

そしてユファは、カボスの腕を掴むと、転移の魔法を使った。

2人の身体は、紫色の光に包まれて、ウルガラン山脈から掻き消えた。




クルク一家のウメは、一家のボス、クルクのモグハウスを訪れていた。カボスが指名手配になってから、カボスが訪れそうな場所を幾つか覗いてみたが、結局見つける事はできなかったのである。もちろん連邦もカボスを探しているので、もし本人が行きつけの場所に居たら、直ぐに捕まってしまったに違いない。ウメにとって、サンドリアは鬼門だったので、そちらは同じ一家のメンバーのウズラに頼んで、何日かかけて他の3国を回った。そして今は結局、バストゥーク共和国のクルクのモグハウスにたどり着いたのである。

モグハウスのリビングには、テーブルを挟んで、3人の人間が座っている。一家のボスのクルク、クルクの幼馴染のバルファル、そしてウメであった。その中で、1人バルファルが気炎を上げている。

「大体アイツは何かやらかしそうだったんだよ!」

「一体、国際手配なんかになっちまって、どうするつもりなんだ!」

「妹のサンラーや、オレ達の立場を考えた事があんのか!」

等等、罵詈雑言の嵐だった。

やがて、叫び疲れたのか、バルファルはソファーにもたれかかり、息を吐いた。

「・・・クルク。何とか言えよ。」

クルクは、腕を組み、何かを考えているのか、考えていないのか、暫く黙っていたが、

「うーん、かぼちゃんは何か考えがあって、機密文書を盗ったと思うなぁ~。」

とぽつりと言った。

クルク達は公式な発表しか聞いていな いので、カボスが本当は魔道書を持ち去ったとは知らない。あくまで発表としては機密文書だった。

「何かって何だよ?」

バルファルは顔をしかめて言った。

「それはクルクには分からないなぅ~。女のカンってやつかな。」

「クルたんのカンは当たるからな。案外何か深い訳でもあるかもしれん。」

それまで黙っていた、ウメが口を開いた。

そして、テーブルの上にあったティーカップを指先で弾いた。

その音で気づいたのか、モグハウスの管理人のモーグリが、冷めたお茶を入れ替えていく。その場の重い雰囲気を察してか、何時もは多弁なモーグリも無言だった。

「そんな事言ったってさ、ウメさん。そもそもアイツはどこにいるんだ?」
バルファルが新しいお茶を一口飲んで言った。
「それが分からないから、指名手配されてるんだろう。」

ウメが正論を口にする。

「バル、ウメ」

クルクが、2人を呼ぶ。

「何だよ?」

「どうしたクルたん。」

2人をじっとみて、クルクは言った。

「かぼちゃん。きっと困って助けを求めてくると思うんだ。とりあえず、それを待とうと思う。」

「いいのかよ?」

バルファルは納得いかない様子で言った。

クルクはニヤリと笑い、

「勿論、かぼちゃんに会ったら、まずゲンコツだよぅ。それは確定。」

ウメはふっと笑い、

「まあ、サンラーを心配させたんだ、それくらい当然だな。」

3人はカボスか らの連絡を待つ事になった。そしてそれは決して長い間でもなかった。




「で、一体君達は何をやってるんだ?」

場所は変わって、ここはジュノ大公国、下層の冒険者コウの家であった。

結局、罪狩りのミスラと、連邦魔戦士達から逃れたカボスとユファは、ユファの師匠であるコウを頼った。

と言うか、ユファの転移の呪文の転移先が、ジュノ下層に設定されていた為、必然的にそうなったと言える。

雪まみれで、ガチガチ震えていた2人は、交代で風呂に入り、今はバスローブに包まって、温かいミルクを啜っている。

そんな2人にコウは問いかけたのだ。

カボスとユファは目を見合わせた。先に目を逸らしたのはカボスで、これはユファを騙していた罪悪感が、そうさせたのかもしれない。

「とりあえず、あたしから話すね。」

ユファは、カボスから魔道書の論文を書く間、ライバルからの妨害を防ぐ為、護衛に雇われたと語った。そして敵が来てみれば、それはウィンダス連邦が差し向けたもので、カボスは、実は窃盗の罪で、指名手配されていた。有り体に言えば、自分は騙されたのだ。

憮然とした表情で、ユファに睨みつけられたカボスは、虫も殺さぬような笑顔を見せ、

「騙していて、ごめんよ。」

と言った。

何となく気勢を削がれたユファは、少し声のトーンを落として、

「ユズさん、いえ、カボスさん。とにかく納得のいく説明を頂けませんか。あたし、怒ってるんです。」

と言った。

3人は小さく火を起こした暖炉の前の絨毯に座り込んでおり、春の盛りでも冷える夜にも平気だった。火種が崩れるゴソッと言う音が響いた。

コウも胡座をかいて、その上に肘をつきながら、

「それは僕も聞きたいね。ユファの言う通り、カボス君は連邦から機密文書窃盗の指名手配がかけられている、君をどう扱うにしても、はっきりとした説明は欲しいな。」

と言った。

カボスは曖昧な笑みを浮かべながら、コウに目を向けた。

「1つ聞いておきたいんだけど、コウさんは魔導には詳しいかな?」

コウはカボスを見て、

「魔導。魔法という事だね。一口に魔法と言っても、黒魔法、白魔法、召喚、モンスターの魔法を使う青魔法なんてのもある。どれを指してるんだい?」

と言った。ユファは横から口を挟んだ。

「もしかして、あたしに説明した、次元・・・移動?とか、時間の修復作用とかの話?」

コウはユファの言葉を聞いて、微かに目を見開いた。

「ああ、なるほど。理論に詳しいかと聞いてるのか。どうも冒険者と言うのは、実際に使う技に意識が行きがちだが・・・まあ、一通りは収めているよ。」

「ユファちゃんの言った名称についてはどう?」

コウは肩を竦めて、

「何だか、こっちが問いただされてるみたいだな。平たく言うと、未来が変えられるとか変えられないとか、そう言う議論がしたいのかい?」

「・・・」

カボスは黙った。そしてちらりとユファを見る。

コウは再び肩を竦めて、

「ユファ。カボス君は僕と2人で話がしたいらしい。少し部屋に戻っててもらえるかい。」

「えーーー。なんでよ?あたしが一番の被害者なのよ!?」

なおも喚くユファをコウは何とか宥めて、部屋に追いやった。

「やれやれ、これでいいのかな。」

再び暖炉の前に座り込んだコウは、カボスに言った。

カボスは苦笑いをして、

「ずいぶんユファちゃんに信頼されてるんだね。ボクと話す時と、全然態度が違う。」

「まあ、割と長い付き合いだからね。で、話の続きは?」

カボスは暖炉の小さい火を見ながら、ぽつりぽつりと話した始めた。

自分と妹が、未来の世界から来た事。

未来の世界で、現在の世界に次元移動してきた妹は事故で死んでしまっている事。

妹とは別に、育ての親も事故で亡くなっている事。

妹と育ての親の事故を防ぎたいが、シャントット博士の魔導書によると、防げない可能性が高い事、それが時間の修復作用と呼ばれている事。

時間の修復作用を防ぎたいが、自分の力だけでは、難しい事。

「夢を見たんだよ・・・。」

カボスは言った。

「サンラーと、ピヨりん、クマちゃんが苦しそうな顔で死んでいくんだ。ああ、妹と育ての親の事なんだけどね。居ても立っても居られなくってさ。そのちょっと後で、シャントット博士の家で、役に立ちそうな魔導書を見つけたんで・・・つい。」

カボスは乾いた笑いを浮かべた。

「そんなとこ。まあ、信じられないよね。」

コウは頬杖をついて、カボスの話をきいていたが、おもむろに言った。

「いや、信じるよ。」

カボスは、聞き違えたかと思って言った。

「信じる!?信じるって言った?なんでだよ?こんな突拍子のない話のどこが信じられるんだよ!?」

「根拠がないわけじゃないんだが。」

コウは、戸棚の所に行き、幾つかの物を持ってきた。

酒瓶とグラス2つ。後は、変わった形をした石だった。

「まあ、一杯呑みなよ。」

コウは2つのグラスにブランデーを注ぎ、カボスに1つ渡した。

「ボクは酒は呑まないよ。」

カボスは断ったが、再度促されると、グラスを受け取り、用心深く一口すすった。

芳醇で強い香りが口に広がり、飲み慣れないカボスはむせそうになったが、何とか飲み込んだ。

ぼっと身体に火が入ったような気がする。

「うへ・・・」

思わず息を吐くカボスに、コウはニヤリと笑い、

「こういう時は、酒も良いもんだよ。で、この石なんだが。」

コウは、手の平サイズの曲がった、滑らかな石を見せた。

「これは魔法の石でね。勾玉と言うんだ。イロハと言う、未来の僕の弟子が持ってきたものだ。」

カボスは初めコウの言っている事が分からなかった。だが、意味が分かると思わず叫んだ。

「ボクらの他に、時間を越えてきた人が居るのかい!?」

コウは頷いた。

「正確にはいた、だ。彼女は未来の世界に帰って行ったからね。彼女が現在に来た理由は割愛するが、僕はこの石を貰ってから、時間の流れが見える様になった。」

「時間の流れが・・・」

コウはブランデーを一口飲み、つられてカボスも一口飲んだ。

「うん。カボス君の身に纏っている、時間の流れは他の人間とは違う。だから君の話を信じると言ったんだ。」

カボスは無言でもう一口ブランデーをすすった。

「だが、君の言う事を信じるにしても、やった事は悪手だったな。なにも魔導書を持ち去る必要はなかったんだ。シャントット博士は知識欲と研究欲の塊だ。今僕にした話を、シャントット博士にすれば、間違いなく何らかの助言や手助けをしてくれただろう。その魔導書を書いたくらいだ、博士が時間と空間の第 一人者さ。」

しばらく、沈黙が辺りをつつんだ。

カボスはぽつりと言った。

「待てなかったんだ、シャントット博士はとても忙しそうだったし・・・」

「待つべきだった。」

「自分で何とかできると思ったんだ・・・」

「出来なかったろう?」

カボスは無言になった。今までの疲れと、飲み慣れない酒を飲んだせいで、今にも眠り込みそうだ。

コウはそんなカボスを見て言った。

「とりあえず、詫びを入れに行くしかない。」

「詫びを・・・」

「まず魔導書を持ち去った事を謝って、訳を話そう。」

「許してくれるかな・・・」

コウは肩を竦めたが、がくりと頭を突っ伏して、既にカボスは寝入っていた。
コウは低く喋った。
「ユファ。」

部屋の入り口から、ユファがきまり悪げに進み出て来た。

「どこから聞いてた?」

「聞くつもりじゃなかったんだけど、気になって。声が低くてよく分からなかったな。時間を越えてきたとか・・・イロハさんと関係があるの?」

ユファも先程話に出てきたイロハと言う人物を知っている様だ。

コウは首を横に振った。

「直接関係がある訳ではないよ。それより、魔導書を持ってシャントット博士に謝りに行く事になった。」

えーと叫びかけて、ユファは手で口を塞いだ。

「いやだって、指名手配されてるんでしょ?捕まっちゃうんじゃ・・・。」

「そうさせないためにも、僕が付いていく。」
「じゃああたしも・・・って、足手まといか。」
「すまんな。」

「いいけど、あたしの時といい、コウは物好きねー。」

ユファは、実家から飛び出した後、行く当てもない所をコウに拾って貰ったので、そう言った。

ユファの半分呆れた口調に、コウは肩を竦めた。

「まあ、カボス君については、共感できるところもあってね。」

「どの辺が?」

「僕も、自分の才覚を鼻にかけて無茶をやった時期があったってことさ。」

ユファはびっくりして言った。

「コウがねぇ。まあ無茶って言えば、今でも無茶だけど。」

コウはユファの肩を軽く叩くと、

「話はお終いだ。ユファも疲れたろう。寝なさい。カボス君には枕と毛布をかけてあげてくれ。」

と言った。

「は~い。」

ユファは素直に返事をすると、枕と毛布を取りに出て行った。

カボスの方を見ると、ぐっすりと眠り込んでいる。

コウは軽く欠伸をすると、

「明日は忙しくなるな、僕も寝るか。」

そう言って、コウは自室に戻っていった。



翌朝・・・



「言ったよ。」

「言ってない。」

「言ったよ。」

「言ってないったら!」




コウとカボスは、それぞれ起きてきた後、ユファが作った朝食を食べた。カボスは昨日飲み慣れない酒を飲んだ所為で、軽く頭が痛かったが、ユファの作ったスープや卵料理は美味しく、少しづつであるが、食べる事が出来た。
問題はその後、食後のお茶を飲んでいると、コウが魔導書を持ち出した事を、シャントット博士に謝りに行くと言い出したのだ。そして昨日カボスもそれに了承したと。

それで、先のやり取りになった訳である。

疲れと酔いで、昨夜のコウとのやり取りをあまり覚えていないカボスは、当然シャントット博士に謝りになど行きたくなかった。

謝りに行く事を言ったか言わないかで、言い合いになった後、無言になったカボスは、

「いい加減、諦めなよカボス君。悪い事をしたんだから、謝らなくっちゃね。」

と、ユファに諭される様に言うと、流石に言い返した。

「相応の理由があったんだよ。それとボクの事を君付けで呼ぶのは止めなよ。ボクの方が年上だろ 。」

「あなたなんて、カボス君で十分よ。コウも付いてってくれるから、いきなり捕まる事も無いと思うよ。」

ユファにこう言われ、

「ユファの言う通りだな。それにここに隠れてたって、いつかは見つかるぞ。隠れてて捕まるのと、自分で非を認めて謝りに行くのでは、全然印象が違う。」

コウにも言われると、もはや反論出来なかった。

「・・・分かったよ。行くよ。」

カボスは渋々答えた。

「じゃあ、これを食べ終えたら、早速出発だ。」

コウが言うと、カボスは尋ねた。

「いいけど、連邦兵に見つからずに、シャントット博士の家まで行けるのかい。」

「君も知っての通り、連邦は登録してある君の魔力の波動を元に索敵をし ている。これを阻害するのが1つ。後は古典的に姿隠しと音消しの魔法をかけるだけだな。」

コウが答えると、カボスは懐疑的に、

「単純な方法だなあ。どうやって魔力の波動の検知を止めるんだい?」

と尋ねた。

「昨日の夜見せた勾玉だな。持っていると、護符のような効果がある。本来の用途ではないけど、今回は気配を消す為に使おう。」

「・・・その勾玉って、色々な効果があるんだね。上質な護符みたいだ。」

カボスの言葉にコウは肩を竦めて、

「カボス君。妙な事は考えるなよ。この勾玉は、時間の修復作用を護符で防ぐっていう君のアイデアには使えない。いや使えるけど、問題は魔力源と護符との魔力のやり取りだろう。護符自体は割と簡単 に作れるはずだ。別にこの勾玉じゃなくても良い。」

と言った。カボスは苦笑して、

「分かってるよ。」

と答えた。

ユファは腕組みをして、カボスを睨みつけ、

「恩を仇で返すような真似をしたら、許さないんだからね。」

と言った。

カボスは口を尖らせ、

「いい護符だなって言っただけじゃないか。信用ないなあ。」

と返した。この返事にユファは軽くびっくりして言った。

「・・・いや。カボス君、神経太いわ。びっくりした。」

コウは茶碗を置いて、立ち上がった。

「じゃあカボス君、そろそろ行こうか。ユファ、留守よろしく。」

カボスも渋々という感じで、立ち上がった。




コウとカボスは、クリスタルワープを使って、大胆にも石の区に直接転移した。天の塔のお膝元にある場所ではあるが、存外目立たない場所にある。

勾玉を持っているせいか、カボスがウィンダス連邦に入国しても、特に気づかれる事も無かった。

石の区の転移すると、コウはカボスを天の塔に続く橋の袂に誘導し、カボスに姿隠しと音消しの魔法をかけた。カボスには、後をついてくるように言い含めてある。コウはゆっくりとシャントット邸に歩き始めた。

桜の木は既に葉桜に変わっている。朝の光の中を歩いて行くと、時折天の塔へ出仕するタルタル達とすれ違う。だが、咎められる事もなく、暫くすると、コウと姿を隠したカボスは、シャントット邸にたどり着いた。

コウは迷うことなく、呼び鈴を鳴らす。数回鳴らしても反応がない。ここでシャントット博士が不在なら、ウィンダス連邦内のモグハウスで待つつもりだった。

だが、5回目に呼び鈴を鳴らした時、反応があった。

突如、空中に声が響いた。




「うるさいっ!何度も鳴らさなくとも分かってますわ。用があるなら入ってらっしゃい。鍵は掛かっていませんわ。」




そして、ぶつっと声は切れた。

コウは肩を竦め、言った。

「相変わらずだなあ。。まあ、でも在宅で良かった。」

そして、後ろを振り返り、何もない空間に向かって、

「じゃあ、行こうか。」

と促した。

シャントット邸の中は、カボスが訪れた時と同じで、雑然としてい た。そこら中に本の山と魔法装置の山がある。そしてシャントット博士の姿も見つからない。

コウは館の奥に向かって、すたすたと進む。姿を隠したカボスもそれに従う。

やがて一室の前に辿り着いた。

開いている扉をノックして、コウはシャントット博士の書斎に入った。

シャントット博士は、巨大なデスクの後ろに陣取り、眼鏡を掛けて本を読み耽っていた。書斎の中も、やはり本と魔法装置の山が、そこらにあった。

ノックの音を聞くと、シャントット博士は本から目を上げた。そしてコウをじっと見る。

「あら、ヘッポコ君じゃありませんの。冒険者がわたくしに何の御用?」

コウは一礼をして、口を開いた。

「ご無沙汰しております。シャン トット博士。今日はお詫びに参上致しました。」

シャントットは眼鏡を頭の上にあげてコウを睨んだ。

「お詫び?あなたにはいつぞやの冒険の依頼以降会ってないはず。何を詫びてくれるのかしら?」

「持ち出された魔導書についてです。」

コウの答えにシャントットの表情が剣呑になった。

「あ~ら。無関係のはずのあなたが、何を言ってるのかしらね。・・・本命は隠れてる2人目ではなくて?」

シャントットが指をぱちんと鳴らすと、姿隠しをかけた筈の、カボスの姿が露わになった。

「・・・」

カボスは白い顔をして、無言である。

シャントットは、腕組みをして、指でトントンと自分の腕を叩いた。

「あ~ら。子鼠じゃありま せんの。どのツラ下げてここに顔を出せたのかしらね。盗人猛々しいとは、当にこの事ねぇ。」

シャントットの口調は穏やかだったが、凄まじい怒りが感じられた。抑え切れない魔力が周囲に漏れ出し、かたかたと部屋全体が振動している。

カボスは持ち出した魔導書を鞄から出し、床の上に置いた、そして自身は本の後ろにうずくまり、額を床に擦り付けた。

正式な謝罪の姿勢である。ひんがしの国では、ドゲザーと言ったか。

カボスはそのままの姿勢で口上を述べた。

「今回の件では、大変ご迷惑をおかけした事をお詫び申し上げます。魔が差したとはいえ、大変申し訳ありませんでした。お許しいただけるのであれば、何でもする所存です。」

「・・・」

シャントットは無言である。

無言の圧力にカボスが耐えきれなくなった頃、シャントットが口を開いた。

「・・・子鼠。幾つか尋ねたい。1つは何故その魔導書だったのです?ギルに変えるのなら、適当なものが他にあったはず。もう1つは、その魔導書には魔法鍵がかかっていたでしょう。今、魔導書を見れば鍵は外れているようだけれど、どうやって外したのかしら。」

「それは・・・。」

カボスは躊躇った。果たして自分の話は信じて貰えるのか。

コウが口をはさんだ、

「カボス君、僕にした話をシャントット博士にしてくれ。シャントット博士。少し長い話なので、カボス君は身体を起こしても良いですか?」

シャントットは肩を竦めて、

「まあ、良いですわ。とっとと話なさいな。」

と言って、許した。

カボスはとつとつと話し始めた。

自分が未来から来た事。

家族と友人を事故から助ける為の方策を探していた事。

その時たまたま役に立ちそうな魔導書をシャントット邸で見つけた事。

カボスは、話し終えると、再び元の姿勢に戻った。

「・・・」

シャントットは腕組みをして、考え込んでいる。

コウが口を開いた。

「博士から見て、カボス君はどうです?」

シャントットは、コウをちらりと見て、

「身に纏っている、時間軸の流れの事を言っているの?勿論わたくしにも分かりましてよ。未来か過去か、別の時間から来たのは間違いない。大体口の院 で声をかけたのだって、半分はその所為だったんですからね。で、この子鼠が言うには、未来のわたくしと交流があって、鍵の開け方を知っていたと。」

「嘘だと思われますか?」

コウが尋ねる。シャントットは腕組みを崩さないまま、

「話の辻褄は合ってますし、なにより当人の時間軸の流れが、論より証拠。まあ、言ってる事は本当の事でしょうね。だから許せというんですの、ヘッポコ君は?」

と言った。

「やり方が間違っていたのは、重々承知です。ですが、彼の大切な人達の命がかかっていたのです。そこを考慮して、罪一等を減じては?」

コウの言葉に、シャントットはしばらく無言だったが、やがて口を開いた。

「よござんす!この件はなかっ た事にしてもよろしい。」

思わず顔を上げるカボス。

だが、シャントットの言葉は続いた。

「けれども、何のペナルティも無しという訳にはいきませんわよ?示しがつきませんから。そして、この世の理は弱肉強食。弱い者は生きてはいけない。」

シャントットはビシリとカボスに指を向けた。

「子鼠!わたくしと勝負しなさい。わたくしに見事打ち勝つことができたなら、この件の罪は問いませんわ。むしろあなたの抱えている問題を解決する手助けをしてもよろしい。」

「けれども、わたくしに負けたら・・・」

シャントットはニヤリと笑い、

「一生、魔法の実験体として、飼い殺して差し上げますわ。多分、最初の実験で、死ぬと思いますけどね。」

オーホッホッホと高笑いをした後、シャントットは不意に興味を失ったように、

「時間と場所は、3日後、バルガの舞台でよろしくて?まあ、がんばんなさいな。」

と言ったきり、眼鏡をかけ直し、再び本に目を通し始めた。

思わぬ展開に呆然とするカボスを横目に、コウはごほんと咳払いをした。

「博士。カボス君は兵士でもなければ、冒険者でもありません。戦闘経験がほとんど無いんです。それを連邦最強の魔導師である博士と、単独で闘えと言われるのですか。」

シャントットは邪魔くさげにひらひらと手を振り、面倒くさそうに、

「では、冒険者の言うところの、パーティを組んでもよろしくてよ?1パーティは6人でしたかしら?まあ、何人で来 ても、わたくしには勝てませんけどね。」

と言った。

「今の言葉に間違いはありませんね?」

コウの言葉にシャントットは本から顔を上げた。

「このわたくしに二言はありません事よ。・・・ああ、ヘッポコ君も参戦するつもりですの。それは少しは楽しめそうですわね。」

シャントットは薄く笑った。やり取りを見ていたカボスは、その笑いに鳥肌がたった。

コウは表情を変えずに、

「後、カボス君の国際指名手配を解除していただきたい。色々と準備もありますので、外を歩けないのは困ります。」

と言った。

シャントットは肩を竦めて、

「別に構わないけれど、今度逃げたりしたら、地の果てまで追い詰めて、バラバラに解体して差し上げますわよ。よろしい?」

と言って、カボスをちらりと見た。

蛇に睨まれたカエルの如く、カボスはガクガクと頷く事しかできなかった。

これで、会見は終わりだった。最後に持ち出した魔導書をシャントット博士に手渡して、コウとカボスは館を後にした。




コウとカボスは、ジュノ大公国下層のコウの自宅に帰ってきた。

途中で事情を知らない兵士がカボスを拘束しようとする事態も起こったが、シャントット博士はやる事は素早く行うようで、国際指名手配は解除されており、連邦議会に問い合わせると、解放された。

2人はリビングのソファーにどっかりと座った。ユファはお茶を持ってきたが、どうなったか知りたい様子で、一杯だった。
「どうだった?2人で帰って来れたと言うことは許してもらえたのかな?」

ユファの問いかけに、コウは一口ウィンダスティーを飲み、

「ああ。許してもらえる事になった。」

良かった とユファが言うより早く、カボスが叫んだ。

「どこがだよ!?シャントット博士と勝負して勝ったら、だよね?ボクが闘って勝てる訳無いじゃないか!?」

そして、がっくりと膝に顔を埋めた。

ユファはその様子で察したようで、

「それは・・・コウ、カボス君殺されちゃうんじゃないの?」

ユファは引きつった表情で言った。

コウはもう一口、お茶を飲んだ。

「いやいや、パーティを組んでいいという、言質を取った。まだ勝敗は分からないよ。」

「そうなんだ。って事は、コウも闘うんだよね?」

ユファの問いかけに、コウは頷いた。

「ユファも手伝ってくれ。相手は連邦最強の魔導師だ。いい経験になるよ。」

コウの言 葉に、ユファは微妙な表情で、

「なんか、経験を得る前に殺されちゃいそうだけど・・・パーティの他の3人は?」

と言った。

コウはカボスを見て、虚ろな表情のカボスに、活を入れるように言った。

「カボス君!クルクさんに連絡を取ってくれ。きっと一緒に闘ってくれるよ。」

カボスはのろのろとコウの方を見て、こくりと頷いた。




クルク、バルファル、ウメの3人がコウの自宅を訪れたのは、カボスがクルクに連絡を取ってからすぐだった。

コウとユファが出迎える。挨拶を交わした後、クルクは2人に、

「コウさん、ユファちゃん、ゴメンね~。ウチの鬼っ子が迷惑かけて~」

とすまなさそうに謝った。

コウとユファは 、

「いや~。クルクさん、僕も冒険者なので、色々巻き込まれるのには慣れてます。ユファがバルに助けてもらった事もあるし、お互い様ですよ。」

「あたしも平気ですー。」

と、それぞれ笑いながら答えた。

そのまま、バルと話し始める2人を背にクルクはつかつかと、ソファーに座り込んでいるカボスに近づいた。

ぼんやりしていたカボスは、その気配ではっとし、クルクの方を見た。

「かあさ・・・クルたん、来てくれたんだ・・・」

言い終わる前に、カボスはクルクに胸倉を掴まれていた。掴み上げられ、顎に思いっきり右拳を叩き込まれる。

空中で、身体が3回転はしただろう。壁に叩きつけられたカボスは、その一発で気を失っていた。
思わず呆然と見守る皆の視線も気にせずに、クルクは、ぱんぱんと手を払った。
「あ~。すっきりしたなぅ~。とりあえずこれでオシオキ完了。で、これからどうするの?」

初めに我に返ったのは、バルファルだった。やはり、クルクのやり方に慣れているせいだろうか。

「ちょ・・・クルク、やりすぎだぜ!カボス死んだんじゃないのか?」

ユファがカボスの元に走り寄る。

「・・・バル、大丈夫。息はあるよ。」

最初の挨拶をしただけで、黙っていたウメが口を開いた。

「今のに、サンラーの分も入れておいても良い。これくらいは当然だな。」

「・・・えと、皆さん良ければ座って下さい。ユファ、カボス君の介抱を頼むよ。」

コウの 言葉で、皆は思い思いの場所に腰を下ろした。ユファが改めて、皆にお茶を配る。

カボスは気絶しているので、コウが、かいつまんで経緯を話した。もちろん、カボスが未来から来たというくだりは、ぼかしてある。カボスが懸念した通り、多くの人間がそれを知ることで、未来に起こる出来事に何らかの影響があるかもしれないのである。最も時間の修復作用があることを考えるなら、未来は定まっていると言っても良いのだが、本当にどうなるかは誰にも分からない。何かを言った言わないで、コウは危ない橋を渡るつもりはなかった。それでも皆は興味深げに話を聞いた。

話が終わった後、皆は暫し無言だったが、バルが口を開いた。

「へぇ。サンラーとピヨとクマさんが事故に遭うっ て夢を見たからって・・・予知夢ってやつかい?でも、カボスが他人を気にするヤツだとは思わなかったな。」

カボスが未来から来た事は省いて、予知夢を見た事にして、話をしている。

「サンラーを守ろうとしたのは、評価できるな。盗みはダメだが。」

ウメが言った。ウメはカボスの妹のサンラーから聞いて、2人が未来から来た事は知っているのだが、その事については何も言わない。

クルクは腕組みをして言った。

「そうだよぅ~。ドロボウはウソつきの始まり。ダメな事はダメなんだから。」

バルファルが突っ込む。

「・・・クルク。嘘つきは泥棒の始まりだろ。逆だよ逆。」

「あれ、そうだっけ?」

「シャントット博士って強いんですよね?勝てるのかなあ。」

ユファが、恐らく皆が考えている事を発言する。

「いや、6対1なら勝てるだろ。」

バルファルが当然のように言った。

その言葉にクルクとコウは首を横に振る。

バルファルは驚いたように言った。

「え?あのオバサンって、そんなに強かったっけ。」

クルクとコウが口々に言った。

「クルク、アルタナ様の力で過去に遡って、水晶大戦に参加したんだけど、確か1人で獣人一個師団を壊滅させてたような・・・。ってバル、女性をおばさん扱いしちゃダメだなぅ~。」

「シャントット博士は黒魔導師なのに、空鳴拳や連続魔を使った事があるそうだ。正に規格外の存在だね。魔法においても当代随一。連邦最強と言う が、ヴァナ・ディール最強と言い換えても差し支えないと思う。」

ちなみに空鳴拳はモンクの技、連続魔は赤魔道士の技である。

バルファルはぽかんと口を開けた。

「な、なんだよそれ?あのオバサンそんなに強かったのか?一個師団って・・・何人だよ!」

またも2人は口々に言う。

「だからおばさんって言っちゃダメだって。」

「獣人の編成は人間のそれとは異なるけど、1000人単位だろうね。」

「マジか・・・」

そう言ってバルファルは絶句した。

ユファが憂鬱そうに言った。

「ねえコウ。あたし達、本当にシャントット博士に勝てるのかなあ。」

「方法が無いでもない。」

コウの発言に皆が振り向いた。

「 ホントかよ、オッサン!」

「えぇ~。クルクも知りたいな。」

「どうやるのコウ?」

「ほう。」

と、口々に問いただした。

「カボス君が要になる。気がつくまで、ちょっと待っていようか。」

コウがそう言うと、皆は カボスが? と訝しんだが、暫くの間休憩時間となった。

カボスが目を覚ますのに、小一時間程の時間が経った。その間皆は、雑談したり、お茶やお菓子を摘んだりしていた。

その内に、う・う~んと言う声がして、カボスが目を覚ました。カボスの頭の下には枕が敷いてあり、クルクに殴られた顎には氷嚢が当ててある。

「な、何が・・・あ痛たたた・・・。」

カボスは起き上がろうとして、顎を押さえて呻いた。

「ちょっと。まだ寝てた方がいいよ。ほら氷で顎を押さえて。」

ユファが甲斐甲斐しく世話をする。

「ありがとうユファちゃん。・・・クルたんに殴られたのか。酷いよクルたん。」

カボスが恨みがましそうに言った。

クルクがカボスの前に 、仁王立ちになり、

「なんだって?ゲンコツ1つじゃ足りなかったのかなあ。」

と凄むと、カボスは、

「・・・スミマセン。」

と小さく謝った。

「カボス君、大丈夫かい?凄かったなあ。空中をぐるぐる回転したよ。」

コウが慰めとも感嘆ともつかない言葉を口にすると、カボスは、

「・・・大丈夫だよ!・・・です・・・」

と噛み付く様に言いかけて、クルクに睨まれて言い直した。

「で、オッサン。シャントット博士を倒すのにカボスが要になるってどういう事だよ。」

バルファルが話を元に戻す。

カボスもどういう事だ・・・と言う様に、コウを見た。

「それはね・・・」

コウは、シャントット博士と闘 う戦術を説明し始めた。




5人はコウの説明が終わった後、暫く無言だった。

「ふ~ん。」クルクは闘い方については、あまり興味がなさそうだ。

「それでイケるのか?でも正面切って闘っても勝てないのか・・・。」

バルファルは不審な表情を浮かべている。

「前衛を勤めればいい訳だな。やってみよう。」

ウメは無表情に、了承した。

「あたしは、作戦とか考えられないから、それで良いよ。」

ユファはこくりと頷いた。

「・・・」

カボスは無言だった。

コウはカボスを見て、

「カボス君は大丈夫かな。さっき言った呪符が作れるか作れないかで、話は全く変わってくるんだが。」

と尋ねた。

カボスは躊躇うように、視線を宙に彷徨わせ、

「やってみるよ。何枚くらいあったらいいんだい?」

と答えた。

「多ければ多いほど良いけど、最低でも300枚くらいは要るかな。」

コウの答えに、カボスはまた考え込み、

「分かった。時間がないから早速取り掛かりたいんだけど、材料とか大丈夫かな。」

と尋ねた。

「専用の用紙とインク、大量のクリスタルは準備した。他に要るものがあったら言ってくれ。」

「とりあえず、それだけあれば呪符は作れるよ。」

カボスの返事を聞いたコウは、ユファにカボスを作業場に案内するように言った。

ユファはカボスを連れて、地下室に向かった。

コウは冷めたお茶を飲み干し、
「さて、カボス君には頑張って貰うとして、クルクさん達は、自分の役割は把握されましたか?」
と言った。

「思いっきり、攻撃すればいいんだよね?。」とクルク。

「後、シャントット博士が大きい魔法を1発撃ったら、挑発だっけ。」

とバルファル。

「攻撃が当たると良いけどな。」

とウメ。

コウは3人の言葉に頷き、

「3人は前衛、ユファは回復、僕は支援と回復をします。カボス君は攻撃の最後の締めをしてもらいます。感覚的に、勝算は五分五分無い気がします。頑張りましょう。」

と言った。

「負けたら、魔法の実験体だもんねぇ。あれ?それはカボちゃんだけだっけ?」

クルクの言葉にバルファルはげんなりした様 子で言った。

「カボスだけにしてくれよ・・・カボスが原因なんだからさ。」

「どの道負けたら、サンラーが悲しむ。最善を尽くそう。」

とウメ。

それぞれ言葉は違ったが、逃げるものはいなさそうだった。

闘いの当日になるまで、皆はコウの家で過ごした。鍛錬、連携、フォーメーション。カボスはひたすら呪符の作成。3日という時間はあっと言う間に過ぎ、遂に闘いの日を迎えた。




シャントット博士との闘いの場所になる、バルガの舞台は、ヤグード族の宗教都市ギデアスの最奥に位置する、武舞台である。連邦とヤグード族は敵対関係にあるが、盟約によりある種の儀式を行う際は、利用できる事になっている。もともとその位置が、風水的にとても 意味のある場所の為、敵から一時的にでも借り受ける様な事を行っている。

そのバルガの舞台に6人は立っていた。少し離れた所に、シャントット博士が退屈そうに佇んでいる。そして、武舞台の脇には、立会人として、5院の各院長達がしつらえられた席に腰を降ろしていた。

トスカポリカ、アジドマルジド、コルモル、ルクスス、アプルル。

そうそうたるメンバーだ。ヤグード族が協定を破り、彼らを抹殺してしまえば、連邦は大ダメージを受けるだろうが、逆にヤグード族を返り討ちにしてしまうかもしれない。それほどの実力を持った魔導師達だった。

代表で、口の院のアジドマルジドが武舞台に上がる。そして口上を述べた。

「これより裁きの闘いを行うものとする。 被告は口の院元研修生カボス。彼を含むパーティが、原告シャントットを退けた場合、被告の罪は問わないものとする。判定は我ら五院の院長が行う。異議があるものは名乗り出よ。」

五院の院長達は何も言葉を発しなかった。

カボス達も黙ったままである。

シャントットだけが、

「早く始めなさいな。時間が勿体無いですわ。」

とあくび混じりに、言った。

アジドマルジドはそれを無視して、

「それでは闘いを開始せよ!」

と戦闘開始を告げて、武舞台を降りた。

クルク、バルファル、ウメの3人の前衛は身構えた。

カボス、コウ、ユファの後衛は後ろに下がる。

シャントットは彼らに向かって、ひらひらと手を振り、

「先に強化しておきなさいな。ハンデですわよ。ハンデ。」

と言った。

「そうですか。それでは遠慮なく。」

コウはそう言い、ユファに指示を出した。

「ユファ。物理防御と魔法防御。」

そして自身は、神獣の召喚を始める。

「・・・月の神獣たる、神なる獣、顕現して我らを守護せよ・・・」

神獣フェンリルが召喚され、ユファが唱えた物理防御と魔法防御の魔法が、青い光と緑の光を放ちパーティを包む中、フェンリルの守護の咆哮が響き渡る。

パーティの身体能力全般と命中・回避が上昇する。

ユファの魔法によって、物理防御と魔法防御が上昇する。

コウは続いて、風の神獣たるガルーダを召喚して、攻撃速度上昇の魔法をか ける。

最後に土の神獣のタイタンを召喚して、ダメージ軽減の魔法をかけた。

コウは杖をくるりと回して、石突きを武舞台につけた。

「お待たせいたしました。では、行きますよ?」

シャントットは手を口にあてて、高笑いをした。

「オ~ホッホッホ。フェンリルを召喚するとは小賢しい。多少は歯ごたえがありそうですわね。かかってらっしゃい!」

コウは前衛の3人に向けて叫んだ。

「クルクさん、バル、ウメさん、頼みます!」

「まかせて~。」

「おう!」

「了解だ。」

三者三様の返事と共に、シャントットに攻撃を仕掛けていく。

だが、その結果は驚くべきものだった。

シャントットは、クルクの拳をいなし、バルの両手剣はかわし、ウメの二刀流の剣は手に持った杖で受け止める。

攻撃が当たらないのである。

そのうちに、シャントットは反撃を開始した。

クルクの蹴りをかわしざま、ボディに拳を突き立てる。

バルの渾身の一撃を、バックステップでかわすと、火魔法を放つ。

ウメは、剣撃の合間に、杖の一撃を叩き込まれた。

3人は、それぞれ後方に吹き飛ばされた。

ユファが慌てて、回復魔法を順にかけていく。

バルファルは両手剣を杖にして、立ち上がった。身体からは火魔法を食らったせいで、ぶすぶすと煙を上げている。

バルファルは呆然として、

「信じらんねー。3対1だぜ?攻撃が当たりもしないなんて・・・。」

と呟いた。

「4対1だ。」

コウが光の神獣カーバンクルを召喚して、攻撃を開始した。

前衛の3人は、再びシャントットに対して、波状に攻撃を加えていく。

攻撃する頭数が増えたせいか、少なくともシャントットは反撃は出来なくなった。それどころか、何回かに一回は、攻撃が当たり始めていた。クルクの拳が顔を掠め、ウメの剣がシャントットの服を切り裂く。

「む。」

シャントットは顔をしかめた。

更に、ウメが攻撃回数増強の魔法を自らにかけ、剣撃の嵐の様な攻撃を仕掛けた。シャントットの杖が、真っ二つに切断される、だがその代償にウメは火魔法を食らって吹っ飛んだ。

その間に、クルクとバルファルの準備は整っていた。

「行 くよ!」

「おう」

掛け声と共に、ウェポンスキルと呼ばれる必殺技が発動する。

四神演舞と呼ばれる、白虎・玄武・青龍・朱雀を模した攻撃が決まっていく。

続いて、バルファルがレゾルーションと言う多段攻撃を叩き込んだ。最後の、から竹割りの際に三日月型の紋様が浮かび上がる。

光連携が決まった。シャントットの頭上に眩い光のエフェクトが浮かび上がる。

そこへ、カーバンクルを帰還させ、雷の神獣たるラムウを召喚していたコウの、雷撃の嵐の魔法が叩き込まれる。マジックバーストと呼ばれる、魔法攻撃力を倍加させる効果がかかり、シャントットの身体を雷が貫いた。

「やったか!?」

もうもうと上がる土煙の中、バルファルが状況を見極めようとする。
だが・・・
クルクとバルファルの身体を、火の魔法が包み込んだ。
「きゃっ」
「うわっ」
悲鳴が上がり、クルクとバルファルが崩れ落ちる。
煙の中から現れたのは・・・
クルク達の攻撃で、多少のダメージを喰らったものの、ぴんぴんしているシャントットの姿だった。とは言え、そのプライドは傷つけられた様で、クルク達に向かって叫んだ。
「このわたくしに傷をつけるとは、なんて真似を!・・・ぶっ殺す!」
そして、ウメに切断された杖の半分を投げ捨て、呪文の詠唱を始めた。
「ヤバい。」
コウはラムウを帰還させ、新たな召喚獣の召喚を始める。
シャントットの呪文の詠唱が終わりに近づく、前衛の3人は、ユファが回復魔法を唱え続けているが、まだ動けない。
「・・・右の龍からは炎、左の龍からは風。双頭龍の力の息吹!合体魔法ファイエアロガ!」
同時に、コウの召喚も、終了した。
「・・・全てを守護する大いなる盾、顕現せよ!機神アレキサンダー!」
クルク達の周りに炎の嵐が吹き荒れる。
しばらくの間、バルガの舞台はごうごうと炎に包まれていた。
シャントットはふわりと空に浮かび上がった。
「・・・ちょっとやり過ぎてしまいましたわね。。これでは全員ケシズミに・・・」
シャントットがぽつりと呟く。
だが炎が収まってくると・・・
その中からは、白い結界に護られた 、クルク達の姿があった。
「!?」
シャントットは驚いた。今、自分が使った魔法は、100人単位の人間を生き絶えさせる力があった筈である。それが、ほぼ無傷とは・・・
「・・・絶対防御ですわね。」
機神アレキサンダーが発現する能力で、加えられたダメージをほぼ無効化する。
「しゃらくさい。」
シャントットは次の攻撃をどうするかを思案する。そこへクルク達から声をかけられた。
「博士~。攻撃がショボいよ~。」
「まあ、モテない女は、魔法もイケてないってか。」
「本当の事を言ってやるな。可哀想じゃないか。」
クルク、バルファル、ウメのコントの様な口撃に、しばし呆然としたシャントットだったが、こめかみに青筋が浮き上がった。
「・・・死にたいようですわね・・・では、最大最強の魔法を食らわして差し上げますわよ!!」
と再度呪文の詠唱を始めた。
後方のコウは、カボスから魔力回復薬を数本貰い、ガブ飲みしていた。
薬を飲み終わって口を拭い、カボスに話しかける。
「カボス君。大体予定通りだ。次の博士の攻撃が終わったら、いよいよ出番だよ。」
カボスは白い顔で、頷いて言った。
「良いけど、博士は最大最強の魔法って言ったよね。この結界耐えられるの?」
コウは肩を竦めて、
「分からない。理論的には耐えられる。何せ神の力の顕現だからね。だけど、ヴァナ・ディール最強の魔導師のこれまた最強の魔法なんて受けた事が ないから、なんとも・・・」
と言った。
「分からないって、耐えられなかったらどうなるのさ!?」
カボスは叫ぶように言ったが、コウは冷静に答えた。
「結界が耐えられなければ、全員息絶える。お、そろそろ詠唱がおわるぞ。」
その言葉の通り、シャントットの魔法の詠唱は終わりつつあった。
「・・・全ての物質に破壊を。全ての生物に死を。吹き荒れよ魔力の嵐!」
そしてシャントットは、魔法を発動させた。


「デス」




黒球が白い結界を包み込んだ。

暫く、黒と白が拮抗していたが、やがてガラスの砕けるような音と共に、結界が砕け散った。

だが、闇魔法デスもその効果を失い、消え失せた。
「ちっ。」
シャントットは舌打ちをした。空に浮かんでいた身体が緩やかに落下する。全魔力を使い切ったのだ。

間髪入れずに、コウが叫んだ。

「クルクさん達!頼みます!」

ユファの回復魔法である程度回復していた、前衛の3人は、攻撃を再開する。だがその動きは鈍く、シャントットは全て攻撃を躱していた。

このままだと自然に、シャントットの魔力は回復してしまうだろう。

コウは振り向いて、

「カボス君。出番だ。」

カボスは頷き、背負っていた鞄を下ろして、開けた。中には呪符がぎっしり詰まっている。

コウは、最後の魔力を使って、風の神獣ガルーダを召喚した。吹き荒れる風と共に、半透明で緑色の有翼の神獣が姿を現した。

カボスはコウを見つめて、

「呪符・・・効くかな?」

と言った。

コウは頷いて、

「自分の力と技を信じるんだ。いくよ。」

と言い、ガルーダに合図を出した。

ガルーダの翼が羽ばたき、突風が巻き起こった。その風に煽られて、呪符が次々と舞い上がる。

制御された風に乗った数多くの呪符は、とぐろを巻いてシャントットの方へ向かう。それは白い龍の様だった。




格闘だけで、クルク達を退けたシャントットは、一息ついた。見るとクルク達3人は武舞台の床に倒れ伏している。回復役のユファも魔力切れの様でうずくまっている。

「今度こそ、全員ぶっ殺して差し上げますわよ。」

そこへ突風が吹いた。思ず上空を見ると、白い紙片が次々とシャントットの方へ押し寄せてくる。

数枚がべたりべたりとシャントットに張り付いた。

「なんですの!?これは!?」

剥がそうとするが中々剥がれない。ようやく破りとると、魔力吸収の呪符のようだった。その間もシャントットの身体中に呪符が張り付いてくる。

「小賢しい!」

シャントットは相手の策が読めた。数百枚の魔力吸収の呪符を貼り付ける事によって、魔力切れを起こさせ、気絶させる腹積りなのだ。

シャントットの前方。コウの後方で、カボスが呟いた。

「吸着式魔力吸収呪符陣・・・っていう感じかな。」

シャントットの右手から炎が巻き起こった。数十枚の呪符が灰になるが、シャントットはそれ以上魔法を発動させる事ができなかった。

闇魔法デスによって、消費した魔力は未だ回復していなかったのだ。そうでなければ、範囲攻撃魔法で呪符の全てを焼き払えだだろう。

おまけにこの呪符は、磁石のように魔力を発する対象に張り付き、対象の魔力を外に発散させ続けるので、さしものシャントットもたまったものではなかった。

やがて、呪符が全て張り付き、白いダルマの様になったシャントットは、魔力が0になって、気絶して武舞台の上でばたりと倒れた。

最後に武舞台で立っていたのは、カボスとコウだけだった。

やがてアジドマルジド院長が、武舞台に上がり、勝敗を宣言した。




「勝者。カボスチーム。よって被告カボスの罪はなかっ たものとする。」




初夏を思わせる日差しが、皆を照りつけていた。







【エピローグ】

吟遊詩人達が奏でる音楽と共に、何組もの男女のカップルが緩やかなダンスを踊っていた。

ここはジュノ大公国の中の空中庭園、ル・ルデの庭。

オーロラ宮殿の前の広場を借り切って、感謝祭が行われていた。冒険者互助会主催のものである。

料理や酒もふんだんに並べられ、それをも目当てに、人が多数集まっている。

毎年恒例のこの祭りには、多くの冒険者が集まる。

クルク一家や、コウやユファも感謝祭に参加していた。

バルファルはクルクと踊りながら、話しかけていた。バルファルは緊張した面持ちでクルクを踊りに誘ったものだ。

「ホント、大変な騒動だったな。」

バルファルの腕の中で、クルクがくるりと回る。

「まあ、一件落着したから良いんじゃない~。」

とクルクが答えた。




そう。事件は一応収束を見たのだ。

闘いの後、呪符を剥がされ、意識を取り戻したシャントット博士は、ぶすりと言った。

「一杯食わされましたわ。3人の前衛の挑発もアレキサンダーの絶対防御も、デスを使わせる前振りだったとは・・・ヘッポコ君が考えましたの?」

コウは頭を掻いて、言った。

「恐縮です。ですが、カボス君の呪符が無ければ、この作戦は成り立たなかったでしょう。」

続けて、

「カボス君は、有望な若手です。行いに誤りはありましたが、お許し願いませんか?」

シャントットはその言葉に、ふんと鼻を鳴らして、

「・・・確かに約束は約束。わたくしが負けた以上、罪は許します。」

と言い、カボスを横目で睨んだ。

思わず、固まるカボスを見て、

「子鼠。修行する気はありまして?」

カボスは訳も分からずに頷いた。

「よろしい。多少の根性と才能はある様です。では直弟子になる事を許します。精進しなさい。あなたの問題は、一緒に考えましょう。」

とシャントットは言い、服のホコリをぱんぱんとはたいた。

「あらあら。いいオンナが台無しですわね。」

と言って、転移魔法を使って、自宅に帰って行った。激戦を行った直後にも関わらず、平然とした様子だった。

呆然とするカボスの肩を、アジドマルジド院長がぽんぽんと叩き、

「死なない様に気を付けろよ。凄くシゴかれるぞ。」

と言った。

このやり取りを聞いて、5院の院長達に治療を受けていた、他のメンバーにも、この事件は終わったという空気が流れた。




クルク達の横では、ウメとサンラーが、踊っていた。クルクも照れくさそうだったが、サンラーはガチガチだった。何回もステップを踏み間違えて、ウメの足を踏む。

それを壁際で見ていたカボスは肩を竦めた。

(やれやれ。サンラーのヤツ、ダンスの練習くらいしとけよな。)

事件が終わったあと、サンラーには散々なじられたものだ。指名手配までされては当然ともいえるが。

そうは考えても、カボスのサンラーを見る目は暖かかった。なにしろ、事故を回避するきっかけが掴めたのだ。

なんだかんだ言っても、ヴァナ・ディール最高の魔導師の一人、シャントット博士の下でなら、何らかの解決法が見出せれるだろう。

(だけど、急がなくっちゃな。)

いつ何時、家族や友人達に死に至る事故が降りかかるかも知れないのである。この祭りが終わったら、早速研究に取り掛かるつもりだった。

目を移すと、コウとユファが踊っている。ユファの警戒心のない笑顔がコウに向けられているのを見ると、つまらなくなって、

(ちぇ)

と内心悪態をついた。

そして、手に持ったグラスから、カクテルを一口飲む。コウにブランデーを飲まされたあの夜から、少しは飲める様になった様だ。




「おい。」




不意に横合いから声をかけられた。見るとドレスアップしたミスラが立っている。そのミスラは・・・

「罪狩り!」

カボスは小さく叫んだ。そう言えばコイツの存在を忘れていた。またしてもボクを捕縛しようとするのか。

罪狩りのミスラは一呼吸おいて、

「カボス。シャントット博士の計らいで、とりあえずミスラ本国からの指令は、保留となった。でも忘れるなよ?今度同胞に手を出したら、タダではおかない。」

スカリーMのその言葉に、カボスはくすりと笑った。正にシャントット博士の仕事は完璧だ。罪狩りのミスラの件まで、手を回して貰えるとは。
カボスの笑いを勘違いしたのか、スカリーMはやや顔を赤くして、

「この間は遅れを取ったが、今度機会があれば目にもの見せてくれる!」

カボスは訝しがった。コイツは何を言ってるんだ?

「ああ・・・」

カボスは得心した。このミスラはウルガラン山脈で、サイレドンの黒焼きに飛びついた事を恥ずかしがっているのだ。

むっつりと口をつぐむスカリーMを見てカボスは、

「可愛いとこあるじゃない。どう?一曲踊らない?」

と誘った。

スカリーMは唖然としてカボスを見て、

「・・・お前、全然懲りてないな。」

と言った。







カボスはスカリーMに手を差し出して、ウィンクした。

にっこりと 笑って。







おしまい。


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♪ コウさんの小説リスト ♪


第1弾 : 「とある出逢い」
 らぶりぃさんのブログ 「ひとりで出来るかな?」
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第2弾 : 「とある出逢い 2」


第3弾 : 「遅くなったプレゼント」
 らぶりぃさんのブログ 「ひとりで出来るかな?」
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第4弾 : 「ねがい」


第5弾 : 「ああ、ばれんてぃおん」
 らぶりぃさんのブログ 「ひとりで出来るかな?」
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第6弾 : 「とりははばたけるか」







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関連記事

【2016/05/23 23:59】 | # コウさんの小説
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こんにちは、サンラーです。

冒険がしたいなって、ずっとずっと思っていました。
そしてわたしは、少し前から考えていたことがあります。
獣使いって、わたしでも出来るかしら・・・?
本を読んで調べてみましたが、わかったような、わからないような・・・。
わたしが考え込んでいると、梅先生が 「やってみればいい」 とおっしゃってくださいました。
やってみて、自分に合わなければ他を探せばいい、と。
わたしはいつも、考えすぎてしまうのです。

獣使いの資格を取るには、ジュノに行かなくてはなりません。
そして、クフィムの崖の下に生えている、夜の間だけ咲くというお花の根っこを取って来るのです。
途中にはとっても危険なモンスターがいるし、お花がある崖の下にもタコのモンスターがいると聞きました。
それでも根っこを取って来た者だけが、獣使いになれるのです。

わたしは梅先生から短剣の使い方を教わっているので、ちょっとくらいだったらやっつけられるかもしれません。
でも梅先生は、こちらからは手を出すなとおっしゃいます。
徘徊しているゴブリンもいるので、見つかったら厄介だともおっしゃっていました。

初めわたしは、梅先生も一緒に来てくださるとばかり思っていました。
ですけど、クフィムの地図を広げて、道順や危険なモンスターがいる位置を教えてくださっているのを聞いて、わたし一人で行かなければならないのだってわかりました。
そうですよね、一人で行くのが当たり前です。
気を引き締めて、わたしはジュノへと出発しました。

ジュノへはクリスタルのワープで飛びました。
ですが、クフィムへ出るのは初めてです。
本当に、本当の、たった一人っきりの冒険です。
心細くて、怖くて、泣いてしまいそうです。
ですけれど、いつも梅先生に頼ってばかりでは、いつまで経っても足手まといのままなのです。

Klu3151.jpg

わたしは声に出して自分に言い聞かせながら、モンスターに見つからないように進んで行きました。
ですけど、細い通路でいきなり後ろに湧いたミミズに攻撃されてしまったのです。
ミミズは追ってこないので、逃げられます。
それにわたしは、逃げ足が速いのです♪

途中、地図を確かめながら進んで行きました。
ですけれど、梅先生がおっしゃっていたタコのモンスターは、どこにも見当たりませんでした。
他の冒険者さんが、倒してしまったのでしょうか。
ゴブリンもいないようなので、わたしは崖の下へと降りて行きました。

Klu3152.jpg

そこは小さなお花畑で、ピンク色のお花がうっすらと光って咲いていました。
とってもキレイでしたので、梅先生と一緒に見たかったです。
それからわたしは根っこを掘り出して、カバンにしまいました。

崖の坂道を登っている時、上の方で誰かが戦っている音が聞こえていました。
やっぱり冒険者さんがいたのですね。
わたしは運がよかったです。
上に着いた時は、また誰もいなくなっていたので、わたしは近くにあるクリスタルを使って、ジュノに戻りました。

一人でどうなるかとドキドキして怖かったですけど、無事に獣使いの資格を取ることが出来ました♪
それはもちろん嬉しかったですけど、梅先生がジュノにお迎えに来てくださっていたのがとっても嬉しかったです。
それから、クルクさんに報告をしたら、お祝いをしてくれるとおっしゃってくださいました。
バスにあるクルクさんのモグハに行くと、ぴよさんとクマさんとお兄ちゃんが来ていました。
お兄ちゃんには、「そのくらいのことで一々お祝いするなんて甘い」 って言われてしまいました。
そうかもしれませんけど、ちょっとくらい 「よかったな」 とか言ってくれればいいのにって思います。

クマさんとぴよさんは、お二人でソロムグにある剣虎の巣へ行ったんだそうです。
梅先生が 「サンラーも行ってみるか?」 とおっしゃったので、わたしはつい 「梅先生も一緒ですか?」 って聞いてしまいました。
だって、剣虎の巣だなんて怖いです。
そうしたら梅先生は笑って、「そうだな」 とおっしゃってくださいました。
わたしはとっても嬉しかったのに、お兄ちゃんは 「梅先生は、サンに甘すぎるよ」 って文句を言うんです。
意地悪お兄ちゃんなんか、イーだ!

ウィンダスのモグハに戻って、わたしはさっそく修行の準備をしました。
初めの一歩ですので、持っている装備で構いません。
それっぽく見えるように選んでみました。

Klu3153.jpg

梅先生に、カエルは獣ではないと言われてしまいました。
でしたら、羊の帽子がいいかしら・・・。




※獣使いジョブ取得クエの記事はコチラ → 「息子に罪はない」 獣使い





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【2016/05/22 23:59】 | * クルク一家
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【2016/05/21 23:59】 | SS
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かんきつは、あまいかすっぱいか
コウ
くるくさん、こんばんは~。

カボス君の話できました。
一読していただければ、幸いです。

それでは~。

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ミンダルシア大陸の南方に位置する、ウィンダス連邦。

先の水晶大戦では、大きな損害を被ったが、そこに住む人々の努力と、緩やかな時間の流れが、その傷を癒し、現在はアルタナ四国の中で、最も魔法の研究が盛んな、学術都市として復興を遂げている。

そのウィンダスのある昼中・・・




「はぁはぁはぁ・・・、なんだよあのミスラ、ちょっとナンパしただけじゃないか!」

息を切らしながら、走っているのは、金髪のタルタルだ。疎らに通る通行人が、驚いたように彼を見る。そのタルタル族はウィンダスを支える五院の一つである、口の院の制服を着ていた。髪型はショートで特に整 えていない。その髪が、全力で走った所為か、うっすらと汗に濡れている。舞い落ちる桜の花びらが、ぺたりとその額に張り付いた。

「・・・撒いたかな?」

金髪のタルタルは立ち止って、後ろを振り返った。

「・・・どうやら、あきらめたみた・・」

安心したのも束の間、頭上から声が降ってきた。

「カボス。逃げられはせんぞ。諦めろ。」

「うわっ!」

カボスと呼ばれた金髪のタルタルは、本当にびっくりして、飛び上がった。

「な、なんでボクの名前を知ってるのさ!っていうか、どうして襲いかかってくるんだよ!ちょっとお茶に誘っただけだろ!」

カボスは喚いた。

桜の木の枝の上に仁王立ちに立っていたミスラ族は、カボ スの前に降り立った。ミスラは肌を露出させた革の鎧と、長弓、短剣を身に付けている。

「私の名前は、スカリーM。・・・この名前の意味する所は、分かるな?」

「つ、罪狩り?」

カボスはごくりと唾を飲んだ。

罪狩りのミスラとは、ミスラ本国が懸案とする事項を解決する為に存在している組織で、犯罪の取り締まりや、抑止を行う。が、問題を解決する為に苛烈な方法を取ることも有名で、恐れられている。

「罪狩りが、ボクに何の用さ?ボクはミスラじゃないぞ。」

カボスは胸を張って言った。

スカリーMは目を細めてカボスを見た。

「近頃各所から報告が上がって来ていてな?意識不明で発見されるミスラが続出しているそうだ。彼女らに、よ くよく話を聞いてみると、魔導士を名乗るタルタルの実験に協力したとの事。幸い彼女らに何事もなかったから、良かったものの・・・。心当たりがあるだろう?」

スカリーMの言葉に内心汗をかきながら、平静な表情を保ってカボスは言った。

「それは、ボクが彼女達に仕事として依頼したんだ。ちゃんと報酬も渡してるよ。」

「仕事と名を付ければ、何をして良いわけではない。兎に角この件について、何らかの裁きが下される。私と一緒に来てもらおう。」

スカリーMは一歩カボスの方に近づいた。

カボスは逆に一歩下がる。同時に後ろ手で、常に携帯している呪符を起動していた。

「悪いけど、また今度ね。次はお茶が出来るといいな。」

そう嘯くと、魔 力の輝きと共に、カボスの身体は、スカリーMの前から掻き消えていた。




話を前に戻そう。

口の院の研修生であるカボスは、元から口のの院に在籍していた訳ではなかった。未来の世界から、妹を助ける為に次元移動して来たカボスは、始めはバストゥーク共和国で魔符屋(呪符や護符を総称してカボスが名付けたもの)を営んでおり、彼と仲が良い?ヒュームとミスラのカップルと毎日の様にすったもんだしながら、平穏な日々を送っていた。

だが、いつしかカボスはある夢を見る様になった。それは、彼のトラウマにもなっている、親しい人間達の事故についてだった。

何故親しい人間が事故に巻き込まれると分かっているかというと、次元移動をした際、空間と共に時間 をも遡ったので、今のカボスから見れば、その事故は未来に起きる出来事なのだ。

事故は2回起こる。

妹のサンラーの分と、ヒュームとミスラのカップルの分だ。

カボスの記憶だと、それぞれが起こる日時は、もっと何年も先のはずだ。だが、その事故がまるで明日起こる様な夢をみるのだ。

それも何回も。

カボスは未来の世界で口の院の研修生だった時に得た知識を使って考え抜いたが、夢と事故の因果関係を立証する事はできなかった。

しかし、カボスが次元移動をした事実と何らかの関係はある様には思えた。

そこで、一時魔符屋を休業し、現在の世界で、再び口の院で学びなおす事に決めたのだ。通常なら五院の途中編入等不可能なのだが、カボス達を 取りまとめる、一家のボス、冒険者クルクに相談すると、院長のアジドマルジドに口を聞いてくれた。なんでも以前の冒険で面識があったそうだ。こうしてカボスは再び口の院の研修生になる事が出来た。最も、始めクルクに相談した時、研修生になりたい理由としては、

「魔術の知識をもっと増やして、強力な呪符や薬品を作れる様になりたい」

という事にしておいたが。

次元移動については、未来の世界でも不確定な技術で、とても実用段階と言えたものではない。今の世界でカボスの由来が広まってしまうと、どんなパラドックスが起こるか分からないのだ。

それこそ、カボスが回避したい事故が、絶対に起こってしまう・・・という事もあるかも知れない。

だから、真 実は語れない。

そんな緊張感を持って、カボスはクルクに依頼をしたのだが、その返事は、

「いいよ〜。アジド院長に話してあげる。でもカボちゃん、意外と真面目だねぇ。もっと適当かと思ってた。」

という、なんとも肩透かしするような言葉だった。

ともあれ、カボスの願いは叶った訳だが、悪いクセが出て、冒頭に至った訳である。いや、日頃の行いが悪かったというべきか・・・。




「やぁれ、やれだね。」と独り言を言いながら、カボスは借りているモグハウスの中の、ソファーにどさりと腰を下ろした。

先程使った呪符で、自宅まで戻ったのだ。

モグハウスを管理する、モーグリが飲み物を運んでくる。

「何かあったクポ?・・・ まさか、またご主人様、悪い事を?」

カボスは、モーグリから飲み物の入ったマグカップをひったくり、縫いぐるみの様な、白い生き物を睨みつけた。

「悪い事ってなんだよ?悪い事って。ボクは善良な口の院の研修生だぞ?おかしな事を言うな。」

そう言って、飲み物を飲んだ。冷えたウィンダスティーだったが、走った後の喉には心地良い。

「でもクポ・・・」

「なんだよ?」

「マリ・ジャイカちゃんを薬で眠らしたりとか・・・」

「あれは、合成した薬が、効きすぎたんだ。」

「ハンナ・アルルちゃんを裸に剥いたりとか・・・」

「装備変更の呪文の実験だな。」

「ローナ・ハズトちゃんを箱詰めでサンドリアに送ったりとか・ ・・」

「本人がサンドリアに行きたいって言ったんだ。」

「他にも・・・」

カボスはさり気なく、モーグリから目を逸らして、飲み物に集中するふりをした。

・・・何というか、罪狩りのミスラに追われるのが納得の素行であった。カボス本人にも自覚はある様ではある。

「ご主人様は、どうして魔術の実験に、女の子を使うクポか?それもおかしな目で見られる原因の様な気がするクポ。」

モーグリの問いかけを、カボスは聞こえないふりをした。モーグリは溜息をついて、他の部屋に行ってしまった。

(そんなの、カワイイに決まってるからじゃないか。)

カボスは内心、そう呟いた。

無類の女好きという事だろうか。

「ま、そんな事 はともかく。」

カボスは、気分を変える為に、口に出して言った。

(あの、スカリーMってヤツ、面倒だなぁ。)

考えは、そこに戻る。罪狩りのミスラは、非常に優秀なハンターの為、目を付けられた人間で、逃げ切れたものは多くない。

(でも、0って訳じゃないんだよね)

誰か強力な後ろ盾を付けて話を付けてもらうか、はたまた誰かにやった事を擦りつけるか。割とあざとい事も考えたが、妙案は浮かばない。カボスはこの件はとりあえず、置いておく事にした。次にスカリーMに出くわしたら、また逃げる事になるが。




(それよりも、やる事があったんだった)

カボスは、強力な魔法を使えるという意味では、あまり才能がある魔導士とは言えなかった 。たが、いわゆる天才肌で、魔術についての知識と理論はかなりのレベルに達していた。その知識を用いた、物品への魔力付与、即ち呪符や薬品の合成は得意である。

先日、口の院で、自分で合成した薬品を運んでいたところ、たまたま口の院を訪れていた、前院長のシャントット博士がそれを目ざとく見つけた。

シャントットはカボスを呼び止めた。

「あ〜ら、子鼠ちゃん。ちょっとお待ちなさいな。」

シャントットはカボスにつかつかと近づくと、カボスが運ぶ木の箱に入った、幾つもの薬品を一つづつ確かめた。

「子鼠ちゃん。これはあなたが作ったの?」

頷くカボスに、シャントットは頬に手を当てながら言った。

「子鼠にしては、なかなか良い薬を 作りますわね。・・・アジドマルジド、この子鼠に魔力回復の薬を作らせて、持ってきなさい。」

シャントットは、傍にいた口の院の現院長、アジドマルジドにそう命ずると、高笑いをしながら去って行った。

その薬が昨日完成したのだ。

カボスは早速、薬品をシャントット博士の自宅に持って行こうとしていた。

(そうだ。うまく取り入れば、後ろ盾になって貰えるかもしれないな)

カボスは都合のいい事を考えた。だが、確かにシャントット博士が後ろ盾になれば、罪狩りのミスラとて、カボスに手は出せないだろう。

なにせ、ウィンダス連邦の主席元老院議員なのである。実質的なウィンダスNo2だ。

(そうなれば、問題は全部解決だね)

カボスは、自 分が作った薬品の質には、自信があった。確かに、シャントット博士御用達の調剤師という事になれば、あながちカボスの願望も間違ってはいない。罪狩りのミスラも、おいそれとはカボスに手は出せないだろう。

(良し。そうとなれば早速薬品を届けよう)

カボスはとうに中身を飲み終えたマグカップをテーブルの上に置き、ソファから立ち上がった。




モグハウスを出発したカボスは、ウィンダス港から、石の区に向かって歩き始めた。カボスのモグハウスは、口の院の近くのウィンダス港にある。行き先のシャントット邸は石の区の東側だ。

エーテルという名で呼ばれる、魔力回復薬が入った鞄を背負い、カボスはゆっくりと石の区に向かって北に歩いて行った。

ちなみに、先程罪狩りのミスラに遭遇したのは、水の区だ。呪符で瞬間移動したので、そんなに簡単には移動先を特定できないだろうが、そこは名高き「罪狩りのミスラ」である。油断はできない。口の院からの帰りともあって、制服を着ていたのもまずかった。

ともあれ今は、薬を満載した鞄を背負っているので、先程のように走って逃げる事も出来ない。罪狩りのミスラに出会わないよう、運を天に任せながら、歩いて行く他は無かった。

だが、半刻ほど歩いても、罪狩りのミスラに遭遇する事は無かった。ウィンダスはジュノ大公国等に比べても田舎である。カボスとすれ違う人は、むしろ少ないと言って良かった。やがて石の区が見えた。星の巫女の御座所である天の塔が間近に見える。

石の区は、全体が湖と呼べる規模の水に覆われている。大きな橋が縦横に走って、天の塔や博士達の家々に通じている。

カボスは、シャントット邸の場所は把握していたので、迷わず東の道を進んだ。少しすると一軒の家が目の前に現れた。

シャントット博士は、元老院公邸に住んでいるので、家自体は中々立派な建物である。

門に呼び鈴があったので、カボスは迷わずそれを押した。どこかで、ジリリリというベルの音が響いた。

「・・・」カボスは待ったが、応答が無い。




もう一度押す。・・・応答が無い。




もう一度押す。・・・応答が無い。




もう一度・・・







「うるさいっ!」

急 に耳元で大声で喚かれた。

「うわっ!」

カボスはびっくりして飛び上がった。

「何度も鳴らさなくとも、分かってますわ!今、魔法の実験で手が放せないんですの。用があるなら、鍵はかかってませんので入って来なさいな。」

耳元でもう一度喚かれ、声はぶつりと切れた。何らかの魔法的な仕掛けらしい。

「・・・ちぇ。」思わずカボスは舌打ちした。噂に違わず、シャントット博士は多忙らしい。

気をとり直して、カボスは門を開け、敷地の中に入って行った。更に玄関の扉を開けて、邸内に入る。流石に玄関の扉を開けるときは、若干気後れしたが、館の主人が良いと言っているのである。気にしない事にした。

邸内は雑多としていた。

そこかし ろに魔法書や、何だか良く分からない装置が積み上げられ、広いわりには足の踏み場も無い。うっかりすると、そこらのものが崩れ落ちて来そうである。

カボスはキョロキョロしながら、邸内を進んで行った。それにしても、博士は何処にいるんだろう・・・。

「あ〜ら。あなた、何の御用かしら?」

不意に後ろから声がした。

カボスはまたまたびっくりして、飛び上がった。よくよく人を驚かせるのが、好きな人らしい。いや、わざとやっている訳でもないのだろうが。

カボスは慌てて振り返った。

そこには、黒を基調とした連邦軍師制式装備を身に付けた、シャントット博士が立っていた。所謂ウィンダス連邦の軍人、軍属に支給される制服で、元老院議員として は、自宅でも気が抜けないという事だろうか。まぁ、邸内はほぼゴミ屋敷・・・いや、雑然としているのではあるが。

カボスは一礼をして、話し出した。

「ボクはカボスといいます。数日前に口の院で、魔力回復薬の作成のご依頼をいただきまして、本日お待ちしました。」

それを聞いて、シャントット博士は考える風である。

「魔力回復薬、魔力回復薬・・・何だったかしらね。ああ・・・」

シャントット博士は何か思い出した様子だったが、何処かの部屋で、「ボンッ!」という音が響いた。

「あ〜ら。いけませんわ。魔法装置に魔力を供給しっ放しだったですわ。あなた、何か持って来たのだったら、そこへ置いておきなさいな。」

と一方的に喋ると、 搔き消える様に消えてしまった。シャントット博士は自宅内でも、転移魔法を使うらしい。

カボスは唖然とした。シャントット博士は、薬を注文した事も忘れてるらしい。これでは後ろ盾になってもらうどころではない。

「あ〜あ。ついてないや。」カボスは独りごちた。しばらく待っても、シャントット博士は帰って来そうもない。言われた通り、薬を置いて帰ろうかと思って、背負っていた薬の入った鞄を床に下ろそうとした。だが、周囲に積まれた魔法書の山に、鞄が当たってしまい、本の山が一つ崩れてしまった。

「ホントについてないな・・・」

ぶつぶつ言いながら、カボスはとりあえず、下ろしかけの鞄を床に降ろし、本を積み直し始めた。

本をを積み直し始める と、嫌でも題名が目に付く。

曰く「神獣と魔法」

曰く「精霊魔法の奥義」

曰く「ふりしぼれ!」

曰く「料理と魔力向上」

曰く「モテる女になるためには」

若干、?な本も混じっているが、どれも貴重そうな魔法書ばかりである。それが、こんな無造作に、床に積んであって良いんだろうかと思ったが、その中で一冊の魔法書がカボスの目を引いた。

題名は、「次元移動の考察と、その運用」と書いてあった。

「これは・・・」

カボスは改めて、魔法書を調べた。

分厚い装丁の魔法書で、題名は手書きである。本を開こうと思ったが、魔力で錠がかけてある。カボスは記憶を探った。この世界のシャントット博士とは、ほぼ初対面だが、 未来の世界では、両親と親しかった人物である。カボスも小さい頃から、未来の世界のシャントット邸には頻繁に出入りをしていた。その関係で、シャントット博士の個人的な情報もかなり把握している。・・・あくまで、未来の世界のシャントット博士の情報をだが。

「・・・■ ■ ■。」

考えた末に、3つの言葉を唱えると。カチャリと音がして魔力錠が外れた。

どうやら、合っていたようだ。

カボスはページを捲って行く。難解な文章が多くて完全に読み解く事は、難しかったが、何とか概要は把握できた。次第に手が震えてくる。シャントット博士は、別の世界への移動を実用化していた。それのみならず、次元移動をした後の、移動者が移動後の世界に与える影響まで、考察し てある。実体験談も記載されているようだ。

正に、これこそ求めていた本だ。

カボスは本を閉じた。カボスの思考はどうやってこの本を手に入れるかにシフトしていた。

普通に貸して下さいとお願いしても、おそらく貸してはくれないだろう。無造作に床に積んではあっても、これだけの内容である。普通なら五院の禁書として、封印されていて然るべきだ。シャントット博士は自身によほど自信があるのだろう。自分が管理していれば、漏洩はないと思っているのだ。

では、他にこの本を手に入れる方法はあるのか・・・。

この本があれば、いつも頭の片隅にある、あの事故を確実に防げるかもしれないのだ。

カボスの目が妖しく光った。




数刻が 過ぎた。

暴走した魔法装置の後始末を終えたシャントットは、途中になっていたカボスとの会話を思い出し、邸内のカボスと会った場所に瞬間移動した。

「オ〜ホホホ〜。お待たせしましたわね。思い出しましたわ。あなた、アジドマルジドの所にいた・・・」

ここまで喋って、シャントットは、目の前にカボスがいない事に気付き、キョロキョロと周りを見渡した。

足元に鞄がぽつんと置かれているだけである。シャントットは、鞄を開けてみた。すると中には、布で丁寧に包まれた、薬瓶が10ばかり入っていた。

「これは・・・エーテルですわね。・・・中々の良品。さて、礼の1つも差し上げねばなりませんが、あの子鼠はどこに?」

シャントットはもう一度周 りを見渡したが、人影はない。

シャントット博士は、声を張り上げた。

「キング!キング・オブ・ハーツ!何処にいるの!すぐ来なさい!」

すると、機械音をさせながら、一体のカーディアンが現れた。魔導人形である。タルタル族の2倍以上の体格を持っているが、器用に床に積み上げられた、本や魔法装置を避けてくる。足の代わりに取り付けられた、車輪を止めて、キング・オブ・ハーツはシャントットの前で止まった。

「ゴヨウデスカ★ゴシュジンサマ」

その独特の喋り方に被せるように、シャントットは言った。

「邸内にいた子鼠は、何処へ行ったの?」

その曖昧な言葉でも、キング・オブ・ハーツは意図を理解したようで、

「ライホウ★シ タ★ジンブツ★ナラ★サンジカンマエ二★キタク★シマシタ」

と答えた。

「あら、まぁ。そんなに時間が経っていたとは。・・・礼なら、アジドマルジドに言付ければ良いかしらね。」

シャントットが肩をすくめると、キング・オブ・ハーツは続けて報告した。

「ソノサイ★ソノジンブツハ★テイナイノモノヲ★モチダシタ★ケイセキガ★アリマス」

シャントットは、片眉を上げた。

「・・・何ですって?キング、邸内の物品をスキャン。報告しなさい。」

ガ〜、ピ〜と動作音をさせながらキング・オブ・ハーツは答えた。

「ゲンザイノ★テイナイノ★ビヒン★ノソウスウハ・・・」

「要点だけおっしゃい!」

「カシダシヲ★シテイル ★イガイノ★ビヒンデ★ショザイガ★フメイノ★モノガ★アリマス」

シャントットは、爪先でトントンと床を叩きながら言った。

「それは何?」

「マドウショデス★ダイメイハ★ジゲンイドウノコウサツト、ソノウンヨウ★デス。」

シャントットの爪先がピタリと止まった。

「何ですってぇ〜。」

シャントットは驚いた。持ち出された魔導書は、危険な技術が相当数記載してあるのである。普通の人間なら読む事も出来ないが、一定レベル以上の魔導士なら使う事が出来てしまうかもしれない。そして使えば、下手をすれば次元間の扉が出来、お互い干渉した挙句滅亡という可能性もある。

それにどうやって邸外に持ち出したのだ。あれには魔法錠がかけてあ ったはずだ。そして魔法錠が掛かったままの状態では、キング・オブ・ハーツのセンサーにひっかかる為、邸外への持ち出しは、不可能なのである。

ということは、あの子鼠は、魔法錠を外した事になる。

(一体どうやって・・・)

シャントットは首を振った。それは子鼠を捕まえてから、聞き出せば良い事だ。

シャントットは、無意識のうちに周囲に魔力を吹き出しながら言った。周りの積み上げられた本がバラバラと散らばる。

「わたくし、ブチ切れますわよ!」

シャントットの周囲に魔力の嵐が吹き荒れた。




シャントット博士の怒りが頂点に達している時、カボスは既にウィンダス連邦にはいなかった。現在居るのはジュノ大公国である。
(いや〜。流石にウィンダスにいるのはヤバいよね。シャントット博士になら直ぐに見つかってしまうんじゃないかな)
カボスは、ジュノ大公国の空中庭園である、ル・ルデの庭のウィンダス大使館の近くのベンチに座って、近くの露店で買った、ウルラガンミルクとチーズサンドイッチを頬張っていた。シャントット邸から持ち出した魔導書が、カボスの思った通りの価値があるのなら、各国の大使館に連絡が行くレベルの物であるはずだろうからだ。逆に言うなら、大使館に動きがないなら、あの魔導書は、カボスが想像したものと違うという事になる。

コクのある、ウルラガンミルクを飲みながら、カボスは手元の羊皮紙に目を通していた。それは持ち出した、次元移動の魔導書を書き写した物 であった。カボス謹製の写本する為の魔法のペン、「かきうつしくん」を使って、魔導書の半分程は、数十枚の羊皮紙に書き写していた。本当は全部書き移すつもりだったが、時間が限られていたのと、魔導書の魔力の影響か、「かきうつしくん」が壊れてしまったのだ。仕方ないので、書き写しができた分だけを、鞄に入れて持って来ている。ちなみに魔導書は安全な場所に保管してある。その写しを読みながら、ウィンダス大使館の様子を窺っていたのだが、魔導書の写しの内容が衝撃的すぎて、監視の方はそぞろであった。

魔導書曰く、未来に起こるべき事件を、完全に回避するのは非常に難しいと言うのである。これは日々起こる事柄が、起こるべきして起こっている為で、これを変えようとすると 、別の形で同様の事柄が起こると言うのである。分かりやすく言うと、ギルの入った財布を落とす事が、事前に分かっていたとして、落とさないようにしたとしても、近い未来に、別の場所で財布を落とすか、または、同額を何かに使ってしまうと言うのである。つまり、自分からギルが離れるのは防ぐ事はできないと。

「時間の修復作用」と魔導書には書いてあった。これが事実ならば、カボスが防ぎたい事故は防げないという事になる。カボスは呆然として、道行く人々を眺めた。ガルガやエルヴァーン等、色々な種族の人間が歩いている。

(だけど、諦める訳にはいかないんだ)

カボスは強く思った。幼い日に失った物を、また失う訳にはいかない。今ある大事な物も、失くすわけには行 かない。

(何か方法があるはずなんだ。何か・・・)

その為には魔導書を読み解く時間がいる。カボスが物思いに耽っていると、不意にウィンダス大使館の動きが激しくなった。人が慌ただしく出入りを始め、時折開けられる扉からは、声高に話す大使館員の姿が見える。

(気付かれた・・・いや始まったね。)

カボスはベンチから立ち上がった。パン屑を払い、歩き出す。

(とりあえず、何処かに引きこもって、魔導書の解析だね。でも、いつ襲われるか分からないから、護衛がいる)

そう考えて、カボスは冒険者互助会の方へ向かった。




冒険者互助会の建物は、ル・ルデの庭の西側にあった。ヴァナ・ディールの世界に多数いる冒険者を統括する組織の 建物としては、こじんまりとしている。カボスが先程見張っていた、ウィンダスの大使館の方が余程立派だ。カボスは、目ただない為に、飾り気のない白いローブを着ていた。その所為か、大使館からこちら、誰にも見咎められなかった。ジュノ大公国には、白いローブを着たタルタルなど、掃いて捨てるほどいたからだ。

互助会の建物の扉を開けると、人は疎らだった。受付に互助会の人間と、奥の張り紙が沢山貼られている掲示板の所に、4・5人の人影が見えるばかりだ。

カボスは、互助会に来た事は無かったが、知識だけはあったので、冒険者に正式に護衛を頼むには、受付に行って依頼を出さなければならないと知ってはいた。

だが、追われている身である。正式な依頼など出せるは ずもない。そこでカボスは掲示板の所に行った。掲示板には様々な所からの依頼が貼ってある。冒険者は内容を見定めて、依頼を受ける。そこには5人の人間がいた。ガルガと2人のヒュームはパーティらしく、声高にどの依頼を受けるか話し合っていた。後2人は、エルヴァーンの男とタルタルの女で、それぞれ思案する顔つきで、貼られている用紙を見つめている。

(どっちが良いかなぁ。まあ、一緒にいて楽しいのは女の子だね。男はむさいしさ)

カボスは声をかける冒険者を選ぶのに勝手なことを考えていた。そして、金とオレンジの髪をポニーテールにしたタルタルの女に声をかけた。

「ちょっと良いかな?」

「はい?」

タルタルの女はびっくりした様子で振り返り、カボ スを見た。

「急ぎで護衛を探しているんだけど、君、雇われる気はない?」

「ああ。そうなんですか。」タルタルの女はどうしようかと迷う表情で、カボスを見つめた。

「良ければ、仕事の内容と、報酬を説明するから、お茶でも飲まないかい?」

タルタルの女は、迷っていたが、やがて肩を竦めて、

「いいですよ。」

と言った。

「それはよかった。ボクの名前はユズ。君は?」

偽名を使ったカボスに、疑う事なくタルタルの女は名乗った。

「あたしはユファファって言います。」



かんきつは、あまいかすっぱいか2
コウ
続きです~

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一方ウィンダスのとあるモグハウスでは、騒ぎが起きていた。

「せ、先生!?ど、どうしましょう?」

栗色の髪を短いツインテ ールにしたタルタルの女の子が、エルヴァーンの男性にまくし立てていた。

「落ち着け。」

エルヴァーンの男性は、実際に落ち着いた口調で言った。

「お、落ち着けって言われても、お兄ちゃんが指名手配されたんですよ!?」

この2人は、クルク一家のメンバーで、ウメとサンラーと言った。カボスの妹のサンラーが言う通り、カボスは魔術書を持ち出した数日後には、各国に指名手配されていた。罪状は、「機密文書窃盗」だ。サンラーが喚くのも無理からぬ事ではある。

「ど、どうしよう・・・」

落ち着かなげに、モグハウスの中を行ったり来たりするサンラーを横目で見たウメは、ゆっくりと立ち上がった。

帯刀し、出かける準備をするウメを見て、サ ンラーは、

「先生!?何処に出かけるんですか!?」

と叫んだ。

「落ち着けと言っただろう。事の次第を確かめてくる。後、クルたんにも相談しなければな。・・・ここで待っていなさい。」

「なら、私も・・・」

言いかけたサンラーだったが、ウメが目を向けると、しゅんとなった。自分が足手まといになる事を思い出したのだ。

「暫くかかる。悪いようにはならない。落ち着いて待っていなさい。」

そう言い残して、ウメは自分のモグハウスを出立した。サンラーの祈るような視線を背に受けて。




そんな妹の嘆きをよそに、カボスは精力的に魔導書の解読を進めていた。隠れ家にしているのは、ウルガラン山脈の中腹にある洞窟の1つだ 。ル・ルデの庭で飲んだ、ウルガランミルクから思いついたので、足が付きにくいだろう。既にここに篭ってから2週間が経過している。カボスは逃走に当たって、幾つかの準備をしていた。その1つが魂石と呼ばれる特殊な魔法の石の散布である。シャントット博士、いやウィンダス連邦が自分を探索する際、自分の魔力の波動を探知するシステムを使う事は、容易に想像できた。そこで魂石に自分の魔力を込めて、競売に格安で放出したのである。元々、魂石は魔術の実験用に、大量に備蓄してあった。競売に売り出された魂石は、瞬く間に多数の冒険者に買い取られ、カボスの発見を阻害した。魂石は冒険者の装備品の強化に使われるものなので、いつかは使われて無くなってしまうだろうが、まだまだ時間稼ぎ はできそうだった。

「ユズさん。今戻りました。」

洞窟の入り口付近から声がした。護衛に雇った冒険者のユファファだ。結局、彼女を互助会から連れ出し、1ヶ月更新で護衛の仕事をする事を了承させた。自分は魔導士で、難解な魔導書を読み解き、論文を発表するつもりという事にしてある。その間、ライバルから妨害があるかも知れないので、護衛を頼みたいと。正式に互助会を通して依頼しないのは、そのライバルに知られたくないからだとも説明し、高額な護衛料をも提示して、迷っていたユファファを説得した。

(ウソをつくときは、本当の事と混ぜて言うのが鉄則だよね)

等と、心の中でほくそ笑むカボスは、魔導書の解析をしている奥の空間から出て、ユファファを出迎 えた。

「ご苦労様。何も異常はなかったかい」

ユファファは、肩に担いでいた、雪ウサギを洞窟の床に下ろしながら、頷いた。

「魔物が数匹うろついてましたけど、こちらに近づいてくる様子はないようです。お仕事が良ければ、このウサギを捌いて夕食にしますけど、良いですか?」

ユファファは、雪の被ったマントを脱ぎながら言った。ウルガラン山脈は北方で、春になったこの時期でも、まだ雪が散らつく。洞窟の中は、即席の暖炉の様な物が組まれていて、暖かい。マントの雪も、直ぐ水滴になった。この暖炉はカボスが組み立てたものだ。

「いやー。ワルイね。護衛の仕事以外にも、家事もやらせちゃって。」

カボスの言葉に、ユファファはにこりと笑って 、

「良いですよ。高い料金を貰ってますから、これぐらいは全然。」

「ユファちゃん、いいお嫁さんになるね。」

ユファは再びにこりと笑い。

「ありがとうございます。じゃあ、仕込みを始めますね。」

と言って、キッチンの代わりにしている、石の台の所に、ウサギを持って行った。

カボスは、洞窟の自室に戻りながら、

(いやいや、あのコは拾い物だな。腕もそれなりに立つし、気も効くし、なんと言ってもカワイイよね。あのコと付き合うのもいいな)

等と、現在の追い込まれた状況にそぐわない、緩い考えに浸った。

だが、魔導書を前にすると、自然と考えが引き締まった。

(さて・・・)

問題は、「時間の修復作用」をど う回避するかである。魔導書を読み解いて、カボスは1つの仮説に達していた。

1つの強力な護符を作るのである。それは「時間の修復作用」を防ぐ為の、防御フィールドを常に展開していて、修復作用の自身への働きを無効化する。この護符を持った状態で、未来を変えるアクションを起こすのである。そうすれば未来は変えられる。ずっと護符を持っていなければならないが、身体から離れない様な効果も付与しておくと良いだろう。呪符や護符を作成するのが得意なカボスならではのアイデアと言えた。

護符を作成する為の魔力回路は比較的簡単だが、問題は護符の魔力の供給源である。時間の流れに逆らおうとするのだから、膨大な魔力が必要で、量的に言えば、互助会が設置した、拠点間移 動用のクリスタルでも全然足りないだろう。

(どうしようかな)

カボスは更に考える。ぱっと思いつくだけでも、地脈を利用するとか、神獣の力を借りるとか、他にも幾つか魔力の供給源はあった。

(だけど・・・)

護符と供給源を繋ぐ方法が解らない。それは護符自体を作る技術とはまた別物で、カボスの手に余るものだった。

煮詰まった状態で時間が過ぎていく。ここから先は、もっと知識と能力がある魔導士の助けが必要である。そう、例えばアジドマルジド院長や、シャントット博士の様な だ。だが、勿論それはできない。シャントット博士の魔導書を無断で持ち出したのだから。

宙を睨むカボスの鼻に、香ばしい香りが漂ってきた。どうやら夕飯が出来たらしい。カボスは魔導書を閉じて、洞窟内の自室を出た。

夕飯は野兎のグリルだった。スパイスの効いた香ばしい香りが洞窟内に漂っている。ユファはナイフで肉を切り分けながら、

「あ、ユズさん。呼びに行こうと思ってました。どうぞ座って下さい。」

と言った。

「美味そうだね。」

カボスは口の中に唾が沸くのを覚えながら、椅子の代わりの石に座った。

上面が比較的平らな大きい岩が、テーブルの代わりだ。

携帯用の金属製の皿に盛られた肉とパン、同じく金属製のコップに 入った水が、目の前に置かれた。

「じゃあ、いただきます。」

「いただきます。」

2人は口々に言ってから、食べ始めた。

「ユファちゃん、ホント料理上手だよね。」

カボスは肉を頬張りながら言った。実際に美味しい。肉はジューシーだし、皮はパリッと焼けている。

ユファは照れくさそうに笑いながら、

「普通ですよ。しばらく冒険者の師匠のところで住み込んでたんで、その時覚えました。」

と言った。

「ああ、コウって冒険者だね。」とカボスは頷いた。

ユファと話をする都度、度々出てきた名前だ。初めは軽く相槌を打っていたが、最近はその名前を聞くと、妙な気分になる。

(これって嫉妬?・・・まさかねー)
自慢ではないが、カボスは女性に不自由した事はない。口八丁手八丁で、様々な女をモノにしてきた。その為、この感情を嫉妬と認めるのは、いささか抵抗がある。
ユファの話好きもあってか、食事の時の話題は、大抵彼女の冒険談が多い。そして話を聞いてみると、どうやらユファは、クルク一家のバルファルとも知り合いらしい。

(世間って、存外狭いんだな)

そんな考えが頭をよぎるが、カボスから見て幼稚なバルファルは、ユファに手を出してはいないだろう。

(まあ、手を出してもらっても困るんだけどさ)

バルファルの相手はクルクでないと困る。そうでないと自分は・・・

「ユズさん、聞いてます?」

ちょっと身を乗り出し気味に見つめられて、カ ボスは焦った。どうやら柄にもなく女性と会話中に自分の考えに耽ってしまったようだ。

「・・・ごめんよ。研究のことが気になって・・・」

咄嗟にごまかした。

ユファは頷き、進み具合はどうか?と聞いてきた。

「そうだね・・・」

ユファの事は気に入っているが、次元移動や時間の修復作用について語っても、分かるとは思えなかった。だがまあ、掻い摘んで話してみる事にする。

案の定、ユファは分かったような分からないような、微妙な表情をした。

「時間の修復作用を逃れる方法ですか・・・ユズさんの研究って難しいんですね。」

・・・感心されてしまった。だが、軽く尊敬のニュアンスを感じるので、気分は悪くない。

「より上 位の魔導士に相談すれば良いんだけど、研究のライバルに情報が行くかも知れないので、ちょっとね・・・」

始めにユファにしたウソの説明を混ぜて、誤魔化しておく。

なるほど・・・と相槌を打ったユファだったが、思いついた様に言った。

「じゃあ、魔導に詳しい冒険者に聞いたらどうですか?」

虚を突かれた。

少しして、我に返ってカボスは言った。

「詳しい人を知ってるの?」

ユファは少し困った様子で、

「あたし、冒険者としては駆け出しだから、知り合いとかあんまりいないんですけど、コウなら・・・」

と言った。はっきりした事が言えなくて、申し訳ない様な感じだ。

その様子にほのぼのとした感情を覚えながら、し かしカボスは、

(また、コウって奴か)

と思った。だが、考え自体は悪くない。

(そうか、魔導士は連邦直属の人間だけじゃない。在野にもいたんだ)

思いつかなかった。だが院長や博士程の人材がいるかどうか・・・

「・・・そうだね。じゃあ、よかったらユファちゃんの師匠を紹介してくれないかな。」

カボスは考えた末に、そう言った。

ユファは頷き、

「いいです・・・」

と言いかけて、固まった。そしてカボスに言い直した。

「ユズさん、誰か来ます。念の為に直ぐここを出られるようにして下さい。」

そして、壁に立てかけておいた剣を手に取る。

カボスは驚いて、

「誰が・・・」

言いかけたが、 ユファは自分の唇に指を当てて、

「静かに。急いで。」

と小声で言った。

カボスには全く何の気配も感じられなかったが、ユファには分かるらしい。

カボスは慌てて、洞窟の自室に駆け込んだ。




ユファは、そうっと洞窟の入口から外の様子を探った。もう陽は沈み、月明かりを地面に積もった雪が反射している。その為、夜でも結構明るい。

ユファは辺りを見渡したが、先程感じた気配を感じ取る事は出来なかった。

(隠れてるのかな)

感じた気配は1つだけだった。だが明白に敵意を感じたので、どこかに潜んで、こちらの隙を伺っているのかもしれない。

1歩外に踏み出す。さくりと雪を踏みしめると同時に、ヒュッという音が鳴っ た。

咄嗟に横に飛び退くと、ユファがいた場所に1本の矢が突き立っていた。

「!」

ユファは抜刀し、矢の飛んできた方向に目を凝らした。だが何も見えない。

じりじりとした緊迫感の中、不意に声が聞こえた。

「そこにカボスと言うタルタルが居るだろう。カボスを出せ。」

雪で声が反射して、出処が特定出来ない。女の声の様だ。

「そんな人はここにはいない!何処にいるの?姿を現しなさい!」

現しなさい現しなさい・・・とこだまが響く中、低く笑い声が響いた。

「良いだろう。どうせお前らは逃げる事は出来ないのだからな。」

そして木立の中から現れたのは、白い防寒着を着た1人のミスラだった。

ミスラはユファに向 かって言った。

「私はスカリーM。名前の通り、罪狩りのミスラだ。ミスラ本国の指令により、カボスを捕らえに来た。大人しく縄につけ。」

「だから、そんな人は・・・」

ユファが言いかけた時、後ろにカボスがやって来た。

「ユズさん・・・」

何か言いかけるユファにカボスは畳み掛けるように言った。

「ユファちゃん。このミスラはボクのライバルが寄越した刺客に違いないよ。戦っても得は無いから、逃げる事にするよ。」

くっくっくっとスカリーMは笑った。

「相変わらず口が回ることだな。だが、逃げられはしない。」

そして指ををパチンと鳴らした。

すると虚空から3人のタルタルが姿を現した。いずれも口の院の制服を着 ている。

中央の1人が歩みでた。

「私は連邦魔戦士のロランアラン。口の院研修生のカボス。機密文書窃盗の罪で捕縛する。抵抗すれば容赦しない。」

「ち」

カボスは舌打ちした。罪狩りのミスラだけならやりようはあったのだが、相手が4人では分が悪い。




そして・・・




ユファの視線が痛かった。

ユファは静かに言った。

「騙してたんですね。」

カボスはユファと視線を合わせずに呟いた。

「まあ、事情があってね。悪かったよ。ボクは逃げるが、キミは彼らと一緒に行った方が良い。騙されたって言えば、悪い様にはならないさ。」

そして懐に手を入れた。

スカリーMと連邦魔戦士達が身構える。< /div>



取り出したのは・・・




真っ黒い何かだった。




それを頭上で2、3回振る。

連邦魔戦士ロランアランが思わず言った。

「何をやって・・・」

スカリーMの様子が変だった。カボスが振る黒い何かに視線が釘付けなのである。

カボスが黒い何かを右に振れば右、左に振れば左に、頭ごと動いている。

カボスが黒い何かを連邦魔戦士の方に放った。

それは、ミスラの大好物、サイレドンの黒焼きだった。

身構えるロランアラン達の上に、スカリーMが飛びかかった。




「………んにゃーーっ!黒焼きだぁ! いっただきぃ!!」




3人のタルタルは、スカリーMに押しつぶされ、4 人が団子状態になった。

「へ?」

思わず気の抜けた言葉が、ユファの口から漏れた。

スカリーMの挙動にびっくりしたのだ。

間髪入れず、カボスは4人と逆方向に走り出す。

だが雪の所為で、中々足がはかどらない。

立ち直ったロランアランがカボスに追いつこうとする。

そこに立ち塞がったのは、ユファだった。

斜め後ろから、ロランアランにタックルをかけると、ロランアランは雪の上に突っ伏した。そのままタルタルを踏みつけて、カボスに追いつく。

「ユズさんか、カボスさんか、どっちでも良いですけど、後で必ず説明して下さいよ!」

そしてユファは、カボスの腕を掴むと、転移の魔法を使った。

2人の身体は、紫色の 光に包まれて、ウルガラン山脈から掻き消えた。




クルク一家のウメは、一家のボス、クルクのモグハウスを訪れていた。カボスが指名手配になってから、カボスが訪れそうな場所を幾つか覗いてみたが、結局見つける事はできなかったのである。もちろん連邦もカボスを探しているので、もし本人が行きつけの場所に居たら、直ぐに捕まってしまったに違いない。ウメにとって、サンドリアは鬼門だったので、そちらは同じ一家のメンバーのウズラに頼んで、何日かかけて他の3国を回った。そして今は結局、バストゥーク共和国のクルクのモグハウスにたどり着いたのである。

モグハウスのリビングには、テーブルを挟んで、3人の人間が座っている。一家のボスのクルク、クルクの幼馴染 のバルファル、そしてウメであった。その中で、1人バルファルが気炎を上げている。

「大体アイツは何かやらかしそうだったんだよ!」

「一体、国際手配なんかになっちまって、どうするつもりなんだ!」

「妹のサンラーや、オレ達の立場を考えた事があんのか!」

等等、罵詈雑言の嵐だった。

やがて、叫び疲れたのか、バルファルはソファーにもたれかかり、息を吐いた。

「・・・クルク。何とか言えよ。」

クルクは、腕を組み、何かを考えているのか、考えていないのか、暫く黙っていたが、

「うーん、かぼちゃんは何か考えがあって、機密文書を盗ったと思うなぁ〜。」

とぽつりと言った。

クルク達は公式な発表しか聞いていな いので、カボスが本当は魔道書を持ち去ったとは知らない。あくまで発表としては機密文書だった。

「何かって何だよ?」

バルファルは顔をしかめて言った。

「それはクルクには分からないなぅ〜。女のカンってやつかな。」

「クルたんのカンは当たるからな。案外何か深い訳でもあるかもしれん。」

それまで黙っていた、ウメが口を開いた。

そして、テーブルの上にあったティーカップを指先で弾いた。

その音で気づいたのか、モグハウスの管理人のモーグリが、冷めたお茶を入れ替えていく。その場の重い雰囲気を察してか、何時もは多弁なモーグリも無言だった。

「そんな事言ったってさ、ウメさん。そもそもアイツはどこにいるんだ?」
バルファルが新しいお茶を一口飲んで言った。
「それが分からないから、指名手配されてるんだろう。」

ウメが正論を口にする。

「バル、ウメ」

クルクが、2人を呼ぶ。

「何だよ?」

「どうしたクルたん。」

2人をじっとみて、クルクは言った。

「かぼちゃん。きっと困って助けを求めてくると思うんだ。とりあえず、それを待とうと思う。」

「いいのかよ?」

バルファルは納得いかない様子で言った。

クルクはニヤリと笑い、

「勿論、かぼちゃんに会ったら、まずゲンコツだよぅ。それは確定。」

ウメはふっと笑い、

「まあ、サンラーを心配させたんだ、それくらい当然だな。」

3人はカボスか らの連絡を待つ事になった。そしてそれは決して長い間でもなかった。




「で、一体君達は何をやってるんだ?」

場所は変わって、ここはジュノ大公国、下層の冒険者コウの家であった。

結局、罪狩りのミスラと、連邦魔戦士達から逃れたカボスとユファは、ユファの師匠であるコウを頼った。

と言うか、ユファの転移の呪文の転移先が、ジュノ下層に設定されていた為、必然的にそうなったと言える。

雪まみれで、ガチガチ震えていた2人は、交代で風呂に入り、今はバスローブに包まって、温かいミルクを啜っている。

そんな2人にコウは問いかけたのだ。

カボスとユファは目を見合わせた。先に目を逸らしたのはカボスで、これはユファを騙してい た罪悪感が、そうさせたのかもしれない。

「とりあえず、あたしから話すね。」

ユファは、カボスから魔道書の論文を書く間、ライバルからの妨害を防ぐ為、護衛に雇われたと語った。そして敵が来てみれば、それはウィンダス連邦が差し向けたもので、カボスは、実は窃盗の罪で、指名手配されていた。有り体に言えば、自分は騙されたのだ。

憮然とした表情で、ユファに睨みつけられたカボスは、虫も殺さぬような笑顔を見せ、

「騙していて、ごめんよ。」

と言った。

何となく気勢を削がれたユファは、少し声のトーンを落として、

「ユズさん、いえ、カボスさん。とにかく納得のいく説明を頂けませんか。あたし、怒ってるんです。」

と言った。

3人は小さく火を起こした暖炉の前の絨毯に座り込んでおり、春の盛りでも冷える夜にも平気だった。火種が崩れるゴソッと言う音が響いた。

コウも胡座をかいて、その上に肘をつきながら、

「それは僕も聞きたいね。ユファの言う通り、カボス君は連邦から機密文書窃盗の指名手配がかけられている、君をどう扱うにしても、はっきりとした説明は欲しいな。」

と言った。

カボスは曖昧な笑みを浮かべながら、コウに目を向けた。

「1つ聞いておきたいんだけど、コウさんは魔導には詳しいかな?」

コウはカボスを見て、

「魔導。魔法という事だね。一口に魔法と言っても、黒魔法、白魔法、召喚、モンスターの魔法を使う青魔法なんてのもある。ど れを指してるんだい?」

と言った。ユファは横から口を挟んだ。

「もしかして、あたしに説明した、次元・・・移動?とか、時間の修復作用とかの話?」

コウはユファの言葉を聞いて、微かに目を見開いた。

「ああ、なるほど。理論に詳しいかと聞いてるのか。どうも冒険者と言うのは、実際に使う技に意識が行きがちだが・・・まあ、一通りは収めているよ。」

「ユファちゃんの言った名称についてはどう?」

コウは肩を竦めて、

「何だか、こっちが問いただされてるみたいだな。平たく言うと、未来が変えられるとか変えられないとか、そう言う議論がしたいのかい?」

「・・・」

カボスは黙った。そしてちらりとユファを見る。

コウは再び肩を竦めて、

「ユファ。カボス君は僕と2人で話がしたいらしい。少し部屋に戻っててもらえるかい。」

「えーーー。なんでよ?あたしが一番の被害者なのよ!?」

なおも喚くユファをコウは何とか宥めて、部屋に追いやった。

「やれやれ、これでいいのかな。」

再び暖炉の前に座り込んだコウは、カボスに言った。

カボスは苦笑いをして、

「ずいぶんユファちゃんに信頼されてるんだね。ボクと話す時と、全然態度が違う。」

「まあ、割と長い付き合いだからね。で、話の続きは?」

カボスは暖炉の小さい火を見ながら、ぽつりぽつりと話した始めた。

自分と妹が、未来の世界から来た事。

未来の世界で、現在の世 界に次元移動してきた妹は事故で死んでしまっている事。

妹とは別に、育ての親も事故で亡くなっている事。

妹と育ての親の事故を防ぎたいが、シャントット博士の魔導書によると、防げない可能性が高い事、それが時間の修復作用と呼ばれている事。

時間の修復作用を防ぎたいが、自分の力だけでは、難しい事。

「夢を見たんだよ・・・。」

カボスは言った。

「サンラーと、ピヨりん、クマちゃんが苦しそうな顔で死んでいくんだ。ああ、妹と育ての親の事なんだけどね。居ても立っても居られなくってさ。そのちょっと後で、シャントット博士の家で、役に立ちそうな魔導書を見つけたんで・・・つい。」

カボスは乾いた笑いを浮かべた。

「そんな とこ。まあ、信じられないよね。」

コウは頬杖をついて、カボスの話をきいていたが、おもむろに言った。

「いや、信じるよ。」

カボスは、聞き違えたかと思って言った。

「信じる!?信じるって言った?なんでだよ?こんな突拍子のない話のどこが信じられるんだよ!?」

「根拠がないわけじゃないんだが。」

コウは、戸棚の所に行き、幾つかの物を持ってきた。

酒瓶とグラス2つ。後は、変わった形をした石だった。

「まあ、一杯呑みなよ。」

コウは2つのグラスにブランデーを注ぎ、カボスに1つ渡した。

「ボクは酒は呑まないよ。」

カボスは断ったが、再度促されると、グラスを受け取り、用心深く一口すすった。

芳醇で強い香りが口に広がり、飲み慣れないカボスはむせそうになったが、何とか飲み込んだ。

ぼっと身体に火が入ったような気がする。

「うへ・・・」

思わず息を吐くカボスに、コウはニヤリと笑い、

「こういう時は、酒も良いもんだよ。で、この石なんだが。」

コウは、手の平サイズの曲がった、滑らかな石を見せた。

「これは魔法の石でね。勾玉と言うんだ。イロハと言う、未来の僕の弟子が持ってきたものだ。」

カボスは初めコウの言っている事が分からなかった。だが、意味が分かると思わず叫んだ。

「ボクらの他に、時間を越えてきた人が居るのかい!?」

コウは頷いた。

「正確にはいた、だ。彼女は未来の世界に帰って 行ったからね。彼女が現在に来た理由は割愛するが、僕はこの石を貰ってから、時間の流れが見える様になった。」

「時間の流れが・・・」

コウはブランデーを一口飲み、つられてカボスも一口飲んだ。

「うん。カボス君の身に纏っている、時間の流れは他の人間とは違う。だから君の話を信じると言ったんだ。」

カボスは無言でもう一口ブランデーをすすった。

「だが、君の言う事を信じるにしても、やった事は悪手だったな。なにも魔導書を持ち去る必要はなかったんだ。シャントット博士は知識欲と研究欲の塊だ。今僕にした話を、シャントット博士にすれば、間違いなく何らかの助言や手助けをしてくれただろう。その魔導書を書いたくらいだ、博士が時間と空間の第 一人者さ。」

しばらく、沈黙が辺りをつつんだ。

カボスはぽつりと言った。

「待てなかったんだ、シャントット博士はとても忙しそうだったし・・・」

「待つべきだった。」

「自分で何とかできると思ったんだ・・・」

「出来なかったろう?」

カボスは無言になった。今までの疲れと、飲み慣れない酒を飲んだせいで、今にも眠り込みそうだ。

コウはそんなカボスを見て言った。

「とりあえず、詫びを入れに行くしかない。」

「詫びを・・・」

「まず魔導書を持ち去った事を謝って、訳を話そう。」

「許してくれるかな・・・」

コウは肩を竦めたが、がくりと頭を突っ伏して、既にカボスは寝入っていた。
コウは低く喋った。
「ユファ。」

部屋の入り口から、ユファがきまり悪げに進み出て来た。

「どこから聞いてた?」

「聞くつもりじゃなかったんだけど、気になって。声が低くてよく分からなかったな。時間を越えてきたとか・・・イロハさんと関係があるの?」

ユファも先程話に出てきたイロハと言う人物を知っている様だ。

コウは首を横に振った。

「直接関係がある訳ではないよ。それより、魔導書を持ってシャントット博士に謝りに行く事になった。」

えーと叫びかけて、ユファは手で口を塞いだ。

「いやだって、指名手配されてるんでしょ?捕まっちゃうんじゃ・・・。」

「そうさせないためにも、僕が付いていく。」
「じゃああたしも・・・って、足手まといか。」
「すまんな。」

「いいけど、あたしの時といい、コウは物好きねー。」

ユファは、実家から飛び出した後、行く当てもない所をコウに拾って貰ったので、そう言った。

ユファの半分呆れた口調に、コウは肩を竦めた。

「まあ、カボス君については、共感できるところもあってね。」

「どの辺が?」

「僕も、自分の才覚を鼻にかけて無茶をやった時期があったってことさ。」

ユファはびっくりして言った。

「コウがねぇ。まあ無茶って言えば、今でも無茶だけど。」

コウはユファの肩を軽く叩くと、

「話はお終いだ。ユファも疲れたろう。寝なさい。カボス君には枕と毛布をかけ てあげてくれ。」

と言った。

「は〜い。」

ユファは素直に返事をすると、枕と毛布を取りに出て行った。

カボスの方を見ると、ぐっすりと眠り込んでいる。

コウは軽く欠伸をすると、

「明日は忙しくなるな、僕も寝るか。」

そう言って、コウは自室に戻っていった。






かんきつは、あまいかすっぱいか3
コウ
長すぎました。。

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翌朝・・・




「言ったよ。」

「言ってない。」

「言ったよ。」

「言ってないったら!」




コウとカボスは、それぞれ起きてきた後、ユファが作った朝食を食べた。カボスは昨日飲み慣れない酒を飲んだ所為で、軽く頭が痛かったが、ユファの作ったスープや卵料理は美味しく、少しづつであるが、食べる事が出来た。</ div>
問題はその後、食後のお茶を飲んでいると、コウが魔導書を持ち出した事を、シャントット博士に謝りに行くと言い出したのだ。そして昨日カボスもそれに了承したと。

それで、先のやり取りになった訳である。

疲れと酔いで、昨夜のコウとのやり取りをあまり覚えていないカボスは、当然シャントット博士に謝りになど行きたくなかった。

謝りに行く事を言ったか言わないかで、言い合いになった後、無言になったカボスは、

「いい加減、諦めなよカボス君。悪い事をしたんだから、謝らなくっちゃね。」

と、ユファに諭される様に言うと、流石に言い返した。

「相応の理由があったんだよ。それとボクの事を君付けで呼ぶのは止めなよ。ボクの方が年上だろ 。」

「あなたなんて、カボス君で十分よ。コウも付いてってくれるから、いきなり捕まる事も無いと思うよ。」

ユファにこう言われ、

「ユファの言う通りだな。それにここに隠れてたって、いつかは見つかるぞ。隠れてて捕まるのと、自分で非を認めて謝りに行くのでは、全然印象が違う。」

コウにも言われると、もはや反論出来なかった。

「・・・分かったよ。行くよ。」

カボスは渋々答えた。

「じゃあ、これを食べ終えたら、早速出発だ。」

コウが言うと、カボスは尋ねた。

「いいけど、連邦兵に見つからずに、シャントット博士の家まで行けるのかい。」

「君も知っての通り、連邦は登録してある君の魔力の波動を元に索敵をし ている。これを阻害するのが1つ。後は古典的に姿隠しと音消しの魔法をかけるだけだな。」

コウが答えると、カボスは懐疑的に、

「単純な方法だなあ。どうやって魔力の波動の検知を止めるんだい?」

と尋ねた。

「昨日の夜見せた勾玉だな。持っていると、護符のような効果がある。本来の用途ではないけど、今回は気配を消す為に使おう。」

「・・・その勾玉って、色々な効果があるんだね。上質な護符みたいだ。」

カボスの言葉にコウは肩を竦めて、

「カボス君。妙な事は考えるなよ。この勾玉は、時間の修復作用を護符で防ぐっていう君のアイデアには使えない。いや使えるけど、問題は魔力源と護符との魔力のやり取りだろう。護符自体は割と簡単 に作れるはずだ。別にこの勾玉じゃなくても良い。」

と言った。カボスは苦笑して、

「分かってるよ。」

と答えた。

ユファは腕組みをして、カボスを睨みつけ、

「恩を仇で返すような真似をしたら、許さないんだからね。」

と言った。

カボスは口を尖らせ、

「いい護符だなって言っただけじゃないか。信用ないなあ。」

と返した。この返事にユファは軽くびっくりして言った。

「・・・いや?。カボス君、神経太いわ。びっくりした。」

コウは茶碗を置いて、立ち上がった。

「じゃあカボス君、そろそろ行こうか。ユファ、留守よろしく。」

カボスも渋々という感じで、立ち上がった。




コウと カボスは、クリスタルワープを使って、大胆にも石の区に直接転移した。天の塔のお膝元にある場所ではあるが、存外目立たない場所にある。

勾玉を持っているせいか、カボスがウィンダス連邦に入国しても、特に気づかれる事も無かった。

石の区の転移すると、コウはカボスを天の塔に続く橋の袂に誘導し、カボスに姿隠しと音消しの魔法をかけた。カボスには、後をついてくるように言い含めてある。コウはゆっくりとシャントット邸に歩き始めた。

桜の木は既に葉桜に変わっている。朝の光の中を歩いて行くと、時折天の塔へ出仕するタルタル達とすれ違う。だが、咎められる事もなく、暫くすると、コウと姿を隠したカボスは、シャントット邸にたどり着いた。

コウは迷うこ となく、呼び鈴を鳴らす。数回鳴らしても反応がない。ここでシャントット博士が不在なら、ウィンダス連邦内のモグハウスで待つつもりだった。

だが、5回目に呼び鈴を鳴らした時、反応があった。

突如、空中に声が響いた。




「うるさいっ!何度も鳴らさなくとも分かってますわ。用があるなら入ってらっしゃい。鍵は掛かっていませんわ。」




そして、ぶつっと声は切れた。

コウは肩を竦め、言った。

「相変わらずだなあ。。まあ、でも在宅で良かった。」

そして、後ろを振り返り、何もない空間に向かって、

「じゃあ、行こうか。」

と促した。

シャントット邸の中は、カボスが訪れた時と同じで、雑然としてい た。そこら中に本の山と魔法装置の山がある。そしてシャントット博士の姿も見つからない。

コウは館の奥に向かって、すたすたと進む。姿を隠したカボスもそれに従う。

やがて一室の前に辿り着いた。

開いている扉をノックして、コウはシャントット博士の書斎に入った。

シャントット博士は、巨大なデスクの後ろに陣取り、眼鏡を掛けて本を読み耽っていた。書斎の中も、やはり本と魔法装置の山が、そこらにあった。

ノックの音を聞くと、シャントット博士は本から目を上げた。そしてコウをじっと見る。

「あら、ヘッポコ君じゃありませんの。冒険者がわたくしに何の御用?」

コウは一礼をして、口を開いた。

「ご無沙汰しております。シャン トット博士。今日はお詫びに参上致しました。」

シャントットは眼鏡を頭の上にあげてコウを睨んだ。

「お詫び?あなたにはいつぞやの冒険の依頼以降会ってないはず。何を詫びてくれるのかしら?」

「持ち出された魔導書についてです。」

コウの答えにシャントットの表情が剣?になった。

「あ?ら。無関係のはずのあなたが、何を言ってるのかしらね。・・・本命は隠れてる2人目ではなくて?」

シャントットが指をぱちんと鳴らすと、姿隠しをかけた筈の、カボスの姿が露わになった。

「・・・」

カボスは白い顔をして、無言である。

シャントットは、腕組みをして、指でトントンと自分の腕を叩いた。

「あ?ら。子鼠じゃありま せんの。どのツラ下げてここに顔を出せたのかしらね。盗人猛々しいとは、当にこの事ねぇ。」

シャントットの口調は穏やかだったが、凄まじい怒りが感じられた。抑え切れない魔力が周囲に漏れ出し、かたかたと部屋全体が振動している。

カボスは持ち出した魔導書を鞄から出し、床の上に置いた、そして自身は本の後ろにうずくまり、額を床に擦り付けた。

正式な謝罪の姿勢である。ひんがしの国では、ドゲザーと言ったか。

カボスはそのままの姿勢で口上を述べた。

「今回の件では、大変ご迷惑をおかけした事をお詫び申し上げます。魔が差したとはいえ、大変申し訳ありませんでした。お許しいただけるのであれば、何でもする所存です。」

「・・・」

シャントットは無言である。

無言の圧力にカボスが耐えきれなくなった頃、シャントットが口を開いた。

「・・・子鼠。幾つか尋ねたい。1つは何故その魔導書だったのです?ギルには変えるのなら、適当なものが他にあったはず。もう1つは、その魔導書には魔法鍵がかかっていたでしょう。今、魔導書を見れば鍵は外れているようだけれど、どうやって外したのかしら。」

「それは・・・。」

カボスは躊躇った。果たして自分の話は信じて貰えるのか。

コウが口をはさんだ、

「カボス君、僕にした話をシャントット博士にしてくれ。シャントット博士。少し長い話なので、カボス君は身体を起こしても良いですか?」

シャントットは肩を竦めて、

「まあ、良いですわ。とっとと話なさいな。」

と言って、許した。

カボスはとつとつと話し始めた。

自分が未来から来た事。

家族と友人を事故から助ける為の方策を探していた事。

その時たまたま役に立ちそうな魔導書をシャントット邸で見つけた事。

カボスは、話し終えると、再び元の姿勢に戻った。

「・・・」

シャントットは腕組みをして、考え込んでいる。

コウが口を開いた。

「博士から見て、カボス君はどうです?」

シャントットは、コウをちらりと見て、

「身に纏っている、時間軸の流れの事を言っているの?勿論わたくしにも分かりましてよ。未来か過去か、別の時間から来たのは間違いない。大体口の院 で声をかけたのだって、半分はその所為だったんですからね。で、この子鼠が言うには、未来のわたくしと交流があって、鍵の開け方を知っていたと。」

「嘘だと思われますか?」

コウが尋ねる。シャントットは腕組みを崩さないまま、

「話の辻褄は合ってますし、なにより当人の時間軸の流れが、論より証拠。まあ、言ってる事は本当の事でしょうね。だから許せというんですの、ヘッポコ君は?」

と言った。

「やり方が間違っていたのは、重々承知です。ですが、彼の大切な人達の命がかかっていたのです。そこを考慮して、罪一等を減じては?」

コウの言葉に、シャントットはしばらく無言だったが、やがて口を開いた。

「よござんす!この件はなかっ た事にしてもよろしい。」

思わず顔を上げるカボス。

だが、シャントットの言葉は続いた。

「けれども、何のペナルティも無しという訳にはいきませんわよ?示しがつきませんから。そして、この世の理は弱肉強食。弱い者は生きてはいけない。」

シャントットはビシリとカボスに指を向けた。

「子鼠!わたくしと勝負しなさい。わたくしに見事打ち勝つことができたなら、この件の罪は問いませんわ。むしろあなたの抱えている問題を解決する手助けをしてもよろしい。」

「けれども、わたくしに負けたら・・・」

シャントットはニヤリと笑い、

「一生、魔法の実験体として、飼い殺して差し上げますわ。多分、最初の実験で、死ぬと思いますけどね 。」

オーホッホッホと高笑いをした後、シャントットは不意に興味を失ったように、

「時間と場所は、3日後、バルガの舞台でよろしくて?まあ、がんばんなさいな。」

と言ったきり、眼鏡をかけ直し、再び本に目を通し始めた。

思わぬ展開に呆然とするカボスを横目に、コウはごほんと咳払いをした。

「博士。カボス君は兵士でもなければ、冒険者でもありません。戦闘経験がほとんど無いんです。それを連邦最強の魔導師である博士と、単独で闘えと言われるのですか。」

シャントットは邪魔くさげにひらひらと手を振り、面倒くさそうに、

「では、冒険者の言うところの、パーティを組んでもよろしくてよ?1パーティは6人でしたかしら?まあ、何人で来 ても、わたくしには勝てませんけどね。」

と言った。

「今の言葉に間違いはありませんね?」

コウの言葉にシャントットは本から顔を上げた。

「このわたくしに二言はありません事よ。・・・ああ、ヘッポコ君も参戦するつもりですの。それは少しは楽しめそうですわね。」

シャントットは薄く笑った。やり取りを見ていたカボスは、その笑いに鳥肌がたった。

コウは表情を変えずに、

「後、カボス君の国際指名手配を解除していただきたい。色々と準備もありますので、外を歩けないのは困ります。」

と言った。

シャントットは肩を竦めて、

「別に構わないけれど、今度逃げたりしたら、地の果てまで追い詰めて、バラバラに解体し て差し上げますわよ。よろしい?」

と言って、カボスをちらりと見た。

蛇に睨まれたカエルの如く、カボスはガクガクと頷く事しかできなかった。

これで、会見は終わりだった。最後に持ち出した魔導書をシャントット博士に手渡して、コウとカボスは館を後にした。


かんきつは、あまいかすっぱいか4
コウ
これで、最後かな・・・

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コウとカボスは、ジュノ大公国下層のコウの自宅に帰ってきた。

途中で事情を知らない兵士がカボスを拘束しようとする事態も起こったが、シャントット博士はやる事は素早く行うようで、国際指名手配は解除されており、連邦議会に問い合わせると、解放された。

2人はリビングのソファーにどっかりと座った。ユファはお茶を持ってきたが、どうなったか知りたい様子で、一杯だった。
「どうだった?2人で帰って来れたと言うことは許してもらえたのかな?」

ユファの問いかけに、コウは一口ウィンダスティーを飲み、

「ああ。許してもらえる事になった。」

良かった とユファが言うより早く、カボスが叫んだ。

「どこがだよ!?シャントット博士と勝負して勝ったら、だよね?ボクが闘って勝てる訳無いじゃないか!?」

そして、がっくりと膝に顔を埋めた。

ユファはその様子で察したようで、

「それは・・・コウ、カボス君殺されちゃうんじゃないの?」

ユファは引きつった表情で言った。

コウはもう一口、お茶を飲んだ。

「いやいや、パーティを組んでいいという、言質を取った。まだ勝敗は分からないよ。」

「そうなんだ。って事は、コウも闘うんだよね?」

ユファの問いかけに、コウは頷いた。

「ユファも手伝ってくれ。相手は連邦最強の魔導師だ。いい経験になるよ。」

コウの言 葉に、ユファは微妙な表情で、

「なんか、経験を得る前に殺されちゃいそうだけど・・・パーティの他の3人は?」

と言った。

コウはカボスを見て、虚ろな表情のカボスに、活を入れるように言った。

「カボス君!クルクさんに連絡を取ってくれ。きっと一緒に闘ってくれるよ。」

カボスはのろのろとコウの方を見て、こくりと頷いた。




クルク、バルファル、ウメの3人がコウの自宅を訪れたのは、カボスがクルクに連絡を取ってからすぐだった。

コウとユファが出迎える。挨拶を交わした後、クルクは2人に、

「コウさん、ユファちゃん、ゴメンね?。ウチの鬼っ子が迷惑かけて?」

とすまなさそうに謝った。

コウとユファは 、

「いや?。クルクさん、僕も冒険者なので、色々巻き込まれるのには慣れてます。ユファがバルに助けてもらった事もあるし、お互い様ですよ。」

「あたしも平気ですー。」

と、それぞれ笑いながら答えた。

そのまま、バルと話し始める2人を背にクルクはつかつかと、ソファーに座り込んでいるカボスに近づいた。

ぼんやりしていたカボスは、その気配ではっとし、クルクの方を見た。

「かあさ・・・クルたん、来てくれたんだ・・・」

言い終わる前に、カボスはクルクに胸倉を掴まれていた。掴み上げられ、顎に思いっきり右拳を叩き込まれる。

空中で、身体が3回転はしただろう。壁に叩きつけられたカボスは、その一発で気を失っていた。
< div>思わず呆然と見守る皆の視線も気にせずに、クルクは、ぱんぱんと手を払った。
「あ?。すっきりしたなぅ?。とりあえずこれでオシオキ完了。で、これからどうするの?」

初めに我に返ったのは、バルファルだった。やはり、クルクのやり方に慣れているせいだろうか。

「ちょ・・・クルク、やりすぎだぜ!カボス死んだんじゃないのか?」

ユファがカボスの元に走り寄る。

「・・・バル、大丈夫。息はあるよ。」

最初の挨拶をしただけで、黙っていたウメが口を開いた。

「今のに、サンラーの分も入れておいても良い。これくらいは当然だな。」

「・・・えと、皆さん良ければ座って下さい。ユファ、カボス君の介抱を頼むよ。」

コウの 言葉で、皆は思い思いの場所に腰を下ろした。ユファが改めて、皆にお茶を配る。

カボスは気絶しているので、コウが、かいつまんで経緯を話した。もちろん、カボスが未来から来たというくだりは、ぼかしてある。カボスが懸念した通り、多くの人間がそれを知ることで、未来に起こる出来事に何らかの影響があるかもしれないのである。最も時間の修復作用があることを考えるなら、未来は定まっていると言っても良いのだが、本当にどうなるかは誰にも分からない。何かを言った言わないで、コウは危ない橋を渡るつもりはなかった。それでも皆は興味深げに話を聞いた。

話が終わった後、皆は暫し無言だったが、バルが口を開いた。

「へぇ。サンラーとピヨとクマさんが事故に遭うっ て夢を見たからって・・・予知夢ってやつかい?でも、カボスが他人を気にするヤツだとは思わなかったな。」

カボスが未来から来た事は省いて、予知夢を見た事にして、話をしている。

「サンラーを守ろうとしたのは、評価できるな。盗みはダメだが。」

ウメが言った。ウメはカボスの妹のサンラーから聞いて、2人が未来から来た事は知っているのだが、その事については何も言わない。

クルクは腕組みをして言った。

「そうだよぅ?。ドロボウはウソつきの始まり。ダメな事はダメなんだから。」

バルファルが突っ込む。

「・・・クルク。嘘つきは泥棒の始まりだろ。逆だよ逆。」

「あれ、そうだっけ?」

「シャントット博士って強いんで すよね?勝てるのかなあ。」

ユファが、恐らく皆が考えている事を発言する。

「いや、6対1なら勝てるだろ。」

バルファルが当然のように言った。

その言葉にクルクとコウは首を横に振る。

バルファルは驚いたように言った。

「え?あのオバサンって、そんなに強かったっけ。」

クルクとコウが口々に言った。

「クルク、アルタナ様の力で過去に遡って、水晶大戦に参加したんだけど、確か1人で獣人一個師団を壊滅させてたような・・・。ってバル、女性をおばさん扱いしちゃダメだなぅ?。」

「シャントット博士は黒魔導師なのに、空鳴拳や連続魔を使った事があるそうだ。正に規格外の存在だね。魔法においても当代随一。連邦最強と言う が、ヴァナ・ディール最強と言い換えても差し支えないと思う。」

ちなみに空鳴拳はモンクの技、連続魔は赤魔道士の技である。

バルファルはぽかんと口を開けた。

「な、なんだよそれ?あのオバサンそんなに強かったのか?一個師団って・・・何人だよ!」

またも2人は口々に言う。

「だからおばさんって言っちゃダメだって。」

「獣人の編成は人間のそれとは異なるけど、1000人単位だろうね。」

「マジか・・・」

そう言ってバルファルは絶句した。

ユファが憂鬱そうに言った。

「ねえコウ。あたし達、本当にシャントット博士に勝てるのかなあ。」

「方法が無いでもない。」

コウの発言に皆が振り向いた。

「 ホントかよ、オッサン!」

「えぇ?。クルクも知りたいな。」

「どうやるのコウ?」

「ほう。」

と、口々に問いただした。

「カボス君が要になる。気がつくまで、ちょっと待っていようか。」

コウがそう言うと、皆は カボスが? と訝しんだが、暫くの間休憩時間となった。

カボスが目を覚ますのに、小一時間程の時間が経った。その間皆は、雑談したり、お茶やお菓子を摘んだりしていた。

その内に、う・う?んと言う声がして、カボスが目を覚ました。カボスの頭の下には枕が敷いてあり、クルクに殴られた顎には氷嚢が当ててある。

「な、何が・・・あ痛たたた・・・。」

カボスは起き上がろうとして、顎を押さえて呻いた。

「ちょっと。まだ寝てた方がいいよ。ほら氷で顎を押さえて。」

ユファが甲斐甲斐しく世話をする。

「ありがとうユファちゃん。・・・クルたんに殴られたのか。酷いよクルたん。」

カボスが恨みがましそうに言った。

クルクがカボスの前に 、仁王立ちになり、

「なんだって?ゲンコツ1つじゃ足りなかったのかなあ。」

と凄むと、カボスは、

「・・・スミマセン。」

と小さく謝った。

「カボス君、大丈夫かい?凄かったなあ。空中をぐるぐる回転したよ。」

コウが慰めとも感嘆ともつかない言葉を口にすると、カボスは、

「・・・大丈夫だよ!・・・です・・・」

と噛み付く様に言いかけて、クルクに睨まれて言い直した。

「で、オッサン。シャントット博士を倒すのにカボスが要になるってどういう事だよ。」

バルファルが話を元に戻す。

カボスもどういう事だ・・・と言う様に、コウを見た。

「それはね・・・」

コウは、シャントット博士と闘 う戦術を説明し始めた。




5人はコウの説明が終わった後、暫く無言だった。

「ふ?ん。」クルクは闘い方については、あまり興味がなさそうだ。

「それでイケるのか?でも正面切って闘っても勝てないのか・・・。」

バルファルは不審な表情を浮かべている。

「前衛を勤めればいい訳だな。やってみよう。」

ウメは無表情に、了承した。

「あたしは、作戦とか考えられないから、それで良いよ。」

ユファはこくりと頷いた。

「・・・」

カボスは無言だった。

コウはカボスを見て、

「カボス君は大丈夫かな。さっき言った呪符が作れるか作れないかで、話は全く変わってくるんだが。」

と尋ねた。

カボスは躊躇うように、視線を宙に彷徨わせ、

「やってみるよ。何枚くらいあったらいいんだい?」

と答えた。

「多ければ多いほど良いけど、最低でも300枚くらいは要るかな。」

コウの答えに、カボスはまた考え込み、

「分かった。時間がないから早速取り掛かりたいんだけど、材料とか大丈夫かな。」

と尋ねた。

「専用の用紙とインク、大量のクリスタルは準備した。他に要るものがあったら言ってくれ。」

「とりあえず、それだけあれば呪符は作れるよ。」

カボスの返事を聞いたコウは、ユファにカボスを作業場に案内するように言った。

ユファはカボスを連れて、地下室に向かった。

コウは冷めたお茶を飲み干し、
「さて、カボス君には頑張って貰うとして、クルクさん達は、自分の役割は把握されましたか?」
と言った。

「思いっきり、攻撃すればいいんだよね?。」とクルク。

「後、シャントット博士が大きい魔法を1発撃ったら、挑発だっけ。」

とバルファル。

「攻撃が当たると良いけどな。」

とウメ。

コウは3人の言葉に頷き、

「3人は前衛、ユファは回復、僕は支援と回復をします。カボス君は攻撃の最後の締めをしてもらいます。感覚的に、勝算は五分五分無い気がします。頑張りましょう。」

と言った。

「負けたら、魔法の実験体だもんねぇ。あれ?それはカボちゃんだけだっけ?」

クルクの言葉にバルファルはげんなりした様 子で言った。

「カボスだけにしてくれよ・・・カボスが原因なんだからさ。」

「どの道負けたら、サンラーが悲しむ。最善を尽くそう。」

とウメ。

それぞれ言葉は違ったが、逃げるものはいなさそうだった。

闘いの当日になるまで、皆はコウの家で過ごした。鍛錬、連携、フォーメーション。カボスはひたすら呪符の作成。3日という時間はあっと言う間に過ぎ、遂に闘いの日を迎えた。



かんきつは、あまいかすっぱいか5
コウ
もうちょっと。。

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シャントット博士との闘いの場所になる、バルガの舞台は、ヤグード族の宗教都市ギデアスの最奥に位置する、武舞台である。連邦とヤグード族は敵対関係にあるが、盟約によりある種の儀式を行う際は、利用できる事になっている。もともとその位置が、風水的にとても 意味のある場所の為、敵から一時的にでも借り受ける様な事を行っている。

そのバルガの舞台に6人は立っていた。少し離れた所に、シャントット博士が退屈そうに佇んでいる。そして、武舞台の脇には、立会人として、5院の各院長達がしつらえられた席に腰を降ろしていた。

トスカポリカ、アジドマルジド、コルモル、ルクスス、アプルル。

そうそうたるメンバーだ。ヤグード族が協定を破り、彼らを抹殺してしまえば、連邦は大ダメージを受けるだろうが、逆にヤグード族を返り討ちにしてしまうかもしれない。それほどの実力を持った魔導師達だった。

代表で、口の院のアジドマルジドが武舞台に上がる。そして口上を述べた。

「これより裁きの闘いを行うものとする。 被告は口の院元研修生カボス。彼を含むパーティが、原告シャントットを退けた場合、被告の罪は問わないものとする。判定は我ら五院の院長が行う。異議があるものは名乗り出よ。」

五院の院長達は何も言葉を発しなかった。

カボス達も黙ったままである。

シャントットだけが、

「早く始めなさいな。時間が勿体無いですわ。」

とあくび混じりに、言った。

アジドマルジドはそれを無視して、

「それでは闘いを開始せよ!」

と戦闘開始を告げて、武舞台を降りた。

クルク、バルファル、ウメの3人の前衛は身構えた。

カボス、コウ、ユファの後衛は後ろに下がる。

シャントットは彼らに向かって、ひらひらと手を振り、

「先に強化しておきなさいな。ハンデですわよ。ハンデ。」

と言った。

「そうですか。それでは遠慮なく。」

コウはそう言い、ユファに指示を出した。

「ユファ。物理防御と魔法防御。」

そして自身は、神獣の召喚を始める。

「・・・月の神獣たる、神なる獣、顕現して我らを守護せよ・・・」

神獣フェンリルが召喚され、ユファが唱えた物理防御と魔法防御の魔法が、青い光と緑の光を放ちパーティを包む中、フェンリルの守護の咆哮が響き渡る。

パーティの身体能力全般と命中・回避が上昇する。

ユファの魔法によって、物理防御と魔法防御が上昇する。

コウは続いて、風の神獣たるガルーダを召喚して、攻撃速度上昇の魔法をか ける。

最後に土の神獣のタイタンを召喚して、ダメージ軽減の魔法をかけた。

コウは杖をくるりと回して、石突きを武舞台につけた。

「お待たせいたしました。では、行きますよ?」

シャントットは手を口にあてて、高笑いをした。

「オ?ホッホッホ。フェンリルを召喚するとは小賢しい。多少は歯ごたえがありそうですわね。かかってらっしゃい!」

コウは前衛の3人に向けて叫んだ。

「クルクさん、バル、ウメさん、頼みます!」

「まかせて?。」

「おう!」

「了解だ。」

三者三様の返事と共に、シャントットに攻撃を仕掛けていく。

だが、その結果は驚くべきものだった。

シャントットは、クルクの拳をい なし、バルの両手剣はかわし、ウメの二刀流の剣は手に持った杖で受け止める。

攻撃が当たらないのである。

そのうちに、シャントットは反撃を開始した。

クルクの蹴りをかわしざま、ボディに拳を突き立てる。

バルの渾身の一撃を、バックステップでかわすと、火魔法を放つ。

ウメは、剣撃の合間に、杖の一撃を叩き込まれた。

3人は、それぞれ後方に吹き飛ばされた。

ユファが慌てて、回復魔法を順にかけていく。

バルファルは両手剣を杖にして、立ち上がった。身体からは火魔法を食らったせいで、ぶすぶすと煙を上げている。

バルファルは呆然として、

「信じらんねー。3対1だぜ?攻撃が当たりもしないなんて・・・。」

と呟いた。

「4対1だ。」

コウが光の神獣カーバンクルを召喚して、攻撃を開始した。

前衛の3人は、再びシャントットに対して、波状に攻撃を加えていく。

攻撃する頭数が増えたせいか、少なくともシャントットは反撃は出来なくなった。それどころか、何回かに一回は、攻撃が当たり始めていた。クルクの拳が顔を掠め、ウメの剣がシャントットの服を切り裂く。

「む。」

シャントットは顔をしかめた。

更に、ウメが攻撃回数増強の魔法を自らにかけ、剣撃の嵐の様な攻撃を仕掛けた。シャントットの杖が、真っ二つに切断される、だがその代償にウメは火魔法を食らって吹っ飛んだ。

その間に、クルクとバルファルの準備は整っていた。

「行 くよ!」

「おう」

掛け声と共に、ウェポンスキルと呼ばれる必殺技が発動する。

四神演舞と呼ばれる、白虎・玄武・青龍・朱雀を模した攻撃が決まっていく。

続いて、バルファルがレゾルーションと言う多段攻撃を叩き込んだ。最後の、から竹割りの際に三日月型の紋様が浮かび上がる。

光連携が決まった。シャントットの頭上に眩い光のエフェクトが浮かび上がる。

そこへ、カーバンクルを帰還させ、雷の神獣たるラムウを召喚していたコウの、雷撃の嵐の魔法が叩き込まれる。マジックバーストと呼ばれる、魔法攻撃力を倍加させる効果がかかり、シャントットの身体を雷が貫いた。

「やったか!?」

もうもうと上がる土煙の中、バルファルが状況 を見極めようとする。


おはようございます
コウ
クルクさん、おはようございます。

どうも、文字数が多すぎて投稿がはじかれるみたいなので、
23日になったら、続きを投稿させていただきます。

後、5がダブりましたので、1つ削除していただければ幸いです。

それでは~。

Re: おはようございます
クルク
コウさん、こんにちは~(・▽・)ノ

きゃ~!待ってました~ヽ(≧▽≦)ノ

罪狩り!!!
うちのコながら、スカリーに狙われそうなことくらいはやってそうだと納得してしまいましたww
うずらもトラブルメーカーだけど、かぼすはもはや犯罪者ですねwww
しかも、シャントット博士の怒りを買うだなんて、どうかしてます!
でも、目先のことに囚われて後先考えないで行動しちゃうって、かぼすらしいです(^_^;)
目的のためなら、手段は選ばないw

博士の家にあった本、「ふりしぼれ!」が妙にツボに入ってしまいましたwww
何をふりしぼるんだろう・・・。
それと、まだ結婚を諦めていないんでしょうかw
たまに混じっているジャンルの違う本って、その人を知ることが出来ますよねw
「ふりしぼれ!」 かぁ・・・www

かぼすは、小賢しい細工で逃げ回ったり、でも絶対に掴まらないって自分を過信してるとこがあったり。
出来ることと出来ないことの見極めは正確なのに、往生際が悪くて足掻いたり。
ジュノのウィンダス大使館の目と鼻の先で、飲み食いしながら書き写した魔導書を読みつつ見張るって、いい度胸してますよね!
でも、相手の動向を知るには、一番わかりやすい場所ですもんね。
まさか、こんな所にいるとは誰も思わないだろうしw
かぼすが謝るのって、悪いコトしたって反省してるからじゃなくて、「相手が怒ってるから」ですよね、絶対。
誰に似たんでしょう・・・( ̄_ ̄)

ユファちゃんを雇って、2週間以上も一緒にいただなんて!!
ユファちゃんはコウさんのこと「物好き」だなんて言ってるけど、ユファちゃんもそうですよね~(*´m`*)
騙されてたのに、かぼすを助けちゃうユファちゃんは、冒険者ですね~♪
一番は、騙された理由が知りたいからかもしれないけど、真面目なユファちゃんだから、かぼすが契約した雇い主だっていうのもあったのかな?

サイレドンの黒焼きに反応しちゃうスカリーw
ネコまっしぐらなところがカワイイです♪
さすが、かぼすw
ミスラの好物は心得ているってわけですねw

そして一家では、やっぱりバルが怒ってますね!
梅がティーカップを指で弾いて促すとこ、貴族っぽ~い!と感心してしまいました!
クルクとバルは、一家のお父さん役お母さん役が逆転してますよねw
まぁクルクがボスだから、そうなるんですけどw

でさー、でさー、やっぱりコウさんが登場すると、いいですねぇ~(*´▽`*)
かぼすみたいなクセモンでも上手く扱えちゃうトコが、酸いも甘いも知っていて、伊達に長年冒険者やってないって感じでカッコイイです☆
ユファちゃんの雰囲気も、かぼすが言ってるみたいに、コウさんいると変わります。
絶対的信頼と安心!
ふと思いました。
ユファちゃんとサンちゃん、どこか似ているような気がしますw
もしサンラーがユファちゃんと会ったら、「ユファおねえさん」とか言って慕いそう。

シャントット博士と勝負・・・( ̄□ ̄)
さらばクルク一家の巻。
コウさんには妙案があるようですが、相手はシャントット博士ですよ~!?
うわー、うわー、どうなるんだろうって、ドキドキです(≧△≦)

っていうか、この展開は梅にとってパラダイスじゃないですか!
全員タルタルですよ!
バルガの舞台にいる5院の院長達ももちろんタルタル!
ここで死ぬなら本望か?w

そしてこれまたイイところで、コメントシステムめ!
コメントの連続投稿が出来ないようになってるんですかね?
ワクワクしながら、続きをお待ちしていま~っす(≧▽≦)ノ




コウ
だが・・・
クルクとバルファルの身体を、火の魔法が包み込んだ。
「きゃっ」
「うわっ」
悲鳴が上がり、クルクとバルファルが崩れ落ちる。
煙の中から現れたのは・・・
クルク達の攻撃で、多少のダメージを喰らったものの、ぴんぴんしているシャントットの姿だった。とは言え、そのプライドは傷つけられた様で、クルク達に向かって叫んだ。
「このわたくしに傷をつけるとは、なんて真似を!・・・ぶっ壊す!」
そして、ウメに切断された杖の半分を投げ捨て、呪文の詠唱を始めた。
「ヤバい。」
コウはラムウを帰還させ、新たな召喚獣の召喚を始める。
シャントットの 呪文の詠唱が終わりに近づく、前衛の3人は、ユファが回復魔法を唱え続けているが、まだ動けない。
「・・・右の龍からは炎、左の龍からは風。双頭龍の力の息吹!合体魔法ファイエアロガ!」
同時に、コウの召喚も、終了した、
「・・・全てを守護する大いなる盾、顕現せよ!機神アレキサンダー!」
クルク達の周りに炎の嵐が吹き荒れる。
しばらくの間、バルガの舞台はごうごうと炎に包まれていた。
シャントットはふわりと空に浮かび上がった。
「・・・ちょっとやり過ぎてしまいましたわね。。これでは全員ケシズミに・・・」
シャントットがぽつりと呟く。
だが炎が収まってくると・・・
その中からは、白い結界に護られた 、クルク達の姿があった。
「!?」
シャントットは驚いた。今、自分が使った魔法は、100人単位の人間を生き絶えさせる力があった筈である。それが、ほぼ無傷とは・・・
「・・・絶対防御ですわね。」
機神アレキサンダーが発現する能力で、加えられたダメージをほぼ無効化する。
「しゃらくさい。」
シャントットは次の攻撃をどうするかを思案する。そこへクルク達から声をかけられた。
「博士?。攻撃がショボいよ?。」
「まあ、モテない女は、魔法もイケてないってか。」
「本当の事を言ってやるな。可哀想じゃないか。」
クルク、バルファル、ウメのコントの様な口撃に、しばし呆然としたシャントットだったが、こめかみに青筋が浮き上がった。
「・・・死にたいようですわね・・・では、最大最強の魔法を食らわして差し上げますわよ!!」
と再度呪文の詠唱を始めた。
後方のコウは、カボスから魔力回復薬を数本貰い、ガブ飲みしていた。
薬を飲み終わって口を拭い、カボスに話しかける。
「カボス君。大体予定通りだ。次の博士の攻撃が終わったら、いよいよ出番だよ。」
カボスは白い顔で、頷いて言った。
「良いけど、博士は最大最強の魔法って言ったよね。この結界耐えられるの?」
コウは肩を竦めて、
「分からない。理論的には耐えられる。何せ神の力の顕現だからね。だけど、ヴァナ・ディール最強の魔導師のこれまた最強の魔法なんて受けた事が ないから、なんとも・・・」
と言った。
「分からないって、耐えられなかったらどうなるのさ!?」
カボスは叫ぶように言ったが、コウは冷静に答えた。
「結界が耐えられなければ、全員息絶える。お、そろそろ詠唱がおわるぞ。」
その言葉の通り、シャントットの魔法の詠唱は終わりつつあった。
「・・・全ての物質に破壊を。全ての生物に死を。吹き荒れよ魔力の嵐!」
そしてシャントットは、魔法を発動させた。

かんきつは、あまいかすっぱいか7
コウ
掲載される単語によって、弾かれるようです・・・

-----------------------------------------------------------

「デス」




黒球が白い結界を包み込んだ。

暫く、黒と白が拮抗していたが、やがてガラスの砕けるような音と共に、結界が砕け散った。

だが、闇魔法デスもその効果を失い、消え失せた。
「ちっ。」
シャントットは舌打ちをした。空に浮かんでいた身体が緩やかに落下する。全魔力を使い切ったのだ。

間髪入れずに、コウが叫んだ。

「クルクさん達!頼みます!」

ユファの回復魔法である程度回復していた、前衛の3人は、攻撃を再開する。だがその動きは鈍く、シャントットは全て攻撃を躱していた。

このままだと自然に、シャントットの魔力は回復してしまうだろう。

コウは振り向いて、

「カボス君。出番だ。」

カボスは頷き、背負っていた鞄を下ろして、開けた。中には呪符がぎっしり詰まっている。

コウは、最後の魔力を使って、風の神獣ガルーダを召喚した。吹き荒れる風と共に、半透明で緑色の有翼の神獣が姿を現し た。

カボスはコウを見つめて、

「呪符・・・効くかな?」

と言った。

コウは頷いて、

「自分の力と技を信じるんだ。いくよ。」

と言い、ガルーダに合図を出した。

ガルーダの翼が羽ばたき、突風が巻き起こった。その風に煽られて、呪符が次々と舞い上がる。

制御された風に乗った数多くの呪符は、とぐろを巻いてシャントットの方へ向かう。それは白い龍の様だった。




格闘だけで、クルク達を退けたシャントットは、一息ついた。見るとクルク達3人は武舞台の床に倒れ伏している。回復役のユファも魔力切れの様でうずくまっている。

「今度こそ、全員ぶっ壊して差し上げますわよ。」

そこへ突風が吹いた。思わ ず上空を見ると、白い紙片が次々とシャントットの方へ押し寄せてくる。

数枚がべたりべたりとシャントットに張り付いた。

「なんですの!?これは!?」

剥がそうとするが中々剥がれない。ようやく破りとると、魔力吸収の呪符のようだった。その間もシャントットの身体中に呪符が張り付いてくる。

「小賢しい!」

シャントットは相手の策が読めた。数百枚の魔力吸収の呪符を貼り付ける事によって、魔力切れを起こさせ、気絶させる腹積りなのだ。

シャントットの前方。コウの後方で、カボスが呟いた。

「吸着式魔力吸収呪符陣・・・っていう感じかな。」

シャントットの右手から炎が巻き起こった。数十枚の呪符が灰になるが、シャントットは それ以上魔法を発動させる事ができなかった。

闇魔法デスによって、消費した魔力は未だ回復していなかったのだ。そうでなければ、範囲攻撃魔法で呪符の全てを焼き払えだだろう。

おまけにこの呪符は、磁石のように魔力を発する対象に張り付き、対象の魔力を外に発散させ続けるので、さしものシャントットもたまったものではなかった。

やがて、呪符が全て張り付き、白いダルマの様になったシャントットは、魔力が0になって、気絶して武舞台の上でばたりと倒れた。

最後に武舞台で立っていたのは、カボスとコウだけだった。

やがてアジドマルジド院長が、武舞台に上がり、勝敗を宣言した。




「勝者。カボスチーム。よって被告カボスの罪はなかっ たものとする。」




初夏を思わせる日差しが、皆を照りつけていた。







【エピローグ】

吟遊詩人達が奏でる音楽と共に、何組もの男女のカップルが緩やかなダンスを踊っていた。

ここはジュノ大公国の中の空中庭園、ル・ルデの庭。

オーロラ宮殿の前の広場を借り切って、感謝祭が行われていた。冒険者互助会主催のものである。

料理や酒もふんだんに並べられ、それをも目当てに、人が多数集まっている。

毎年恒例のこの祭りには、多くの冒険者が集まる。

クルク一家や、コウやユファも感謝祭に参加していた。

バルファルはクルクと踊りながら、話しかけていた。バルファルは緊張した面持ちでクルクを踊りに 誘ったものだ。

「ホント、大変な騒動だったな。」

バルファルの腕の中で、クルクがくるりと回る。

「まあ、一件落着したから良いんじゃない?。」

とクルクが答えた。




そう。事件は一応収束を見たのだ。

闘いの後、呪符を剥がされ、意識を取り戻したシャントット博士は、ぶすりと言った。

「一杯食わされましたわ。3人の前衛の挑発もアレキサンダーの絶対防御も、デスを使わせる前振りだったとは・・・ヘッポコ君が考えましたの?」

コウは頭を掻いて、言った。

「恐縮です。ですが、カボス君の呪符が無ければ、この作戦は成り立たなかったでしょう。」

続けて、

「カボス君は、有望な若手です。行いに誤り はありましたが、お許し願いませんか?」

シャントットはその言葉に、ふんと鼻を鳴らして、

「・・・確かに約束は約束。わたくしが負けた以上、罪は許します。」

と言い、カボスを横目で睨んだ。

思わず、固まるカボスを見て、

「子鼠。修行する気はありまして?」

カボスは訳も分からずに頷いた。

「よろしい。多少の根性と才能はある様です。では直弟子になる事を許します。精進しなさい。あなたの問題は、一緒に考えましょう。」

とシャントットは言い、服のホコリをぱんぱんとはたいた。

「あらあら。いいオンナが台無しですわね。」

と言って、転移魔法を使って、自宅に帰って行った。激戦を行った直後にも関わらず、平 然とした様子だった。

呆然とするカボスの肩を、アジドマルジド院長がぽんぽんと叩き、

「死なない様に気を付けろよ。凄くシゴかれるぞ。」

と言った。

このやり取りを聞いて、5院の院長達に治療を受けていた、他のメンバーにも、この事件は終わったという空気が流れた。




クルク達の横では、ウメとサンラーが、踊っていた。クルクも照れくさそうだったが、サンラーはガチガチだった。何回もステップを踏み間違えて、ウメの足を踏む。

それを壁際で見ていたカボスは肩を竦めた。

(やれやれ。サンラーのヤツ、ダンスの練習くらいしとけよな。)

事件が終わったあと、サンラーには散々なじられたものだ。指名手配までされては当然とも いえるが。

そうは考えても、カボスのサンラーを見る目は暖かかった。なにしろ、事故を回避するきっかけが掴めたのだ。

なんだかんだ言っても、ヴァナ・ディール最高の魔導師の一人、シャントット博士の下でなら、何らかの解決法が見出せれるだろう。

(だけど、急がなくっちゃな。)

いつ何時、家族や友人達に死に至る事故が降りかかるかも知れないのである。この祭りが終わったら、早速研究に取り掛かるつもりだった。

目を移すと、コウとユファが踊っている。ユファの警戒心のない笑顔がコウに向けられているのを見ると、つまらなくなって、

(ちぇ)

と内心悪態をついた。

そして、手に持ったグラスから、カクテルを一口飲む。コウにブラン デーを飲まされたあの夜から、少しは飲める様になった様だ。




「おい。」




不意に横合いから声をかけられた。見るとドレスアップしたミスラが立っている。そのミスラは・・・

「罪狩り!」

カボスは小さく叫んだ。そう言えばコイツの存在を忘れていた。またしてもボクを捕縛しようとするのか。

罪狩りのミスラは一呼吸おいて、

「カボス。シャントット博士の計らいで、とりあえずミスラ本国からの指令は、保留となった。でも忘れるなよ?今度同胞に手を出したら、タダではおかない。」

スカリーMのその言葉に、カボスはくすりと笑った。正にシャントット博士の仕事は完璧だ。罪狩りのミスラの件まで、手を回して貰えるとは。
カボスの笑いを勘違いしたのか、スカリーMはやや顔を赤くして、

「この間は遅れを取ったが、今度機会があれば目にもの見せてくれる!」

カボスは訝しがった。コイツは何を言ってるんだ?

「ああ・・・」

カボスは得心した。このミスラはウルガラン山脈で、サイレドンの黒焼きに飛びついた事を恥ずかしがっているのだ。

むっつりと口をつぐむスカリーMを見てカボスは、

「可愛いとこあるじゃない。どう?一曲踊らない?」

と誘った。

スカリーMは唖然としてカボスを見て、

「・・・お前、全然懲りてないな。」

と言った。







カボスはスカリーMに手を差し出して、ウィンクした。

にっこりと 笑って。







おしまい。


Re: かんきつは、あまいかすっぱいか
クルク
コウさん、こんばんわ(・▽・)ノ

続き、ありがとうございますっ!!

シャントット博士、恐るべし( ̄□ ̄;)
死なないでよかったね、クルク一家w
博士に向かって、作戦とは言えあんなことを言うなんて・・・!
覚悟を決めなきゃ言えないですよね(^_^;)
特にクルク、過去のソロムグが焦土と化すのを見てますからww

ユファちゃんは、1人で3人の回復大変だったでしょうね(>_<)
コウさんはともかく、5人にとってはこの先の励みになる戦いですよね、きっと。
「あの時、生き残れたんだから!」 ってwww
それにしても、詠唱がカッコイイです♪
あの作戦も、すごいなぁ~!
よく思いつきますよね~!
1つでも予想が外れたら、全員お陀仏でしたよね。
自信過剰で弱味を見せたくないかぼすが、いざここぞという時に 「呪符・・・効くかな?」 って、ちょっとグッときちゃいましたよ!ww
かぼすの中では、もう 「コウさん=頼れる人」 ってことですね☆
コウさんの昔話も、気になります。
若かりし頃(笑)、どんなやんちゃをしていたのでしょう・・・。

で、かぼす、シャントット博士の直弟子になっちゃった!(* ̄□ ̄*)スゴイ!
むふむふ・・・脳内妄想の扉のカギが、今ガチャッと音を立てて開きましたよww

颯爽と去って行くシャントット博士、カッコよすぎです。
オソロシイ・・・。

罪狩りの件は保留になってよかったです。
が、専属バイトのミスラがおりますので、扱いには気をつけないとですねw
でも、懲りないかぼすのことだから・・・(・▽<)☆

あ、コメントが弾かれるワードって、「bukkorosu」 でしょうか?
コメントではNGワードに指定されているようなのですが、記事では使えますので、差し替えることが出来ます。
コメントでいただいた分を記事として掲載させていただきたいと思っていますので、「ぶっ壊す」 と差し替えた方がいいですかね?
あと、半角の「?」に変換されているのって、「~」でしょうか?
勝手にそう思って読んでいましたが。

・・・あぁ、楽しかった・・・。
自分では戦いの描写が上手く書けないから、コウさんの小説は流れとかスピードがあって、ホント面白いです。
ユファちゃん、可愛いなぁ~・・・。
もう一度、最初から続けて読み返してきます♪
最初って、第一作目から☆
いつも面白くて素敵なお話を書いてくださって、ありがとうございます!
まだまだ、期待しちゃいますよ~w


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やぴ~、クルクでっす(・▽・)ノ

昨日ウォーの門行ったけど、掘り掘りポイントが見つからなかったでしょ。
掘り掘りしてる人のブログ見たんだけど、たくさんポイントあるのね?
クルクが通った通路にも、何ヶ所かあるみたいだけど・・・。
てことは、やっぱり出現したり消えたりしてるのかなぁ?
昨日は運が悪かったってこと?
ってことで、も一度だけ行ってみることにしたよ(・▽・)ノ

掘り掘りはスキルがいらないから、運次第だよね!
でも、クルクは運がないからなぅ~(´・ω・`)
つーことで、フェイスはトリオン、クリルラ、ラーアル、ピエージェのロイヤルセットにしてみたよ☆
彼らは運がいいかと考えたら・・・悪そうだw

クルクさ、アプルルちゃんのユニティに入ってたんだけど、ピエージェのユニティに変えちゃったんだ。
ピエージェ、白なんだもんw
どの程度役に立ってくれるか、まだわかんないけど、今日は絡まれないようにジグして探します。
そしたらさ、けっこう見つけたよ(・▽・)ノ

Klu3148.jpg

ツルハシは、ちょうど2D持ってました。
何が掘れるかな~♪
アッチ行ったりコッチ行ったり、ポイント見つけたら掘り堀り★
ちょうど2D使い切った時、クルクが何か光ったの。
ん?
・・・ディア?
ヴェルクに攻撃されてました(>д<)
すぐに反撃開始だいヽ(`▽´)ノ
が、しかし、HPがちっとも減ってかないの。
調べたら、とて強。
とて強くらいだったら、フェイスがいれば倒せるのになぅ。
なのに、みんなしてミスの連続。
しかも、もう1匹がリンクしちゃった。
ん~、これは全滅の予感★
って~ことで、クルクは帰らせてもらいます(・▽・)

Klu3149.jpg

戦ってるロイヤルな方達を残して、クルクはデジョンでグッバイですw

モグハに戻って、採掘で出て来たものを見てみたら・・・
 石つぶて×9コ
 スズ石×9コ
 鉄鉱×1コ
 黒鉄鉱×5コ
 砂鉄×8コ
 ダリウム鉱×1コ
 賢者の石×2コ
かんじんのビスマス鉱は出ませんでした~(´・ω・`)
1コでも出たらよかったのにな~ぅ。
まぁいいや、ちょっと悔しかったけど、気が済んだよ~。
またツルハシ拾ったら、行ってみようっとw





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【2016/05/20 23:59】 | アドゥリン紀行
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やっぴっぴ、クルクです(・▽・)ノ

今日はね、ウォーの門に採掘に行きました。
んとね、ライたんがビスマス鉱が欲しいんだって。
ウォーの門で採れることがあるらしいの。
ツルハシが2Dあったし、そういうお手伝いって楽しいのだヽ(*^▽^*)ノ

どの辺かな? って調べてみたら、掘り掘りポイントって少ないのね~。
ウォーの門には、カミール山麓のFステーションから行きました。

今日はバルも一緒だよ~( ` ・∀・)人(・▽・* )
クルクが掘り掘りしてる時、ボディーガードしてもらうのだ★

Klu3147.jpg

もちろん、フェイスのみんなも呼んでおいたよw
今日はタルタル軍団でっす♪

ところがね、張り切ってやってきたのに、肝心のポイントがないんだよね~。
参考にしてた地図の場所に、全然ないの。
でね、ウロウロしてたら、地図にない場所にポイント発見!
さっそく掘り掘りしたんだけど、石つぶてしか出て来ないよ(^_^;)
むーん( ̄_ ̄)
ポイントが消えちゃったから、また他を探しに行ったの。
青白いボムだけ絡んできてコワイけど、他はノンアクです。

そんでさ、さっき見た時には光ってなかったポイントが光ってたんだけどね、SS撮ろうとしてたら消えちゃったの(´・ω・`)
なんで?
時間でポイントが変わったりする仕様?
それからまたウロウロ探し回ってみたんだけど、見つからないから帰って来ちゃった。
何往復かしたんだけどね。
ちぇ~(´・ω・`)

ライたんに言って行かなくてよかった。
結局、石つぶて4つしか掘れなかったもん。
掘りまくったけど、お目当てが掘り出せなかったって言うなら 「次の時こそは!」 って思うけど、ポイントが見つからないんじゃ~ね~。
また行ってみようって気にはならなかったよw
探してるだけで時間過ぎちゃうんだもん。

明日は何しよっかなぁ~。
あ、ミッションの続き?
それは、また今度(^_^;)






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【2016/05/19 23:59】 | アドゥリン紀行
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あら!
らいか
こばにゃん!
早速、掘り掘り試してくれてありあとー( ・∇・)
なんだか、時間だけが過ぎて残念な結果だったみたいだね。ありがとうね!

青白いボムが絡んで大変になる日記を想像してはらはらしながら読み進めたけど、そういうオマケストーリーはなかったのねw

サチコメにしばらく出して出品してもらうことにしたよー!
気にしてくれててありがとうね!


Re: あら!
クルク
ライたん、やっぴ~ん(・▽・)ノ

ガッポリとは思わなかったけど、2~3個げっちょ出来たらいいなーって思って行ったのよ。
なのに、ポイントが見つからないことには、掘るに掘れなくて(^_^;)

青白いボムはね、1度絡まれて自爆に巻き込まれてアムチュチュが消えちゃったの。
で、なるべく近づかないようにしてたから、ハラハラ展開にはなりませんでした~w

ん~む、リベンジしたくなってきたじょw

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やぴ~、クルクです(・▽・)ノ

モグボナンザ、もう買った?
6月16日の17時までだっけ?
まだまだ日にちあるし~って買い忘れちゃう前に、クルクは買いに行くことにしました。
一家総出だよ★
前回はケチって3個だけだったから、今回は10個にしてみました。
ホントは5個にしようと思ってたんだけど、数えるのメンドーだったから、上限で(^_^;)

でね、何がもらえるのかな~って見てみました。
チケットいっぱいね!
交換できるのは~・・・。
見たけど、クルクには何だかよくわかりませんでしたw
まぁいいや。

買う時に自分で数字選んでる人、どのくらいいるのかな?
クルクはモグ任せです。
前は番号の選び直しとかしたけど、今回はそれをしないことって決めました。
変な数字ばっかりの気がする~( ̄ω ̄)
でもまぁ、それもいいやw

今日はボナンザ買うだけで終わっちゃった。


-×-☆-×-☆-×-☆-×-☆-×-☆-×-

i_san.gif
クルクさんから、「ボナンザ買いな~」 って、梅先生とわたし宛てに、それぞれお金が送られてきました。
お礼の連絡をしたら、「これは皆の運試しだから、一人で買いに行くのがいいよ」 と言われました。
ですので、わたし一人でボナンザを売っているモグさんの所へ行って来ました。

Klu3146.jpg

買ったボナンザは、どこにしまっておこうかしら・・・。
当選発表は、7月15日の17時頃です。
楽しみですね♪




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【2016/05/18 23:59】 | イベント
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只今インビジ中
いいね

えへへ
らいか
くふふ♪って夢を膨らませているサンちゃんが、かわいすぎて萌え萌えでし。
ニタニタがとまらんーーー!!(≧▽≦)!

Re: えへへ
クルク
ライたん、やぷ~(・▽・)ノ

ライたんはサンちゃん萌えだぬぅw
もし一等が当たっても、きっとサンちゃんは自分のためには使わないんだろうなぁ~( *´ ▽ ` *)
クルクとは大違いッ!


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やっう~、クルクです(・▽・)ノ

Klu3144.jpg

ねぇねぇ、カニのことを 「為」 って言うでしょ?
クルクずっとなんでかな?って不思議だったのです。
別に気にはしてなかったんだけどw
でもね、イベント始めたら、画面上の説明枠(とクルクは呼んでるトコw) に為が走ってくのね。
ポイントの単位も 「為」 ってなってたし、これは公式なのか!ってことで、調べたの。

 現実世界のミナミコメツキガニと似た形状をしているヴァナのカニの姿形と、
 「為」という字の構成が非常に良く似通っているが為に、
 誰からともなく広まった用法。


そういうことだったのですねw
ミナミコメツキガニってのも調べたら、青いあのカニだったー!(・▽・)
でも、すごいちっさかったよ。

よし、これでクルクも 「為」 って使える♪
あとさ、コリブリが 「いやらしい」 って言われてる理由も、『FF11用語辞典』 で調べてちゃんとわかりましたw
いやらしいのはコリブリじゃなかったのね(^_^;)

それはいいとして・・・。
あのさ、アイテムくれるのはいいけど、初めにイベントのゲームの景品として出したアイテムはさぁ、以降もゲームの景品として出したらいいのにって思うんだよね。
景品になってたら、前にもらえなかったから今回のイベントで頑張ってもらおうって、参加する人も増えると思うんだけど。
今回のイベント、赤カニはいらないって人はやらないでしょ?
こんな風に配るなら、そしたら今回の赤カニだって、半年後くらいに配ったりするんだろうなって思っちゃうのよ。
なら、今時間をかけてミニゲームすることないよね。
何でも気前よく出しゃいいってもんじゃなかろうに。
ご意見番はいないのか。
・・・とか、プツプツ文句を言いながら、持ってないアイテムがあるキャラを、モグのトコロへと走らせるクルクなのでしたw

あ、そうそう、ここからが本題w
クルクの秘密を教えてもらったよ(・▽・)
っつーか、クルクの秘密を他人に教えてもらうって、どういうことだw
まぁいいや。

チャット回数 : 3131 (+559)
NPCに話しかけた回数 : 25562 (9054)
パーティー参加回数 : 20 (+2)
アライアンス参加回数 : 1 (+1)
戦闘回数 : 15651 (+4635)
戦闘不能回数 : 83 (+13)
敵を倒した回数 : 6885 (+1778)
GMコール : 0 (+0)

カッコの数字は去年と比べて増えた回数、つまり去年から1年間の数字です。
戦闘不能が13って、結構少ないよね!
アライアンスはイベントの時だぬん。

他の皆も聞いてみたから、のっけておこ~っと♪

【バル】
チャット回数 : 302
NPCに話しかけた回数 : 6489
パーティー参加回数 : 1
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 2170
戦闘不能回数 : 11
敵を倒した回数 : 488
GMコール : 0

【梅】
チャット回数 : 252
NPCに話しかけた回数 : 5346
パーティー参加回数 : 2
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 2349
戦闘不能回数 : 14
敵を倒した回数 : 422
GMコール : 0

【うずら】
チャット回数 : 239
NPCに話しかけた回数 : 1578
パーティー参加回数 : 2
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 194
戦闘不能回数 : 4
敵を倒した回数 : 31
GMコール : 1

【ぴよ】
チャット回数 : 194
NPCに話しかけた回数 : 1900
パーティー参加回数 : 0
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 1049
戦闘不能回数 : 8
敵を倒した回数 : 416
GMコール : 0

【黒糖さん】
チャット回数 : 54
NPCに話しかけた回数 : 1008
パーティー参加回数 : 0
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 111
戦闘不能回数 : 1
敵を倒した回数 : 43
GMコール : 0

【サンちゃん】
チャット回数 : 68
NPCに話しかけた回数 : 1078
パーティー参加回数 : 1
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 163
戦闘不能回数 : 4
敵を倒した回数 : 31
GMコール : 0

【かぼす】
チャット回数 : 87
NPCに話しかけた回数 : 2951
パーティー参加回数 : 0
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 157
戦闘不能回数 : 3
敵を倒した回数 : 55
GMコール : 0

【クマ】
チャット回数 : 52
NPCに話しかけた回数 : 552
パーティー参加回数 : 1
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 96
戦闘不能回数 : 2
敵を倒した回数 : 34
GMコール : 0

【チリちゃん】
チャット回数 : 16
NPCに話しかけた回数 : 586
パーティー参加回数 : 0
アライアンス参加回数 : 0
戦闘回数 : 98
戦闘不能回数 : 1
敵を倒した回数 : 18
GMコール : 0


戦闘回数、バルより梅の方が多いんだね!
で、戦闘回数に比して敵を倒した回数が多いのはぴよ。
これは、フェイスが実装される前に戦ってたからね。
フェイスが倒した分は、カウントされてないもんね、これ。
でさぁ、皆1回以上戦闘不能になってるけど、黒糖さんとクマちゃんとチリちゃんも?
この3人はつい最近、マウントさせるためにレベル上げしただけだったけど、戦闘不能になったっけ?
PTは、これはヴァレンティオンのイベントでエプロンもらった時だね~。

それから、5月13日のブログ 「カニに乗ったよ♪」 で、マウントのカニの大きさがサルタのカニよりちっさいって、サンちゃんのSS載せたでしょ。
「乗ってるのがタルタルだからかと思ったけど、そうでもないっぽい。」 って書いたけど、やっぱりタルタルだからちっさかったみたい。

Klu3145.jpg

梅が乗ってるカニ、サルタのカニよりおっきかったw
でも赤カニは、もっとおっきいカニがよかったの! (←まだ言ってるw)






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【2016/05/17 23:59】 | イベント
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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

今日はヴァナ14周年の日だったのですね★
おめでとーヴァナディールヽ(*^▽^*)ノ

そういやクルクも、5月1日がヴァナ誕でしたね。
もう3年も経ったんだね~。
でも、インしてなかった期間が長期にあるから、実質2年てとこでしょうか。
それにしては、まだココ?って感じ?
クルクとしては、いっぱい色んなことやってきたなぁって気はしてるんだけど。
やってないことは、それ以上だよね~★

それじゃ、大っきい赤カニをげっちょしようじゃないですか(・▽・)ノ

こういったイベントでのクルクの記事は、たいていげっちょしたよ~っていうSSだけで、げっちょの仕方は自分で調べてっていう不親切なことが多いですw
でも今回は14周年記念だから、ちょっとだけ親切にしてみました(・▽・)

オファーのモグは、イベントの時によく現れる場所に居ます。
南サンドリア(I-8)
バストゥーク商業区(F-8)
ウィンダス水の区(北側)(F-9)

クルクはウィンでやることにしました。
音楽の森レストランの前だよ。

Klu3140.jpg

話しかけると、イベントの説明してくれて、白いナントカっていう服をくれますw
宝箱の中身は、好きな物を何でも持って行っていいみたいだよ。
でもクルクは全部持ってるからいらないです。
ヴァナ時計が入っていたのは、ちょっとガッカリです。
だってさ、去年一生懸命イベントやって二つももらったのに、宝箱からポイってもらえちゃうのはちょっとね~。
このモグが、イベント会場まで飛ばしてくれます。
自分で行くからいいって人は、こちらです。
西ロンフォール(I-6)
グスタベルグ(J-7)
西サルタバルタ(J-8)

飛ばしてもらった場所にもモグがいるから、イベントの概要を聞きましょう。
クルク、聞いてもよくわからなかったよ(・▽・)

Klu3141.jpg

モグに秘術をかけてもらったら、すぐ目の前でカニたちがカサコソ歩き回っているから、近くにいくのね。
そうすると、こっちに興味を持ったカニの回りが青い輪っかで光ります。
そのカニをタゲること!

Klu3142.jpg

左上にクルクとカニのゲージが出てるでしょ?
カニのバーをクルクのバーと同じ長さにすると、カニが捕まえられるの。
同じにするには、エモでバーを上げたり下げたりするのです。
マクロに組んでおくといいかもね☆

手を振る(/wave)……上昇
応援する(/cheer)……上昇(強)
指差す(/point)………下降
つっつく(/poke)……下降(強)

マウントの赤いカニは、500為ためると交換してもらえます。
とにかく、頑張ること!
頑張ればもらえますw
クルクだってもらえました。
で、試し乗り~ヽ(*´▽`*)ノ

と・こ・ろ・が!!
クルク、赤いカニって大きいってずっと思ってたの。
何でそう思ったんだろう?
でも、そんなに大きくないのね。
青いカニとどのくらい違うんだろうって、乗り比べてみたのです。

Klu3143.jpg

全く同じじゃん!!!
ただの色違いじゃん!!!
えぇ~~~、クルク、大きいんだとばっかり思ってたよ~(´・ω・`)
同じなら、青いカニの方がいいし・・・。
そしたら、他のみんなはいっかなぁ~。
なぁんだよ~ぅ、ちぇ~だな~ぅ(´・ 3 ・`)
でも、イベントのミニゲームはだんだん面白くなってくるから、ヒマがあったらやってみよっかな。

大きくなかったのかぁ・・・。
大きければよかったのに・・・。
・・・む~ん・・・。

あ、そうそう。
ぱぱにゃ~にゃ~のトコの、おだんごちゃんに会いました(*´▽`*)
ボーイスカウトの皆さんでイベントやってたようです☆

あとそれから、マウントだと歩けないって前に記事に書いたけど、歩けましたw
カニがのそのそ歩くと、上に乗ってるクルクが揺れますw
赤いカニ、大きくないのかぁ・・・。
3日くらい引きずりそうwww






いつも遊びに来てくれてありがちょん(・▽・)
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関連記事

【2016/05/16 23:59】 | ♪マウント
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赤為おめめ
ぱぱねこ
くるちゃん やっぴー

おくれましたけど、赤為げっと、おめでとうなのだw

赤為は、大きいと思ってたのねw
大きくなくて、ざんねん;

フジツボのカニとかは、大きいタイプいたけど、
あれは、痛そうで、乗れないよね;


Re: 赤為おめめ
クルク
ぱぱにゃ~にゃ~、やっぴっぴ~(・▽・)ノ

ありがとうなのです( *´ ▽ ` *)
赤為のイベント告知の記事で、ミスラにゃんが赤為に乗ってるでしょ?
その隣に青為がいて、そいつがちっさかったから赤為がおっきく見えてたの(´・ω・`)
ワクワクしてた分だけ、おっきくなかったとわかった時のショックが・・・w

フジツボのカニ、タルタルだったらフジツボの中に入れるかな?(・▽・)

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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

今日はアドゥリンのサバイバルスキルを習得してきたよ☆
アドゥリンに行けるのは、今はクルクとバルと梅の3人なのね。
ボートには3人とも乗れてて、クルクは「氷壁破壊の極意」 も身に付けてあります。
これはカミール山麓のFステーションにいるTraiffeauxって人に、【野兎の毛皮】 を3つと 【ラズの牙】 を1つトレードするだけで、耳当てがもらえてクリアなのでした。
今回は、大木粉砕と大岩破壊とツタ登りのスキルです☆
記事は、アドゥリン担当のバルにお願いしましょう~(・▽・)ノ


i_bal.gif
よぉ、バルファルだ(`・∀・)ノ
てことで、スキル習得して来た時のことな。
今頃かよって思った人は、そんなこともやったけ~って、思い出してみるのもいいかもな。
思い出したからって、特に何もないと思うけどw
これからの人は、まぁ参考程度になったらいいな。
ならなくても、オレのせいじゃない。

【ログスキル : 大木粉砕の心得】
倒れてる木が邪魔で、先に進めない時にあると便利なスキルだよ。
ケイザック古戦場のFステーションは、アドゥリンの街から出てすぐのところにある。
そこにいる Elmeic って人に話しかけると、コロナイズ・レイヴに参加してこいって言われるんだ。
参加するだけで、すぐに止めちゃっていいみたいだよ。
まぁ、スキルがないんだから、それしか出来ないもんな。
報告に戻れば、それでクリアだ。
すでに参加経験がある人は、初めに話しかけるだけでクリアになるよ。


【デモリシスキル : 大岩破壊の極意】
モリマー台地のFステーションにいる、Apolliane って人からオファーを受けるよ。
行く前には、【つるはし】 を用意しておこう。
モリマー台地への行き方は、ケイザック古戦場Fステーションから上に進むと、ヤッセの狩り場の(J-11)に出る。
そこから (H-5) を目指して進む。
途中に倒れた木で通れない道があっても、ログスキルがあれば攻撃して排除することが出来るよ。
(H-5) の先は、モーの門だ。
上へ上へと進んで、(G-5)まで行くんだけど、途中に見破りがいるから注意な。
ま、フェイスさえいればどうってことないぞ。
モリマー台地は、その先だ。
そしてエリチェンしたオレは、地図を開いて叫んじまった。

Klu3134.jpg

ない物は仕方ないって戻ったんだけど、今度は地図屋を探し回っちまった( ̄_ ̄)
で、やっと見つけた地図屋に 「モリマーの地図くれ」 って言ったら、オレに売れる地図はもうないって・・・は?
だいじを調べたら、持ってるじゃねーか!ヽ(`д´)ノ
そう言えば、エリチェンしてすぐだと地図が反応しないことがあったっけ・・・。
無駄足踏んじまった。
気を取り直して、モリマー台地に戻って来たよ。
Fステーションでクエを受けたら、次は Mining Point で採掘だ。
細い通路から広い場所に出たら、すぐ目の前の岩にポイントがあったよ。
持って行ったつるはしで、1回目に 【結晶質石灰岩】 が出たよ。
これを渡せばスキル習得なんだけど、自分で掘ったヤツじゃなくちゃダメみたいだ。
だから競売で買って行っても、これは無駄だよ。
ちなみに、クルクも梅さんも、採掘の1回目でゲット出来たよ。
ただ、その後につるはしが壊れたこともあったから、万が一のことを考えて、2~3本は持って行った方がいいかもな。


【クライムスキル : ツタ登りの極意】
マリアミ渓谷への行き方は、もう忘れちまったなw
えーっと、ケイザック古戦場 → シィの門 → エヌティエル水林 (ボート) → ドーの門 → マリアミ渓谷だな。
途中でボートスキルが必要になるけど、オレらは一番初めに習得してあるんだ。
わからない人は自分で調べてくれw
うちも、もしもアドゥリンに行くメンバーがいたら、もう一度調べ直しだw
マリアミ渓谷に着いたら、Fステーションにいる Toppled Tree っていうガルカに話を聞こう。
【ヴェルク族の大きな皮】 を持って来いって言われるから、(K-10) にある集落まで行くのな。
地図のがその場所だ。

Klu3135.jpg

途中に岩で通れない場所があったりすることもあるけど、大岩破壊のスキルがあれば問題ない。
広場ではヴェルク族がウロウロしてるからリンクもするけど、ここに行けるレベルならどうってことないな。
集落にある Velkk Cache を調べると、ヴェルク族の大きな皮が手に入るよ。

Klu3136.jpg

アイテムを手に入れたらFステーションに戻って、ガルカのおっさんに報告だ。
そしたらさ、さっそくツタ登りに挑戦するから、興味があったら来てくれって言われたよ。
もちろん行ってみた。
その場所が、マークにある Scalable Area だ。
穴があって、木の根っこみたいのが下に伸びてるんだ。
その穴の中に、ガルカのおっさんがいたよ。
助けてくれって言うから降りて行ったら、おっさんはツタを登れなかったらしいw
それで、何て言ったと思う?

Klu3137.jpg

タルタルのこのオレが、ガルカのおっさんを支えるだと!?
バカも休む休み言え!
・・・でも、試しちゃったりするんだな。
すると、どうなるかって言うと・・・。

Klu3138.jpg

この後オレがツタ登りを試してみたら、なんとか上まで登ることが出来たよ!
おっさんは、自分は自力で登るから行っていいって言ってたけど・・・どうしただろうな・・・。

スキルはまだ他にもあるらしいけど、とりあえず今はこれだけあったらウロウロするには十分かな。



i_kluc.gif
はい。
以上、バルのスキル習得記事でした☆
でね、モリマー台地でクルクはつるはしが壊れるまで採掘してみたの。
ウロウロ走り回って、ポイントを3ヶ所見つけたよ(・▽・)ノ

Klu3139.jpg

の場所にある岩壁に、ポイントのキラキラがありました♪
もっと他にもあるかもね。






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【2016/05/15 23:59】 | アドゥリン紀行
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Re: honeytwoさん
クルク
honeytwoさん、はじめまして(・▽・)ノ

全然かまいませんよ♪
むしろ、ありがとうございます( *´ ▽ ` *)
バハ鯖なのですね!
どこかですれ違ったりしちゃうかもですね★ヽ(≧▽≦)ノ

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Re: ありがとうございます♪
クルク
ハニーさん、こんにちは(・▽・)ノ

リンクありがとうございます。
相互させていただきました♪
こちらこそ、よろしくお願いします( *´ ▽ ` *)


honeytwo
相互リンクほんとにありがとうございます♪
これからもお互いに更新がんばりましょうね!!(*^-^*)

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Klu3133.jpg






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【2016/05/14 23:59】 | SS
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さくらの
クルクたん~~こんばんわ♪

ここはもしかして黒魔道士AFクエの
あの場所でしょうか?!


PS2を使っていた時はっきり見え無かったのですが、
ちゃんと実がなってるのですね。

例の人騒がせな3人にまとめて、会ってみたいような
会いたくないような(笑)
なんとも言えない気分になる場所ですね。




Re: さくらのさん
クルク
さくたん、こばわんわ~(・▽・)ノ

はい、あの場所で~っす☆
星の木の実、白いどんぐりみたいですよねw

お騒がせな3博士たちは、何だかんだと言って仲がいいような気がします(*´m`*)
もしもカラハバルハが存命だったら、どんな騒動を起こしてくれていたのでしょう・・・。
それと、是非ともボヤ樹にいるパパを、ウィンダスに連れて帰りたいです。
せっかくボヤ樹にいるんだから、パパに何かお届けするクエとかあったらいいのになぅ。


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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

ログポでカニもらって来ました♪
一家の皆もマウントで乗れるようになったので、種族別に見てみましょう~( *´ ▽ ` *)

タルタルは男女2人ずついるので、今回はサンちゃんとかぼすにしてみました。

まずは、サンちゃん。
サルタのカニがいたから並んでみたら、小さいのね!

Klu3125.jpg

乗ってるのがタルタルだからかと思ったけど、そうでもないっぽい。
座り方は、チョコボの時と同じかな。

Klu3126.jpg

カニの移動速度が早い気もするけど、カニの動きが小刻みだからそう感じるのかな?
移動速度は他と同じって、書いてあったもんね。
いずれにしても、タルタルとカニの組み合わせは、間違いない可愛さです★

問題なのは、ガルカとヴァーンじゃないでしょうかw
だってさぁ、乗るにはカニが小さいよw

Klu3127.jpg

黒糖さんは・・・足ついてない?
座るというより、腿で挟んでるよね(^_^;)
尻尾が左に曲がってるしww

梅は後ろにずり落ちそうです。

Klu3128.jpg

真横から見ると、姿勢が非常に悪いのねw
何でもうちょっと前に座らないんだろう?
・・・あぁ、そっか。
前にサンちゃんを乗っけられるスペースを空けてあるんだね★

そしてチリちゃんは、きっとこれっきりで乗らないでしょうw

Klu3132.jpg

タルタル目線だと、パンツ丸見えだもんw
それこそ、カニの上に足組んで座ればいいのにw

そしてうずらですが・・・。

Klu3131.jpg

カニの目を握ってないか!?
それで言うこときかせてるの?
ヒドイ・・・(;д;)

とか思っていたら、ぴよも!

Klu3129.jpg

何てヒドイ姉弟だ!
っていうか、やっぱりお尻が浮いてるよね~。
鐙(あぶみ) がないのに、よく浮かせられるもんだw

そして最後はクマちゃん。

Klu3130.jpg

ミスラは無難に座ってるね。
動きも、まぁ見てられるかなww

16日から、赤カニがもらえるイベント始まるんだっけ?
大きいカニだけど、ガルカが座るには、はたしてどの程度でしょうか。
タルタルは、「タルタルはズルいよね」 って言われるくらい、何に乗っても可愛いんだろうな(*´▽`*)

それから、今回SSを撮って編集して思ったことは、一々面倒くさいwww
クルクとバルの二人が抜けててもそう思ったから、新しいマウント実装される度に同じことするのはちょっと・・・(^_^;)
以降は、よっぽどネタにしたくなるような座り方でなければ、代表者2~3人くらいのSSだけにしようかなw
三国でもらって、ジュノに行って使えるようにしてもらうっていうのも、ちょっと面倒だったりするよね。
だけど、そのままでいいw






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【2016/05/13 23:59】 | ♪マウント
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カニ カニ カニ~
ぱぱねこ
くるちゃん おはようにゃー

やっぱりタルは、かわいく乗るね~

それにくらべて、ガルやエルは・・・w

あと、みんな、カニの目玉をもって操作してるように見えるねww

あれを、ガチャガチャしてるのかな・・・

それにしても、クルク一家は、みんなマウントできるんだね。 すごいねーー


Re: カニ カニ カニ~
クルク
ぱぱにゃ~にゃん、こんにちは(・▽・)ノ

目玉を操作レバーのように・・・カワイソウですw
イベントでもらえるおっきい赤カニに、ガルカやヴァーンがどう乗るか、少し期待していますw

うち、人数多すぎて・・・( ´ △ ` )
誰がどこまで何を出来るか、把握出来ませんw

それから、クルクも何でカニを「為」って言うのか分からなかったので調べてみました(・▽・)
「ミナミコメツキガニ」っていうのがヴァナにいるカニと似ていて、その姿が「為」っていう漢字に似てるからだそうです。
画像で見て、小さくてビックリしましたw
コレには乗れない・・・。

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やぴん、クルクです。

んとさ、エミネンスの応用編で、『メインジョブのレベルを99にする』 っていうのをクリアさせると、特別報酬で 【クーポンA-PK109】 ってのが5個もらえて、それをクーポンのモグに渡すと、装備と交換してくれるのね。
種類が3通りあったから、クルクとバルと梅でもらってきました。

クルクがもらったのが、コレ~(・▽・)
テュランドタバード+1 の装備一式。

Klu3118a.jpg

帽子カワイイのに、髪が隠れちゃうのが残念な感じ。

Klu3119.jpg

対応ジョブは、Lv99~ モシ狩忍青コか踊剣 です。

お次はバルがもらって来た、カリエイオーベール+1 の装備一式。

Klu3120.jpg

肩と足元にある、青いリボンがポイントです♪
タルタル以外だと、足元じゃなくて膝の辺りなのかな?(^_^;)

Klu3121.jpg

対応ジョブは、Lv99~ 戦ナ暗獣侍竜 です。
クルクは竜騎士が99だから、この装備も着れます♪

最後は、梅がもらって来た、オーヴェイルローブ+1 の装備一式。
対応ジョブが、Lv99~ 白黒赤吟召青か学風剣 だったので、クルクに送ってもらってクルクが着てみました。
だって、梅似合わなかったんだもんw

Klu3122.jpg

ズボンの横の模様が可愛いよね★

Klu3123.jpg

クルクの髪型だと、頭装備のサークレットが見えないのが残念です。
青い飾りがついてるんだよ~。
・・・てことで、梅も見てみる?

Klu3124.jpg

よく見えないかw
似合わないって思ったのは、帽子被ってないから、見慣れないのかもw
っつーか、足の長さが歴然と違い過ぎて、もはや違う装備www
ふむん・・・バルが似合いそうだけどなぁ。
でも着れないからムリw
まぁいいや。
いずれにしても、3つともアイテムレベルは109だから、バラして他の装備と組み合わせたりしてみよ~っと。

あとね、エミネンスの応用編をやってくと、エミネンス武器や装備と交換できるクーポンがもらえます。
別にいいんだけどさぁ、こんなに色々とお節介なほど親切に準備を整えてくれちゃって、そんなに星唄を早くクリアさせたいのかなぁ?
クルクはまだやらないよ~だ。
他にやってないこと、いっぱいいっぱいあるんだもん。
それで、進めた方がいいなって思うような何かがあったらやるけどね。
フェイス5人っていうのは、ウズウズしてるんだけどw
でもバルを呼べば、フルPT出来るもんね★








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【2016/05/12 23:59】 | ヴァナ日記
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よっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

今日は、クマちゃんのレベル上げとチョコボ免許とマウントのクエをしました。
で、クマにも皆と同じように、設定がありますw
クマはジュノで人探しをしていたし、その後ぴよとベドーでも会っているので、当然チョコボ免許だって持ってるはず!

Klu3110.jpg

なので、クマちゃんはマウントクエを受けにジュノに来た、ということになります。
設定上ではw
どうせぴよとイチャイチャしながら、頑張ってね~とか言い合っていたんでしょう。

Klu3111.jpg

あ、そうそう!
ジュノに行くまでの道中で、剣虎に運ばれて行く人を見かけました。
あっという間だったからよく見えなかったけど、ヒュムっ娘だったかな?
最近ではフィールドですれ違ったり、エリチェン競争したりすることもなくなったから、人を見かけると嬉しくなりますw
いつでもどこでも呼び出せるマウントは、他の冒険者さんとすれ違う機会が増えていいですね!
・・・すれ違うことの何がいいのかと言うと、なんとなく?・・・w

でね、クマのジョブはシーフだったんだけど、レベルが上がるのが早かった気がするんだよね~。
チリちゃんも、クルクの苦手な白だったにもかかわらず、けっこう楽しく順調に上がってたし。
キャラ効果かな?
ちなみに、呼び出したフェイスは、ルガジーンとマヤコフとクピピの3人でした。
ルガジーンって、挑発しないのね。
初めて知りましたw
いや、黒糖さんの時も同じフェイスで、その時はずっとタゲ取ってくれてたから気にならなかったんだけど、今回はずっとクマがタゲられてて、ちっとも挑発しないな~ってw
チリちゃん時は、ヴァレンラールに守られてました。

でね、クマには格闘武器を持たせてたんだけど、ちょっと違和感。
何だろうって見てたら、ファイティングポーズを取った後、攻撃まで体の動きが止まってるんだよね。
尻尾は動いてたけど★
クルクで慣れてるから、動いてないのは変な感じでしたw

マウントクエも無事に済んで、これで一家全員がチョコボ免許とマウント資格を取れました♪
クマも横乗り試乗してみました(・▽・)

Klu3112.jpg

やっぱり、乗ってるってよりも運ばれてるって感じだよねw
2ケツだったら、これでもいいけどね~。

今回始まったログポではカニに乗れるようになるし、イベントのミニゲーム?では赤カニもげっちょ出来ちゃうんだね(・▽・)
こんなハイペースで、ネタは続くんでしょうか?
フェイスみたいに、同じのが回ってくるのかな?
カニのマウントは、どうしよっかな。
赤カニもらってから記事にする?
みんなもう乗ってるし、急いで記事にすることもないかなw





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【2016/05/11 23:59】 | * クルク一家
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やぴ~ん、クルクです(・▽・)ノ

うずらは、すでにジュノデビュー済なのね。
何の用でジュノに行ったんだっけ?
レベルを上げたのは、サブリガさんからもらったリラコサをうずらに装備させるためだったんだけど、ジュノに行く用事はなかったはずだけど・・・はて?
まぁ、HPが開通してるんだから、それに越したことはないのです。

てことで、うずらはチョコボ免許をとって、マウントクエします。
が、ちょっと待ちゃれ。
他の皆はレベル上げしつつ、ゴゼビの野草をげっちょしてジュノまで来てたけど、うずらは持ってなかったね!
っつーことで・・・。


<モグ通信にて>

i_uzu.gif
あぁ、ぴよ?
アンタこれから、ジュノにゴゼビの野草持って来てくれる?

i_piyo.gif
はぁ?
そんなもん、競売で買えよ。

i_uzu.gif
4つ必要なのよ。
早く持って来てちょうだい。

i_piyo.gif
知らねーよ。

i_uzu.gif
何ですって?
よく聞こえなかったわ。
もう一度言ってごらん?

i_piyo.gif
・・・何で俺なんだよ。
梅兄に頼めよ。

i_uzu.gif
何で梅ちゃんに頼むのよ?
あぁ、そうそう、クマちゃんもマウントクエ受けに、こっちに来るのよね?
どうせアンタもくっ付いて来るんでしょ?
いいじゃない、ついでよ。

i_piyo.gif
ついでじゃねーよ。
だから、競売で買えって。

i_uzu.gif
ゴチャゴチャ言ってるんじゃないわよ!
持って来いってあたしが言ってるんだから、さっさと持って来な!
さもなくば、ヒドイ目に遭わすわよ!

i_piyo.gif
ぅえ・・・。


で、無事にチョコボ免許げっちょ★

Klu3115.jpg

i_uzu.gif
どこぞのタルタルマニアなチョコボなんかより、よっぽど可愛いわ。
あたしのおかげで、元気になって良かったわね。


それから、マウントクエ~。
9回目ともなれば、楽勝です。

Klu3116.jpg

そして、剣虎に試乗してみました。
うん、やっぱり運ばれているw

Klu3117.jpg


よ~し、あとはクマちゃんだけだい♪





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【2016/05/10 00:45】 | * クルク一家
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kingshuffle
こんにちは サブリガです

お久しぶりです

マウントですか 良いですなぁ

自分もマウントはしたい(サブリガで蟹にマウントしたらネタ的には良いかな?と)のですがPCが無いのでログイン出来ないんですよね~

まぁPCをもし入手出来ても現時点ではマインクラフトのPC版にはまりそうですけどね 汗

サブリガでした



Re: サブリガさん
クルク
サブリガさん、こんにちは(・▽・)ノ
お久しぶりです★

あぅぅ、ヴァナへの交通手段がなかったですか(´・ω・`)
でも引退じゃなくてよかった。

サブリガさんがカニにマウント・・・。
メメゾ頭のサブリガさんとギャルたんが、ちっさいカニに乗ってる姿が見えました。心の目でw
おっきい赤いカニも、来週からのイベントでもらえるそうです。

お戻りの際は、また遊んで下さいね~( *´ ▽ ` *)ノ

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へにゃ~、クルクです(・▽・)ノ

クマの予定を変更して、今日はチリちゃんのレベル上げとチョコボ免許とマウントのクエです。
チリちゃんは、料理をする時以外は刃物を持ちたくないコなので、本当はレベル上げをしたくないのですw
でもまぁ、仕方ないよね。
ジョブはもちろん白です。
ホントは武器も持たせずに、フェイス達に戦って欲しかったんだけど、そうもいかないもんねw
いや、ディアで釣って、後はフェイスにお任せとか出来るけど、それはそれでめんどくさいw
武器は両手棍です。

Klu3113.jpg

クルクん時は、大きく振りかぶっては空振りっていうのばっかだったけど、チリちゃんってば当てる当てるw
それも、野球かゴルフかっていうようなスイングで、ポッカンポッカン☆
素からおしとやかな淑女で、女の子よりも女の子らしくて、男の痕跡はDNAだけだろうってくらいなのに・・・。
そんなチリちゃんは、ジュノに行くのは、やっぱりうずらと一緒に行ったのかな?


i_uzu.gif
梅ちゃんに護衛を頼みましょうよ~。

i_chi.gif
ジュノへ行くくらいで、兄様の手を煩わせるわけにはいきませんわ。

i_uzu.gif
そんなこと言って、チリちゃん戦ったことないんでしょ?

i_chi.gif
うずらちゃんが一緒ですもの、大丈夫ですわ。

i_uzu.gif
その根拠が分かんないわ。


淑女なチリちゃんは、マウントで剣虎に乗れるようになるのは嬉しいでしょうね~。
だって、横座りで乗れるんだもんね。

Klu3114.jpg

それにしても、こんな座り方でどこにも捕まらずに、走る剣虎の背中に乗れるってスゴイよね。






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【2016/05/09 23:59】 | * クルク一家
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ぷい~っす、クルクです(・▽・)ノ

今日は、黒糖さんのレベルを20にしました。
でも、黒糖さんはもっとレベルがあってもいい設定だし、チョコボ免許だって持ってなくちゃダメな設定なんだよね~。
だから、レベル上げなんかしないし、チョコボ免許はすでに持っている・・・ということになってますw

Klu3108.jpg

ちなみに、ジョブは戦士で、武器は片手斧にしました。
両手斧がいいかなって思ってたんだけど、片手がフリーじゃないと、坊っちゃま抱えて走れないからね★
バルがちっちゃい時のお話w

でさ、チョコボ免許クエって、また簡単になった?
前は、ヴァナ0時超えなくちゃゴセビの野草をあげられなかったと思うんだけど・・・。
今回、リアル1分で次々に食べさせて、それでクリアしちゃった。
ハゲの所にも行かなかったよ。
たしか、途中で行ったよね?

あとは、マウント出来るようにクエしました♪

Klu3109.jpg

明日はクマをジュノに行かせるよ(・▽・)ノ




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【2016/05/08 23:59】 | * クルク一家
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Easyだなっ
らいか
免許クエ、めちゃEasyだー!!
うちらのときは、
移動手段が少なくて、
チョコボ免許とったら、世界が広がる!新しい冒険ができる!
って、
ワクワク感がすごかったし、
免許取るまでに、焦らされるからこその、とったときの達成感と喜びが多くったよね。
こんな簡単になってしまったのは、残念たけど、
この仕様は、『クルク一家のためにあるもの』かもねw
あ、でも。もう、免許もっていないキャラのほうが、少ない?w

片手斧で、片手で坊っちゃんを守る設定も、さすがです( ・∇・)


Re: Easyだなっ
クルク
ライたん、やぷ~(・▽・)ノ

そうだよね!
ジュノに行くこと、チョコボ免許をもらうこと、これが本格的な冒険の第一歩だったよね!
だから、ヴァナ0時超えを何度も繰り返す作業だって、一回一回がワクワクだったよね!
今はこんなに楽になっちゃって、それはそれでいいのかもしれないけど、昔の大変さを知ってる人達って、知らない人達よりも想い出がたくさんあるよね~★( *´ ▽ ` *)

一家でチョコボ免許を持ってないのは、あとはクマとうずらとチリちゃんなの。
うずらはジュノのHP開通してあるから行けるけど、クマとチリちゃんはレベル上げしながら、ゴセビの野草を取りつつジュノに行くのですw

設定があって生まれた倉庫番たちだから、そこは譲れないこだわりなのだ★フヒヒ


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Klu3107.jpg





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【2016/05/07 23:59】 | SS
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やぴ、クルクです(・▽・)ノ

今回のログポ、ポイント少なくない?
いつも何ポイントだったかは、覚えてないけどw
今日は一家のみんなに、中庭と♪牙虎をもらってきたのね。
他に、コレって目ぼしいものが無くてさ、何かテキトーに交換するか~って、でもまだ日にちあるしメンドーだから、今度にしようって帰って来たんだけど・・・。
ポイント、翌月に持ち越せるようになったのね!!
1500ポイントまでだけど、それは嬉しいよね♪

それから、次のマウントって、カニなんでしょ?
楽しみだなぅ( *´ ▽ ` *)
タルタルは絶対にカワイイし、ミスラもいいかも★
でも、ガルカが乗っても大丈夫なのかな?(^_^;)
固いから、平気?
ヴァーンは足組んだりするの?
それでカサコソ移動するんだよね?
シュールだw

鳥にも乗りたいよね~!
飛んでるのに、ちょっとした段差に引っかかるのw
だけどさぁ、こう毎月新しいマウントが増えたら・・・。
ん~、どうだろうってちょっと考えてみたけど、別にいっか★(・▽・)
それよりも、うちには全種族がいるわけだし、みんな乗れるようにしたいよね、SS的な意味でw
全員レベル20キャンペーンするしかないかな。
・・・あ、未満なのは、黒糖さんとクマとチリちゃんの3人だけだ!
で、チョコボ免許はうずらを入れて4人か~。

Klu3106a.jpg

レベル上げは、ジュノに行きながらやってけばいいもんね★
一家の設定としては、黒糖さんはチョコボ免許くらい持ってなくちゃダメだったね。
てことで、ジラートミッションの続きは後回しにしてw、明日からの予定が決まりました(・▽・)ノ
一家の最低レベルを20にすること!
全員チョコボ免許をとること!
時間かかりそうw






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【2016/05/06 23:59】 | ヴァナ日記
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やっぴ~、クルクだよ(・▽・)ノ

クルク一家では 「引きこもり」 の代名詞でもある梅ですが、実は・・・。
ず~いぶん前に、赤99にしています。
AFも持ってます。
片手剣のEVWSクエ 「秘めた破片」 もクリアして、【サベッジブレード】を会得してあります。
武神流秘奥儀のクエ 「契約と覚悟、武の道程」 もクリアして、【レクイエスカット】 を習得して、メリポも5段目まで振り分けてあります。

そして、やっと、梅が解禁ですw
格好は、相変わらずだけど☆

Klu3099a.jpg

でもきっと、相手がタルタルだったら、1つも手を出せないと思うんだw

【エフェメロン】 と 【アクリメーター】 は、ゴブ箱から出て来たんだけど、梅の設定上がまだアレだったので、ずっとしまっておいたのです。
あ、エフェメロンの方は、入手した時にちょっと装備させてみたことあったっけ。
エフェメロンは敵のTPを吸収するから、TPがよく溜まっていいです。
メインじゃないとダメかと思ったら、サブでも吸収するのね。
でも、メインで持ってた方が、吸収する回数が多いような気がするんだけど・・・。

アクリメーターを装備させたら、まず初めにやりたいことがありました。
それは、レクイエスカットの試し撃ち~ヽ(*^▽^*)ノ
はい、まだ一度も使ってなかったのw
理由は・・・なんでだろうね?
アクリメーターを装備させなかったのは、そういう設定があったからなんだけど、WSは別に使ってもよかったよね?
一度も試さずに5段階目まで上げて、どんなのかな~って、ず~っと楽しみだったのです♪
クルクの四神円舞も、バルのレゾルーションも、派手だもんね~(*´▽`*)

つーことで、早速マンドラちゃんで試し撃ちしました(・▽・)ノ
レクイエスカットは5段攻撃らしいです。
が、動きが早くて、よくわかりませんww

まず、発動。

Klu3100a.jpg

剣を振り下ろして1撃。
反動をつけて、下から上へ2撃目。

Klu3101a.jpg

また振り下ろして、3撃目

Klu3102a.jpg

返す刃を振り上げて、4撃目

Klu3103a.jpg

回転しながら大きくジャンプした後に

Klu3104.jpg

フィニッシュ

Klu3105.jpg

・・・のような気がするんだけど、定かではありませんw
何度見ても、動きが覚えられない(^_^;)

それから、場所を移動してメリポを貯めていたんだけど、初めて60チェーンとかしましたよ(・0・)
そのまま半永久的に続きそうだったけど、メリポがカンストしちゃったので終了させました。

あと、キャパポの開放するの忘れてたから、ジュノに行って来ました。
もったいなかったね〜。

でさ、サポなんだけどね。
シーフが35、ナイトが30、踊り子36っていうサポ割れw
これをどうにかせんとw

あ、そうだ。
クルクの四神円舞も、5段目になってるよん♪(・▽・)
バルはまだ1段目w
クルクとバルが梅のウォーミングアップに付き合うんだけど、いつの間にか、クルクと梅でバルの強化特訓をしていた・・・という妄想が生まれましたw
妄想は楽しいね(*´▽`*)





いつも遊びに来てくれてありがちょん(・▽・)
ポチッと押してくれたら嬉しいな♪



【2016/05/05 23:59】 | ヴァナ日記
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i_bal.gif

ランプの明かりが必要になり始めた頃、急に屋敷が騒がしくなったんだ。
ザワザワと話し声が聞こえて、何人もの足音がこっちに向かって来ているようだ。
オレとサンラーは、適当に椅子を床に倒して置いたり、ベッドのシーツを引っ張て乱したりしてからランプを消した。
そして、サンラーが持っていたパウダーを使って、姿を消した。

「おおぉ、この部屋じゃ! この部屋から、邪気が感じられるぞ! ドアを開けい!」
「では、護符を・・・」
「そのままで構わん!」

ドアのすぐ外で声が聞こえて、いきなりバーンとドアが開くと同時に、キャッという短い悲鳴がいくつか聞こえた。
部屋の中に明かりが射し込み、開いたドアの前には、フードのついた修道服を着た二人の人が立っていた。
その後ろに、ロディファスさんと使用人達がいた。
ドアを開けた時に、護符が粉々に破れ散ったらしく、床に散乱している。

修道服を着た一人は、背が小さかったのでタルタルだとわかる。
っていうか、さっきの声で、かぼすだとすぐにわかった。
そしてもう一人は、ぴよさんだ。
ぴよさんは黒いもじゃもじゃの付け髭を付けてるけど、あれってチャママさん特製の探偵の七つ道具かな。
うずらさんが言っていた 「夜なべでお裁縫」 って、二人の修道服を縫ってたのか?
一体なにやらかす気だよ・・・。
みんな固唾を飲んで、二人を見つめている。
その時、「何事ですか?」 と言うシュリーナさんの声が聞こえ、ポリエッタに支えられて部屋にやって来た。

「シュリーナ、こちらのお二人は世界を回り、各地で邪悪なる霊を鎮め、封印してこられた司教様と修道士様だ」
「まぁ・・・!」

修道服の二人、かぼすとぴよさんは、手のひらを上に向けてお辞儀をすると、「アルタナ様の加護」 がどうとか 「楽園の扉」 が云々とか呟いていたから、オレはおかしくって笑いをこらえるのに一苦労だったぜ。
なのに、サンラーが 「プッ」 と吹き出しちゃったんだ!
サイレントオイルは使ってなかったから、全員に聞こえたはずだ。
全員の顔が、ギクッと強張って見えたよ。
すかざず、かぼすが大声を出した。

「あぁっ! 邪悪な霊が、誰かに憑りつこうと狙っておりまするぞ!」
「司教様、これを!」

ぴよさんがかぼすに何だかわからない札を渡すと、かぼすはそれを掲げて 「ムニャムニャムムン!」 とか適当なことを言ってから、宙に放り投げた。
すると札は一瞬のうちに炎に包まれて灰になって消えた。
代わりに現れたのは、見たこともないミスラだった。
手品かよ。
全員が 「おぉぉ!」 とどよめいていたから、オレとサンラーの声はそれに紛れてわからなかったはずだ。

赤っぽい髪を頭の上の方でまとめているミスラは、白装束を着ていた。
みんなには背中を向けていたけど、オレの方からは白目を剥いて気絶しているように見えた。
でも、立ってるんだよな・・・フラフラしてるけど。

「悪霊よ! 依代に憑依するのじゃ~~~! きょえぇぇぇ~~~!」

かぼすが両手を広げると、窓にかけられていたカーテンが、ブワッと舞った。
そして暖炉に、黒っぽい紫色の火が点いたんだ。
例の呪符の効果だろう。
しかも、ミスラが宙に浮いて、ガックンガックン頭を揺らしているもんだから、使用人達はギャーギャー悲鳴を上げてたよ。

「ぐ・・・ぐぉぉぉぉ・・・我ハ解キ放タレルノダ・・・」

宙に浮いてガクガクしているミスラから、爺やの声が聞こえて来た。
もしかして、爺やもパウダーで姿を消してるのか?
んで、ミスラを持ち上げてるのか?
何やってるんだよ!?

使用人たちはシュリーナさんを守るように取り囲み、部屋の隅で青ざめた顔を引きつらせて固まっている。
その前でロディファスさんが仁王立ちしていた。
かぼすとぴよさんは、見えない何かを手で振り払いながら、インチキくさい呪文を唱えている。
やがて、ミスラの動きがゆっくりになって来た。
かぼすはミスラを見上げて、ビシッと指をさした。

「そなた、何者じゃ!!」
「ぐぉぉぉぉ・・・我ハ・・・初代プリズ家当主・・・」
「え?」
「ぐぉぉぉぉぉぉ・・・」

え? って、なんだよ。
爺やが、台本とは違うことを言ったのかな?
かぼすは目をパチパチした後、気を取り直してセリフを続けた。

「何で・・・何故、悪霊と成り果てたのじゃ!?」
「ぐぉぉ・・・ワカラヌ・・・ぐぉぉぉぉぉ」
「・・・・・・」
「司教様・・・ぉぃ、司祭様・・・」
「えーっと・・・よろしい! では、このわたしが、浄化してしんぜよう!」
「・・・護リノ剣ノ力ガ弱マッテイルノダ・・・ぐぉぉぉ・・・」
「・・・はぁ・・・?」
「司教!・・・様!」
「ぐぉぉぉ・・・コノ屋敷ハ・・・メイヴェルニ護ラレテオル・・・剣ノ・・・力ヲ・・・強メルノダ・・・ぐぉ・・ぉ」

ぐぉぉぉとか、力んで声を出しているのがだんだん疲れて来たみたいだ。
でもって、話の流れを剣に持って行こうとしてるんだな。
ちょっと無理矢理っぽくないか?
なんつーか、後でたっぷりからかってやろう。
かぼすが 「話が違うじゃないか」 ってボソッと呟いたら、それを誤魔化すようにぴよさんが 「話が繋がりました!」 って叫んだんだ。
いや、ぴよさんのセリフが繋がってないから。
それでも取り繕うように、やる気がなくなってきたかぼすに代わって、ぴよさんがロディファスさんに声をかけた。

「この部屋の主が使っていた剣は、埋葬したものの他にもありますか?」
「その、壁に飾ってある剣がそうです。特にこちらを・・・」

ロディファスさんが、壁にかかっていた剣に手を伸ばした。

「ぐぉ・・・新タナ剣ヲ・・・護リノ剣ヲ・・・」

誰かに取り憑こうとしてる悪霊が、防御の力を強めろって助言するって、辻褄が合わないだろうによ。
しかもその悪霊って、この家の初代の当主なんだろ?
何かおかしいって、誰も思わないのかな?
まぁ、その方がコッチは好都合なんだけどさ。

ロディファスさんが手に取った剣を鞘から抜くと、刃は靄がかかったように揺らめき、小さな光の粒が舞い出した。
エフェメロンか・・・オレは初めて見たよ。
ウソくさい芝居の最中だけど、剣の様子はその場には効果的に見えた。
みんなもそれに見入っていたよ。
サンラーが、「キレイ」 って呟いたけど、誰も気にしていないみたいだ。

「この剣を、兄上の墓に入れればよいのだな」
「ぐ・・・ぉおっ・・ぉぉ・・・」
「よし、いいよ!・・・うむ、よいぞ! では、まずは悪霊になりそうになっちゃった初代当主の御霊を鎮めようぞ。それから、剣をお墓に入れればいいんだね。・・・ということだ」
「・・・ぐ・・・・・ぉ・・・っ・・・ぉ・・・」

爺や、ノド大丈夫かよ。
かぼすのしゃべり方もおかしくなってきてるし、ボロが出過ぎる前に済ませないとヤバそうだ。
ぴよさんは懐から聖水を取り出して、一々手のひらを上に向けてお辞儀をしながら、部屋中にそれを撒きだしたよ。
それに合わせて、かぼすが 「ニッチョリ、ニョッチョリ」 とか呪文みたいな変な言葉を呟いてるけど、どうせ嘘っぱちなんだろう。
白目のミスラは相変わらすガクガク揺れてたけど、かぼすが 「迷える~御霊よぉ~ぉぉぉ」 と大袈裟な身振りをしながら声を大きくして唱えると、ミスラは宙に浮いたまま上や下にビョンビョン動いて、見ていた使用人達を凍りつかせていた。
まさか爺や、放り投げてるんじゃないだろうな?
っていうか、このミスラ誰だよ!?

「んもぉぉ~~~つかぁぁ~~~れぇぇぇ~~~たぁぁぁ~~~はぁっ!!!!」

ヤケクソみたいにかぼすが叫ぶと、暖炉の炎がボンと弾けて消え、宙を飛び跳ねていたミスラの身体を紫色の光が包み込みこんだ。
一瞬後、ミスラの姿は消えていた。
・・・デジョンか。
ハタハタとはためいていたカーテンが、ふわりと落ち着いた。

「・・・修道士、後の説明をしておいて」
「は・・・。えー、皆様方、これでこの屋敷から悪霊は取り除かれました。我々はこれから、悪しきものからの防御を更に強めるために、う・・・メイデル殿の墓所へ行き」
「メイデルだって・・・ぷぷっ・・・メイヴェルだよ」
「ちっ・・・メイヴェル殿の墓所へ、この剣を納めに行きます。どなたか、一緒に行かれる方はおりますか?」

使用人たちは目を見開き凍りついたまま、誰も動こうとはしない。
そりゃそうだろうな。
あんなもん見せられて、その後に墓場になんか行きたいもんか。
しかも夜だ。
もちろんロディファスさんが、名乗りを上げたよ。

「私が行こう。兄上が護ってくださっていたとは・・・。私が行かずして誰が行くと言うのだ」
「あなた・・・わたくしも・・・」
「いや、シュリーナは屋敷に残りなさい。皆の者、シュリーナを頼むぞ」
「ははっ、旦那様!」

何だかみんな、ちょっとおかしくなってるみたいだ。
茶番ともいえる芝居に中てられちゃってるのかな?
神妙な顔つきで、ぞろぞろと皆が部屋から出て行く。
かぼすとぴよさんも、小突き合いながら廊下へ出た。
爺やはミスラと一緒にデジョンしたのかな?
姿を消したままのサンラーが 「面白かったです」 って呟いているのが聞こえた。
オレが階段を下りる時、ロディファスさんが梅さんの部屋のドアを閉めていた。

結局、墓場にはロディファスさんの他に、使用人のジョハンが付いて来ることになった。
ロディファスさんだけだったら、もう芝居はしないで済むし、オレやサンラーも姿を現せたのにな。
墓場になんか、本当は行きたくなんかなかったさ。
でも、ここまできたなら、最後まで見ておかないとな。

道中は、先頭にランプを持ったジョハン、その後ろにエフェメロンを持ったロディファスさん、その後を修道服姿のかぼすとぴよさんが続いている。
オレとサンラーはインビジが切れていたけど、かぼすたちの少し後ろを並んで歩いていた。
見つかっても、ただの通行人で通せるもんな。

途中で、かぼすが後ろを向いたんだ。
オレたちの方を見て、何か紙切れを落とした。
そのまま進んで拾ってみると、矢印とウサギの絵が描いてあった。

「コレ、お兄ちゃんがよく呪符に使っている紙だわ」
「何だろう? コレでウサギのモンスターでも召喚しろってことか?」
「お墓で使うのかしら?」
「そうかもな。やってみようぜ」

墓地に着くと、入口に小さな小屋があった。
そこに墓守がいるらしい。
ジョハンがドアを叩くと、中から小汚い服を着たガルカが出て来た。

「ん? お前だったか?」
「今夜はワシが番ですじゃ」
「ブッ・・・!」

噴き出したのは、このオレだ。
だって、爺やだったんだもん!
さっき 「ぐぉぉ、ぐぉぉ」 って言ってたせいか、声が枯れてるみたいだぞ。
ジョハンがスコップを持ってついて来いと言うと、爺や・・・墓守はイヤだとごねた。
夜中に墓を掘るものじゃない、と。
それでもロディファスさんに命令されると、いかにも渋々といった感じで、大きな袋にスコップを2本入れ、それを引きづりながらついて行った。
オレとサンラーは、木や草の茂みに隠れながら、みんなの後について行ったよ。
墓地の暗闇は怖かったけど、すぐ側にはブツブツと文句を言っている爺やもいる。

立派な石碑のお墓の前に着くと、かぼすとぴよさんがムニャムニャと祈りを捧げ、それから爺やが重たそうな墓石をずらした。
ロディファスさんは後ろの方からそれを見守っている。
もちろん、ジョハンもロディファスさんの隣に畏まって立っていた。
かぼすがキョロキョロと辺りを見回していると、ジョハンが 「司教様、いかがされました?」 と、怯えた声で尋ねた。
かぼすはキョロキョロしながらオレとサンラーが隠れている茂みに向かって、「アルタナ様の使徒が・・・」 と言った。
そうか、そのための呪符なんだな!
ウサギがアルタナの使いかどうかは知らないけど。
っつーか、そしたらもうウサギを狩れないじゃないかよ!

オレとサンラーは、かぼすの呪符を放り投げた。
すると・・・オレの目の前で、サンラーがウサギになったぞ!?
でも、よく見かける茶色のアイツじゃなくて、真っ白だ。
ってことは、オレもか!?
歩いてみようとしたら、ピョンって跳ねた。

「おぉ、現れたましたぞ」

やけに嬉しそうに、かぼすが手を叩いた。
姿が変わったならもう隠れることはないし、オレは爺やの側まで行ってみたよ。
爺やはスコップで、土を掘り返していた。
すでに大きな穴が開いていて、「あぁ、罰当たりだ」 って言いながら、更に深く掘り進めている。

「穴に落ちないように、気をつけてくだせぇ」

側に来たオレを見て、爺やがそう言った。
明かりはジョハンが持っているランプと、爺やが木の枝に引っかけたランタンだけだ。
暗がりの中で見る墓穴は、どこまでも深く落ちていきそうで怖かったよ。

「おい、修道士。お前も手伝うのだ」
「えぇっ!?」
「これも修行のうちぞ」
「っんだよ」

かぼすに押されて、ぴよさんは袋からスコップを取り出し手に取った。
爺やとぴよさんが、どんどん土を掘って行く。
そんなに掘るのかよってくらい、しばらく掘っていたら、スコップが何かに当たった音がしたんだ。
オレはブルッと震えちまったよ。
骨か!?
だけどそれは、梅さんの剣だったみたいだ。

「司教様、剣がありましたよ」
「よし。新たな剣をここへ」

ぴよさんはロディファスさんからエフェメロンを受け取り、墓の中に横たえた。
もったいないな、埋めちまうなんて。

「では、更なるアルタナ様の加護を与えようぞ。おぉ、使徒が剣に宿る・・・」

かぼすの目が、白いウサギになったオレとサンラーを見た。
で、ちょっとアゴを動かして合図して来る。
ま・・・まさか、穴に入れって言うんじゃないだろうな!?
お断りだ!!

「使徒よ、剣に宿れ!!」

今度こそ、逃げてもいいか?
隣にいる白いウサギが、ブルブル震えだした。
いや、震えているのはオレかもしれない。

「剣に、や、ど、れ! って言ってるんだよ!! 早くっ!!」

かぼすが癇癪を起こし始めたけど、オレは穴に入る気はないぞ!
が、隣にいる白ウサギが動いて、後ろからオレを押したんだ!
オレはパニックになりかけたけど、穴に落ちたオレの側に、白ウサギも飛び降りて来たんだ。
自分から墓穴に飛び降りるとは、サンラーすごいな。
それに墓穴の中には、まだ爺やとぴよさんがいた。
だから、気持ちは悪いけど、思ったほど恐怖はないかな。

「さぁ、祈りを捧げよう。修道士と墓守、穴から出なさい」

えええええ!?
まさか、生き埋めにされるなんてことねぇよな!?
爺やがそんなこと、するはずないよな?
でも、二人は穴から出ちまった。
見上げると、かぼすがニヤニヤしていた。
んなろぉ~、覚えてやがれ!!

「皆、祈るのだ・・・」

かぼすがまた、インチキくさい文句をツラツラと口ずさみ始めた。
するとぴよさんが穴に飛び降りて来て、ウサギになったままのサンラーとオレを素早く抱き上げて、墓穴から出してくれたんだ。
助かったぜ!
見ると、ロディファスさんやジョハンは片膝をつき目を閉じて祈っている。
それからぴよさんは、土の中から一本の剣を引き抜き、爺やに手渡した。
爺やは土にまみれたその剣を、スコップを入れて来た袋の中に隠し入れたんだ。
かぼすがオレたちを追い払うような手の仕草をしたから、草むらに隠れた。
ぴよさんはもう穴から出ていて、祈りの格好をしている。
やがて祈りが終わり、掘り返した穴を爺やとぴよさんが土で埋め、墓石を元に戻した。

「これで、プリズ家は永遠に護られるでしょう」
「司教さま、ありがとうございます。兄上、どうぞ不肖な我らをお守り下さい」

ロディファスさんとジョハンが再び祈りを捧げ、一行は墓地を後にした。
で、オレとサンラーは、爺やが小屋に戻ったから、ついて行ったんだ。

変身を解くと、開口一番にサンラーが 「お兄ちゃんの呪符なんか、使うんじゃなかったわ」 と文句を言った。
あいつ、絶対に遊んでやがったよな。
爺やはスコップを袋から出してから、剣を袋に包んで抱えた。

「さて、爺は一度モグハに戻ります。この剣を綺麗にしなければ」
「錆びたり腐食したりしてないのか?」
「梅はこの剣を、アクリメーターだと言っていました。そのくらいの業物になれば、数年土の中にあったとしても、状態に問題はないでしょう」
「黒糖さん、梅先生の剣をよろしくお願いします」

爺やがうずらさんの店に行くようにと言っていたから、オレとサンラーはそうすることにした。
店の前まで行くと、昨夜と同様やっぱりランプは消えていたんだ。
裏口の戸を叩いたら、今夜はすぐにチリさんが開けてくれたよ。

「お疲れさまでした。どうぞ」
「今日も休みだったんだな」
「えぇ」
「だーって、この人がいるんだもん、開けられないじゃない」
「バルファル、サンラー、ご苦労だったな」
「梅先生!」

チョコボではなく、いつものラフな格好をした梅さんが、カウンターの奥から2番目の席に腰かけていた。
サンラーは梅さんの方へと走って行き、隣のスツールに飛び乗った。
カウンターには他に、クルクと、青い髪をポニーテールにしたタルタルが座っていた。
クルクの親友のライカだな。
クルクはオレに 「おつ~」 と言うと、ライカに向けて話しかけた。

「こっそり隠れながら脅かしたりするの、クルクもやりたかったな~ぅ」
「そういうの、クルたん好きそう」
「かくれんぼみたいじゃん」
「ライカはハラハラしちゃって、きっとダメだな」
「いひひ。ライたんもビビリンボだもんね~」
「いひひ。それじゃ、ライカは帰るよ。素材を大量に買っちゃったから、これから作業するんだ」
「ありがとね~ん。また合成お願いする時はヨロピコ」
「ういうい」

ピョンとスツールから飛び降りたライカに、梅さんが礼を言った。

「世話になった。ポストにクリスタルを送っておく」
「ありあとん」
「それって、クルクのクリだけどね」

またね~と、手を振りながらライカが店を出て行った後、オレはクルクに今のは三人のうちのどのライカかと訊いてみた。

「どれだっていいじゃん」
「よかねーだろう」
「じゃぁ、バルはどのバルなのさ!?」
「はぁ? オレはオレだろ」
「そういうことだよ」
「・・・・・・梅さん、わかるか?」
「そういうことだろう?」
「ね~?」

たまにクルクと梅さんは、とっても波長が合うようだ。
ところで、クルクはライカに何を頼んでいたんだろう?
聞いてみると、剣だと言った。

「ウィングソードだよ。梅はパフェメロンていう剣を持ってて、形がそっくりなんだって」
「パフェメロンではなく、エフェメロンだ」
「同じだよ。ライたん、ウィングソード作れるって言うからさ。クルク、素材集めて作ってもらったんだよ。で、そのメロンとすり替えたの」
「え、いつだ? 部屋でロディファスさんが鞘から抜いた時は、本物だったぞ」
「皆が部屋を出た時だ。ロディが持っていたエフェメロンと、俺が持って行ったウィングソードを交換したのだ」

そう言って、梅さんが側に立てかけてある剣を指さした。
墓穴に入れたのは、ウィングソードだったのか。
っていうか、あの時、梅さんも部屋にいたのかよ。
かぼすたちと一緒に入って来たらしい。
最初は、チリさんが交換役に行くって言ったらしいんだ。
だけど、もしも成り行きが怪しくなってインチキだってバレてしまった時に、使用人たちを説得出来るのは自分だけだろうって、それで梅さんが来たみたいだ。

「二人とも、よく笑わずに見ていられたな。俺は笑いを堪えるのが大変だったぞ」
「いや、笑いそうになったけどさ。でも、見てるうちに、よくやるなぁって、だんだん呆れてきたって言うか」
「わたしは、とっても面白かったです」
「それは良かった」
「アレ、誰のシナリオだよ? 辻褄があってないぞ」
「そんなことないよ!」
「え、クルクなのか?」
「演技指導もしたよ。ぐぉぉぉっていうの、よかったでしょ?」

かぼすのあのヘンテコな呪文とか、そう言われればクルクがやりそうだ。
そう言ったら、かぼすの方は知らないって言うんだ!
てことは何だ?
爺やは、かぼすとぴよさんの二人とは別のストーリーを、クルクに教えられてやってたってことか。
梅さんは、自分が悪霊になったってことにすればいいって言ってたらしいよ。
かぼすたちは、そっちのストーリーのつもりだったんだろうな。

「だってさ、ウソっこでも、クルクは梅が悪者になるのがイヤだったんだよぅ。だから、別の悪役を作ったの」
「あ~、爺やが言ってた、初代の当主ってやつか」
「そんな知らない人は、クルク別にどうでもいいもんね。梅が守ってるって思われてた方が、そっちの方がクルクはいいんだもん」

梅さんは 「そうか?」 なんて言ってたけど、ちょっと照れくさそうだ。
チリさんも、目を潤ませてちゃってる。
うずらさんはフフッと笑った後、調理の手を止めて顔を上げた。

「今回は梅ちゃんの剣のために、みぃ~んなが協力してくれたのよ~? ランコントルを二晩も貸し切って、梅ちゃん、請求書送るからね」
「俺は貸し切りを頼んだ覚えはない」
「ん、まっ! じゃぁ、打ち上げに用意した、このお料理はどうしてくれるのよ!」
「心優しいオーナーのサービスじゃないのか?」
「ホント、ムカつくわね」

うずらさんはツンとそっぽを向いて、料理の乗った皿をテーブル席に運んでいる。
オレも手伝って、グラスを運んだりしていると、裏口が開いてクマさんとぴよさん、その後ろからかぼすもやって来た。

「お疲れさま~。あ、アタシも手伝うね」
「ありがとうございます。では、これをお皿に分けていただけますか?」
「バルちゃん、ありがと。いいから座って。ぴよは邪魔だから、ウロウロしないで座ってなさい。かぼちゃんも座って~」
「爺ちゃんはまだなの?」
「剣を綺麗にしてから来るんじゃないか? っていうか、おい、かぼす!!」
「なぁに?」
「ウサギなんか、必要なかっただろ!」
「そうよ、お兄ちゃん!」
「はぁ~? ぼく、何で文句言われてるのか、サッパリわかんないよ」
「なに? なに? クルクにも教えて~」

オレとサンラーは、墓場での出来事をみんなに話して聞かせたよ。
それからオレは、思い出したんだ。
ドアを引っ掻くようなあの音は、一体何だったんだろうって。
聞けば、それは何て事もないことだった。

「夜の間中、ずっと音を立てたりしているのは疲れちゃうでしょ? だからアタシがかぼちゃんに頼んで、音の鳴る呪符を作ってもらったの」
「クマちゃんは、優しいでしょ?」
「それをバル君やサンちゃんに知らせないお前は、最悪の性格してるよな!」
「ぴよ君はさぁ~、メイデルとか言っちゃうし、セリフも白々しくってイヤんなっちゃったよ」
「んだと? だいたいお前、あのミスラをまたあんな風に使ったりして、何してるんだよ!」
「ミスラって? また? ぴよ君も知ってるコなの?」
「え・・・? いや・・・し、知らないミスラだよ・・・」
「皆、揃っているな」
「黒糖さ~ん、お疲れ様~」
「ぴよ君ったら!」

爺やが最後にやってきた。
剣は土を落としただけで、まるで研いだ後のようにキレイになったそうだ。
梅さんのポストに送っておいたと言うと、みんなは口を揃えて 「見たかったのに」 と言って、爺やに頭をかかせていた。
それから、全員で乾杯をした後、それぞれ好き勝手に食べたりしゃべったり飲んだりしていたよ。
爺やはカウンターの席に行き、梅さんと話し始めた。
話の輪は重なったり広がったりしていたけど、時間が経つと別々になっていた。
カウンターの中にはうずらさんがいて、洗い物をしている。
その前には梅さんを挟んでサンラーとクルクが座っていた。
また梅さんに何か言われたのか、うずらさんが眉を上げて 「ムカつくわね」 と言っていた。
チリさんは酔い始めているのか、時々おしぼりで目の辺りを拭きながら、爺やと話をしている。
オレはどういうわけか、かぼすとぴよさんとクマさんの三人と座っていた。
みんなそれなりにホロ酔いで、ボンヤリしながらポツリとクマさんが言ったんだ。

「こういうの、楽しいね」
「飲み会みたいなの?」
「うん。みんなで、誰かのために一生懸命になって協力して、お疲れ様って乾杯して飲むの」
「そうだね。梅兄の状況がちょっと特殊だったから、今回は特にそうだよな」
「梅さんが剣を必要としたのは、サンラーを冒険に連れて行くためだし」
「てことは、みんなはサンのためにやってたってことか。ちぇっ」
「ねぇねぇ、奥様って、どんな人だった?」

クマさんが、ちょっと身を乗り出して小声で聞いてきた。
オレが、「ロディファスさんの?」 って聞き返すと、クマさんは頷いてから 「梅兄さんの許嫁だったんでしょ?」 って言った。

「キレイな人だったよ。大人しそうな感じでさ。な?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「あれ?」

ぴよさんとかぼすは、無言でグラスを傾けている。
え? キレイじゃなかったのか?
そりゃ好みはあるだろうけどさ。
かといって、シュリーナさんがオレの好みだって事じゃない。
一般的な話でさ。
オレの美的感覚が、崩壊してるってことないよな?
ってなことを考えてたら、ぴよさんがポツリと呟いたんだ。

「アネキの方がキレイだ」
「うん。それと、サンの方がカワイイ」
「だな。だけど、クマが一番だ」
「ぴよ君、ぼくも今それを言おうと思ってたとこ!」
「気が合うなぁ!」
「だね!」

ぴよさんとかぼすが、ハイタッチしてゲラゲラ笑い出した。
酔ってるのか・・・。
クマさんが、「いっつもこうならいいのに」 って、苦笑いしてた。

やがて、チリさんが本格的に泣き出し、サンラーが眠ってしまい、クルクがラララ~と歌い出し、ぴよさんとかぼすが殴り合いを始めたので、打ち上げの飲み会はお開きになった。
チリさんのことは任せろとうずらさんが言うから、お願いした。
つかみ合いをしているかぼすとぴよさんは、爺やが送ってくれることになって、クマさんはホッとしていた。
梅さんは寝ているサンラーを抱きかかえ、「サンラーが世話になったな」 ってオレにお礼を言ってくれた。
オレもサンラーには助けられたし、「一緒に行ってよかったよ」 って言ったんだ。
そしたら、「だろう?」 って得意そうに笑って、デジョンで帰って行ったよ。
オレはご機嫌でフンフン歌っているクルクを連れて、モグハに送って行った。

自分のモグハに帰ると、ずいぶん長い間留守にしていたような気分になった。
だけど、たった二日なんだよな。
明日また、梅さんのモグハに行ってみようかな。
「主の死」 と一緒に葬られていた剣が、蘇ったんだ。
名前は変わっているけど、その剣を握れば、持ち主も蘇るかな?
酔ってもいたし、疲れてもいたけど、オレは寝る前に素振りでもしようと思ったんだ。

「危ないから止めろって言ってるクポ!」

モグに怒られてしまったから、大人しく寝ることにするよ。
明日、梅さんに手合せをお願いしてみようっと。






<おしまい>





いつも遊びに来てくれてありがちょん(・▽・)
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【2016/05/04 23:59】 | * クルク一家
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かんけつ~
コウ
クルクさん、こんばんは~。

おぉ。大作ですね。しかもこれ、梅さんのレベル上げの為の前振りの話ですか~。
クルクさんは、一家のメンバーに思い入れがありますね。
それで、梅さんの剣は、エフェメロンとアクリメーターなんですね。
すると、梅さんは最低Lv95はあると言う設定ですか。いや、いまから鍛えるのかなあ。
エフェメロンという剣は初めて知りましたが、アクリメーターは、ベガリーインスペクターでドロップする剣ですね。・・・でもいま僕の手持ちを見たら持ってなかった。。
クルクさんは・・・そうか、ゴブの不思議箱でげっとしたのかなあ。
こないだのSSにもありましたが、梅さんは何気に赤ですね。サンドリアの王立騎士団出身・・・でよかったのかな。なら、納得ですねー。神殿騎士団ですけど、クルリラさんの父親も赤魔道師だったような。

シュリーナさんも初登場でしたが、いい人ですねー。
最後、一家の人にはダメ出しされてましたけど、無事に出産されるといいですね。

僕もGWが終わったら、お話書くのを再開します。今ようやくかぼす君がユファファに会うとこですね。
かぼす君は憎まれっ子なので、話の持ってきかたが難しいです。。

ともあれ、面白いお話でした。またお願いします~。

それでは~。


Re: かんけつ~
クルク
コウさん、こばわんわ(・▽・)ノ

読んでいただいて、ありがとうございます★
こんなに長くなるはずじゃなかったのに(^_^;)

梅は、すでに赤99ですw
サンちゃんを忍者に育てよっかな~と思ってて、それには梅の設定を引きこもりから更新させなくちゃならなくて。
で、ちょっと前からベドーに行かせたり、デルクフに行かせたりっていうお話書いてて、今回のお話で剣が手元に戻ったので、これで解禁ってことでいっかな~ってw
剣は2本とも、ゴブ箱から出てました★
出したのは2本ともうずらという、何か変な因果を感じますww

梅の設定では、王立騎士団希望だったけど、家系の都合で神殿騎士団になってガッカリって感じです。
クリルラパパは、赤AFの時に出て来てました(・▽・)ノ

シュリーナへのダメ出しは、親族の欲目ですよね、きっとw
普段なら絶対に言わないし思いもしないのかもしれないけど、お酒が入ってるのと、「元許嫁」に対するちょっとした対抗意識?みたいなw

ユファちゃんとかぼす!
絶対にユファちゃん、かぼすにムカつきますよねwww
きっと、ユファちゃんに言いたいこと言っちゃうんだろうなぁ(^_^;)
コウさんにお仕置きされればいいww
どんなヒトデナシぶりが読めるのか、ワクワクしてます♪(*´▽`*)ノ



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やぁ、バルファルだ。
ここんとこオレは、ウィンダスでノンビリしちまってる。
体が鈍ってきたな~って感じる前に、元に戻しておかないとな!
じゃないと、すぐにおっさんに見抜かれちまう。
おっさんっていうのはオレの剣の師匠で、うずらさんが事件に巻き込まれた時にも世話になってる、コウって名前のタルタルだよ。
それでモグハで素振りしてたんだけど、危ないから止めろってモグに言われた。
だったら爺やに相手になってもらおうと思って行ったんだけど、断られちまった。

「爺では、もう坊っちゃまの相手は務まりますまい」
「そんなことないよ」
「いいえ、爺にはわかります」

小さかった頃は、爺やに剣の持ち方から教わったんだ。
剣を上手く片手で振り回すことが出来なくて、それで両手で持つようになったのが、オレが両手剣を扱うようになった始まりなんだ。
オレがどんなに力いっぱい振り下ろしても、爺やはビクともしないで剣を受けていたんだけどな。
そっか・・・オレ、あの頃よりずっと強くなってるんだな。

「梅ならどうでしょう?」
「梅さんかぁ。・・・そうだな、どうせヒマしてるだろうし、行ってみるかな」

オレはちょっと興味が湧いてきた。
梅さんはベドーの大伽藍や、デルクフの塔の上層にも軽装で行くくらいだ。
持っていたのは粗悪な片手剣だったけど、それなりに腕は立ちそうだって思ってたんだ。
一緒に行くかって聞いたんだけど、爺やは装備品の手入れをするとか言ってた。


梅さんのモグハを訪ねたら、モグが出てきて中に通してくれた。
みんなが言ってるけど、ここのモグは口うるさいんだ。
でも今日は、何だかご機嫌みたいだな。

「サンラーさんとご主人さまは、中庭にいるクポ。モグが中庭を作ったクポよ。そしたらサンラーさんが、すごいステキですってモグを褒めてくれたクポ♪」

そういやうちも、中庭を作るから設計図が欲しいって、モグが言ってたっけな。
中庭に出てみると、桜の木の下にテーブルが置かれていた。
二人は、空いているスペースに何を置くかと相談しているところだった。
挨拶すると、さっそくサンラーがお茶を淹れに行ってしまった。
オレが手合わせをしてもらいたい事を伝えると、梅さんは首を横に振ったんだ。

「剣がない」
「え・・・。この間持ってた、あの剣は?」
「立てかけておいたら、モグが掃除中に椅子を倒してな。当たって柄から折れてしまった」
「えぇぇぇ!? そんな剣使ってたのかよ・・・」
「クルたんにも言われていたし、新しい剣を用意しようと思って探しているんだが、どうもこれという物がなくてな」

あんな剣を使ってたくらいだから、何だっていいだろうと思うけど、やっぱりイザとなるとこだわっちまうんだろうな。

「昔使ってた剣は?」
「墓の中だ」
「墓・・・」

梅さんがサンドリアに戻れない話は、だいたい聞いて知っている。
墓に埋めたってことは、死体と一緒ってことだよな?
そんなもん、誰が掘り出すか!

「他には?」
「処分されていなければ、実家の俺の部屋だ」
「取りに・・・は行けないか」
「忍び込もうと思えば、出来ないこともないが」
「それは止めとこうぜ」
「・・・ふむ、インス二で行けるな」
「ふむ、じゃなくて! 扉を開ける度に掛け直すんだぞ。それに、もし見つかったりしたら、幽霊騒動じゃ済まないぜ」
「そうです、梅先生は待っていてください」

サンラーが、お茶の用意を整えて戻ってきた。
それよりもオレは、サンラーが言った言葉が気になった。
待っていて・・・って言ったよな?

「わたしとバルファルさんで、忍び込んで剣を取ってきます」
「おい、ちょっと待て!」
「わたし一人じゃ心細いですけど、バルファルさんと一緒だったら、きっと大丈夫です」
「そういう事じゃなくってな、忍び込むってのが問題なんだ」
「だって、インス二すれば姿も音も消せるのでしょ? わたしはお薬を使います。バルファルさんは、確かジグでインス二出来ましたよね?」
「出来るけど・・・」
「でしたら、扉を開けるのはバルファルさんにお任せします」
「だったらオレが一人で行くよ」
「わたしがいたら、足手まといですか? でしたら、梅先生の剣のために、わたしは待っていますけど・・・」

シュンとしたサンラーには気の毒だけど、オレは忍び込む気すらなかったよ。
だってさ、もし見つかっても、モンスターなら戦って倒せばいいけど、人間はそうはいかないじゃないか。
捕まれば不法侵入と窃盗の罪で、確実に牢獄送りだろう。
そんなリスクを犯すより、もっといい方法があるだろ。

「うずらさんかチリさんに頼んで、取ってきてもらえばいいじゃないか」
「どういう理由で、彼女たちは俺の剣を取りに行くのだ?」
「理由は・・・あ、そうだ。弟がいるんだろ? 連絡は出来ないのか?」
「バルファルさん・・・」
「だからさぁ・・・あー、もう、わかったよっ! サンラー、準備して来いよ」
「はいっ!」

大きく頷いたサンラーが、走って中庭を出て行く。
やれやれ、仕方ないぜ。
オレが断ったなんて、クルクの耳に入ってみろよ。
なに言われるか、わかったもんじゃないもんな。
ところが、優雅にカップを口に運びながら、梅さんがとんでもないことを言い出したんだ。

「そうだな。幽霊騒動にしてしまえば、墓の中の剣も取り出せるな」
「はぁぁ?」
「よし。バルファルはサンラーと先に屋敷に入り込んで、怪奇現象を起こしておいてくれ」
「怪奇現象~?」
「その程度のことなら、見つかってもどうということはないだろう」
「いや、大ありだと思うぜ」
「そうか? まぁ、その時の責任は俺が取る」
「梅さんに責任を取らせるわけにはいかないだろうよ」

責任を取るってことは、生きてたってことをバラすことになるんだろ?
んなことがバレたら、本当に幽霊騒動どころの話じゃなくなる。

「サンラーは置いて、オレだけが行こうか?」
「いや、連れて行ってやってくれ」
「何でだよ?」
「このところ、冒険をしたいと言っていてな」
「冒険くらい連れてってやれよ・・・って、それには剣が必要なわけだな」
「サンラーは聞き分けがいいし、機転も利くぞ」
「秘蔵っ子自慢かよ」
「屋敷に忍び込んで、俺の部屋で物音を立てたりするだけでいい」
「怪奇現象な」
「ただし、あまりやり過ぎるなよ。シュリーナは身重だからな」
「シュリーナさんて、梅先生の弟さんの奥さんですよね?」

動きやすい装備に着替えたサンラーが、ワクワクした顔をして戻って来た。
腰には小さなカバンと短剣を携えている。

「でしたら、シュリーナさんには事情をお話ししてもいいですよね?」
「そうだな。・・・出来れば弟にも話を通しておきたいからな、うずらの店に行くように言付けておいてくれ」
「それで、どうするつもりなんだ?」
「揃える物があるから・・・とりあえず、2日ほど潜入していてくれ」
「はい!」
「マジかよ~」

それから梅さんは、家までの地図と、屋敷の見取り図を簡単に描いて説明してくれた。
モンスターが待ち構えているダンジョンに入るわけじゃないから、武器はいらないだろうと思ったが、持ってこなかった事を後悔する事態になった時の事を考えて、オレも背中の剣は下ろさずに行くことに決めた。

「もしかしたら、俺の部屋自体なくなっているかもしれん」
「その時はどうするんだ?」
「姿を消したまま、適当に屋敷の中を走り回れ」
「へいへい、了解だ」
「サンラー、頼んだぞ」
「はいっ!!」

やたら張り切っているサンラーを連れて、オレはクリスタルでサンドリアへと飛んだ。
一緒にいるのがサンラーだからなのか、あるいは他人の家に忍び込むからなのか、オレはいつになく緊張していた。
だけどさ、これってやっぱり犯罪だよな?
そう思えば思うほど、やましい気持ちになってくる。
隣を歩くサンラーを見ると、相変わらず目をキラキラとさせていた。
冒険、かぁ・・・。
覚えた道を歩きながら、これは犯罪じゃないと、オレは自分に言い聞かせていたよ。

やがて、目的の屋敷が見えて来た。
オレたちは一度前を素通りしてから、脇道に置かれていた樽の陰に体を潜めさせた。

「いいか? これは遊びじゃないぞ」
「わかっています」
「見つかったらオレたちだけじゃなく、梅さんにも罪が及ぶんだ。もしそんなことになったら、クルクは黙っていないだろうし、うずらさんやチリさんだって同じだ」
「黒糖さんもです」
「そうだな。かぼすだって、ぴよさんやクマさんだって、な」
「はい」
「インビジをかけたら、お互いが見えなくなる。勝手に動き回るなよ」
「わかりました」

大きく頷いたサンラーは、真剣な目をしていた。
聞き分けの良さに関しては、梅さんが自慢するだけのことはありそうだ。
その点は、クルクよりも安心できた。

さて、一番の問題は、家に入ることだった。
道すがらずっと考えていたんだけど、サンラーがいい案があると言い出した。

「木の棒で、扉をノックするんです。そして木の棒を玄関の前に置いて隠れます。出てきた人は、誰もいなくて、ただ木の棒が落ちているのを見つけますよね。お屋敷の人だったら、その棒を置いたままにはしないと思うんです」
「そうか。出てきて棒を拾うよな」
「その隙に、入りましょう!」
「冴えてるな!」
「この前読んだ本に、そういうシーンがあったんです」

サンラーは照れくさそうに、エヘヘと笑った。
だけど、そんなに都合のいい木の棒は落ちていなかったんだ。
オレは落とすアイテムを変更することにして、通りに人気がなくなるのを見計らい、サンラーにオイルとパウダーを使うように指示をした。
サンラーの姿が消えたのを確認して、オレは 「行くぞ」 と小声で囁いた。

玄関から2~3歩離れた場所に、オレは血染めの衣を置いた。
血染めの衣は使う用途もないし、捨てようと思ったままずっとカバンに入りっぱなしになってたんだ。
ここで捨てられて、サッパリしたぜ。
それから、握った拳で扉を乱暴にドンドンと叩き、すぐにジグで姿を消した。
少しの間があり、玄関扉が開くと、中年の男性エルヴァーンが姿を見せた。
お仕着せのような服を着ていることから察すると、おそらく使用人だろう。
彼は少し先に落ちている物に気が付き、辺りを見回しながら玄関から出て来た。
誰もいないことが不思議なのだろう、首を傾げながら落ちている物を拾い、そして 「うわぁっ」 と声を上げていた。
もちろんオレたちは、その隙に中へと入り込んでいたよ。
そして、血染めの衣を指でつまんだ使用人が、喚きながら廊下の奥へと姿を消すのを待ってから、オレはひそめた声でサンラーを探した。

「サンラー、いるか?」
「ここにいます」

スニークのせいで、ひそめた声が更に小さくくぐもって聞こえる。
サンラーの手が腕に当たったから、はぐれないように手を繋ぐことにした。
まずは、二階にあるはずの、梅さんの部屋からだ。
姿と音を消しているとわかっていても、忍び足になっちまうのは、やっぱり家に忍び込んでいるっていう心理かな?
階段を上ろうとした時に、上から物音が聞こえた。
見上げると、お腹の大きなエルヴァーンの女の人が、一段一段階段を下りて来るところだった。
あの人が、シュリーナさんだな。
ゆったりとしたドレスを着ていて、片手をお腹に当て、もう片手で階段の手すりを掴んでいた。
見ていて危なっかしくって、手を貸したくなっちまう。
それはサンラーも同じだったようで、自然と握っている指に力が入っている。
もしも足を滑らせたりして落ちそうになったら、きっとオレたちは咄嗟に助けてしまうだろう。
だけど、その心配はすぐになくなった。
さっきの使用人と入れ替わるように姿を見せたのは、真っ白なエプロンを着けた女性のエルヴァーンだった。
オレたちは階段の脇へ退き、彼女が階段を駆け上がるのを見上げていた。

「奥様、危のうございますわ」
「あぁ、ポリエッタ・・・ごめんなさいね。今、お客様がお見えじゃなかった?」
「いいえ。玄関に汚らしい衣が落ちていたのを、ジョハンが大騒ぎしていただけですわ」
「そう・・・?」
「さぁ、お体に障りますから、お部屋でお休みになってくださいな」

オレはヒヤリとしたよ。
もしかしたら、二階の窓から見られていたんじゃないかって。
でもシュリーナさんはそれ以上なにも言わなかったし、ポリエッタっていう名前の使用人の女の人に連れられて戻って行ったんだ。
二人の姿が見えなくなってから、オレは繋いでいた手でサンラーに合図すると、階段を速足で上って行った。
長い廊下の一番奥、そこが梅さんの部屋のはずだった。
シュリーナさんがどこの部屋に入ったのかわからなかったけど、とりあえずオレたちは一気に駆け抜けた。
部屋の前に辿り着き、後ろを振り返ってみたけど誰もいない。
ドアを開けるには、インビジを解かなきゃならない。
だけど、ドアにカギがかかっていたら?
もしもポリエッタがシュリーナさんの部屋から出て来たら?
考えている時間に、ジグが切れちまう。
オレは腹を決めて、インビジを解いた。
こんなに緊張したのは、限界突破でダボイの奥修道やベドーの大伽藍に入った時以来かもしれないな。
素早く動いているつもりなのに、やけに動作が鈍く感じる。
高い位置にあるドアノブを掴んで回すと、カチャリと音を立ててドアは開いた。
空気の動きで、サンラーが中へと入ったことがわかった。
オレも部屋に入ろうとした時、後ろでドアが開く音が聞こえたんだ。
ポリエッタが、シュリーナさんの部屋から出て行くのだろう。
間一髪、部屋に滑り込んだオレは、ドアを最後まで閉めずにそっと閉じた。
耳を澄ますと、ドア越しに遠ざかって行く足音が聞こえた。

「・・・大丈夫みたいだな。・・・サンラー?」
「・・・・・・」
「サンラー、いるか?」
「あ、ここです」

インビジを解いたサンラーは、壁の一面を見上げていた。
そこには、立派な暖炉があった。
いつでもすぐに火を起こせるように、新しい薪が積まれている。
その暖炉の上に、梅さんの肖像画が掛けられていた。
ここが梅さんの部屋で、間違いはなさそうだ。
それにしても・・・。

「スゲーなぁ」
「・・・・・・」
「こんなデカい自分の肖像画が部屋にあるって、どうなんだろうな」
「・・・・・・」

オレの言葉に返事もなく、サンラーはずっと見上げている。

「持って帰るか?」
「そ、そんなこと出来ませんよっ!」
「シ―ッ!」

顔を真っ赤にしたサンラーが、両手で口を押さえた。
改めて部屋を見回せば、設えられている調度品はどれも格式が高そうだ。
部屋の掃除は行き届いているようだし、いつ部屋の主が戻ってきてもいいように、ベッドメイクもされている。
死んだことになってるのに、な。

そして、大きな棚の横の壁に、二本の片手剣が飾られていた。
まだ梅さんを見上げているサンラーをそのままにして、オレは剣を見上げた。
一本は、細身のレイピア系の剣だ。
そしてもう一本は、柄の装飾が特徴的な、あれはウィングソードか?
ちょっと手に取って見てみようと思ったけど、高い位置にあるので手が届かない。
椅子に乗ったら取れるかな?
オレは机の前にあった椅子を壁の側へと移動させて、その上に立って腕を伸ばした。
剣に触ることは出来たけど、固定されているのか取ることが出来ない。
やっとサンラーがやって来て、後ろからオレを支えてくれた。
つま先立ちになって、何とか剣を外すことが出来たけど、思っていた以上の重さにバランスが崩れ・・・。

「っわ・・・わわっ・・・」
「危ないですっ・・・キャァ!」

フワリと体が浮き、いや、沈み、次の瞬間、大きな音と振動を響かせて、オレは床に落ちていた。

「イタタ・・・」
「大丈夫ですか!?」

サンラーが駆け寄って訊ねてくれたけど、それよりもオレは別の声に耳を傾けていた。

「今の音は何ですの!?」
「奥様!?」
「わたくしではないわ」
「こっちから、すごい音が聞こえましたぞ!」

ヤバい!
オレは体を起こしながら、剣を目で探した。
剣は床を滑って、ドアの前に落ちていた。
バタバタと数人の足音が迫って来ている。
オレが椅子を蹴って元の位置に戻している間に、サンラーはカバンからパウダーを取り出している。
だが、それじゃ間に合わない!

「隠れろ!」

オレはサンラーをベッドの方へと突き飛ばし、自分もその下へと滑り込んだ。
デカいベッドの下には 、タルタルが隠れるだけの余裕が十分にあった。
ドアが開いたのは、そのすぐ後だった。

「何が・・・あっ・・・」
「どうした?」
「剣が落ちてますわ」
「なぜこんな場所に?」
「壁掛けが外れたのでしょうか?」
「いや、そうではなさそうだ」

オレはベッドの下から、部屋に入って来た数人の足を見ていた。
みんなしてウロウロと部屋の中を歩き回っているが、剣が落ちていたこと以外に異常を見つけられなくて、しばらくして全員の足がドアの向こうへと消えた。
オレは大きく息を吐き出し、ベッドの下でうつ伏せになった。

「大丈夫ですか?」
「悪かった。あんなに重いとは、思ってなかったんだ」

タルタルが持つ剣とエルヴァーンが持つ剣じゃ、大きさや重さが違うのは当たり前だ。
不安定な足場で、重たい剣を下ろそうとしたんだ。
こうなることは、想定しておくべきだったよ。
自分の迂闊さに落ち込んでいると、サンラーがクスクスと笑った。

「・・・なんだよ」
「怪奇現象、その1ですね」
「あ・・・アハハ、それもそうだな」

つまり、こんな感じにこの部屋でちょっとした騒ぎを起こしていればいいってことか。
ベッドの下から這い出すと、剣は元の場所に飾られていた。
もう一回くらい、落としてもいいかもな。
そんなことを思っていたら、いきなり服の後ろを掴まれて引きづり倒された。
「ぐぎょっ」 とかいう声が出てしまったが、すぐにサンラーに口をふさがれた。
何だと見ると、サンラーがベッドの下から反対側を指さしていた。
反対側・・・部屋のドアが開いている!?
そして、ドレスの裾が見えていた。
オレはそっとベッドの下に這い戻った。

ドレスの裾は部屋の中へと入り、音を立てずにドアが閉まる。
ゆっくりと、一歩、二歩・・・そこで足が止まり、小さな囁くような声が聞こえた。
その声は、シュリーナさんだった。

「だ、誰か・・・いるのですか?・・・お金や、宝石でしたら、さ、差し上げます。そっと、逃がして差し上げます。で、ですから、どうか・・・」

もしも本物の強盗がいたら、これは利口な行動とは言えないな。
お腹に赤ちゃんがいるなら尚更、1人で対峙すべきじゃないよ。
サンラーはどう思っているのかわからないけど、出て行こうとオレに頷いている。
そうだな、シュリーナさんには説明しておいた方がいいって、梅さんも言ってたし。
オレはサンラーに頷き返した。

「・・・驚かして、ゴメンなさい」

そう言いながら、サンラーがベッドの下から這い出した。
その後に、オレも続く。
するとシュリーナさんが、 「あなたはさっき玄関にいた・・・」 って、オレを見て言ったんだ。
やっぱり見られていたのか。

「オレたち、泥棒じゃないから。・・・って言っても、信じらんないよな」
「初めまして。わたしはサンラーと言います。こちらは、バルファルさんです」
「あ、ども・・・」

サンラーが腰をかがめて、まるで淑女みたいに優雅なお辞儀をするもんだから、オレもつられてお辞儀をした。
シュリーナさんは胸の前で両手を握ったまま、オレたちを見つめていた。
驚いているんだろうし、怖くもあるだろう。
表情は強張っていたけれど、エルヴァーン特有の優美な顔付きで、キレイな人だった。
ここはサンラーに任した方がよさそうだと、オレは黙っていることにした。

「シュリーナさん、ですよね?」
「・・・え、えぇ・・・」
「わたし、シュリーナさんの旦那様のお兄さんに、お世話になっているんです。・・・って言ったら、わかりますか?」

すると、シュリーナさんの目がみるみる見開き、握っていた手を口元に当てた。
よっぽどホッとしたのか、床に座りそうになるのを、オレとサンラーでソファーに導き座らせたんだ。

「メイヴェル様は、お元気でいらっしゃるのでしょうか?」
「はい、元気です。わたしは、梅先生とお呼びしています」
「これは、一体・・・」
「えっとですね、実は、梅先生が使っていた剣を、持ち帰らせていただきたいのです」
「それで、あの剣を・・・?」
「あの剣もそうなんだけど、一番は、墓に埋められている剣なんだ」

ここでオレが話を引き継いだ。
墓に埋められている剣を掘り出すために、ちょっとした幽霊騒動を企んでいること。
それで、オレとサンラーで怪奇現象をでっち上げて起こそうと思っていること。
だけど、シュリーナさんの身体に障らないように、全てを打ち明けるように言われたこと。
梅さんの弟に、うずらさんの店に行くように伝えて欲しいこと。
それらを全て話して聞かせたんだ。

「まぁ・・・。うずらさんとも、お知り合いですのね?」
「あぁ、仲間だ」
「わたくし、メイヴェル様とうずらさんには、感謝をしてもしきれませんの。何でもお手伝いいたしますわ」
「そう言ってもらえると、助かるよ」
「主人には、戻りましたらすぐに伝えますわ。それと、わたくしは何をすればよろしいの?」
「えっと、そうだな・・・」
「怖がってもらうのはどうでしょう? わたしたちが物音を立てますから、幽霊がいるって怖がってみてください」
「お芝居みたいで、面白そうですわ」
「わたしたちは、姿を消したりしますけど、このお部屋にいさせてください」
「わかりました。・・・それで・・・?」
「あー、部屋に戻っていいよ。音がしたら、怖いって言えばいいからさ」

シュリーナさんはコックリ頷くと、自分の部屋へ戻って行った。
それからオレたちは、さっそく次の怪奇現象の相談をした。
もう一度剣を落すか、それとも、叫んでみるか・・・。

「お部屋のドアを、バーンって開けてみましょうか」
「うっは・・・こえぇ・・・」
「いかにも、何かがこのお部屋に出入りしているっていう風ですよね」

これは芝居で、オレは仕込み側だからいいようなものの、こんなこと知らないでやられたら、オレなら気絶するぜ。
サンラーはパウダーの用意をして、オレはドアノブを回した。
そして二人で思いっきり、力任せにドアを押し開けると、勢いよく開いたドアが派手な音を立てて壁にぶつかった。

「何の音!?」
「また二階よ」
「今度はなんだ!?」

バタバタと階段を駆け上がって来る足音が聞こえた時には、オレとサンラーは姿を消していた。
やって来たのは、ポリエッタとジョハンと、髪を二つに結んだ女性だった。

「か、風で開いたのかしら?」
「窓なんか開いていないだろう」
「イヤだわ、何かおかしくない?」
「奥様はご無事かしら」

3人は代わる代わる顔だけで部屋を覗き込んで、すぐに扉を閉めてしまった。
オレは閉まったドアに体当たりしてみた。
ドン!という音の後に、キャーという悲鳴が外から聞こえた。
サンラーに 「これは遊びじゃない」 なんて言ったけど、ちょっと楽しくなってきちまったぞ。
だけど、やり過ぎないようにしないとな。
他にすることもなくて、オレはベッドの下に潜り込んで横になった。
梅さん、どうするつもりなんだろう・・・。

いつの間にか寝ていたみたいで、目が覚めた時は部屋が薄暗くなっていた。
のそのそとベッドの下から這い出すと、サンラーはソファーに座って本を読んでいた。

「暗くなってきたな」
「えぇ。明かりは点けたらダメですよね」
「そうだな」

魔光草でもあったら、自然と明るくなるのにな。
それに、腹が減ってきた。
夜中になったら台所にでも行って、食べ物をもらってくるかな。
・・・とか考えていたら、急に廊下で声が聞こえた。
サンラーは急いで本を戻すと、ベッドの下に滑り込んだ。
オレはジグで姿を消して、その場に立っていた。

「何をたわけた事を言っているのだ」

その声と同時に、ドアが開いて部屋が明るくなった。
入って来たのは、厳つい顔つきのエルヴァーンの男性だ。
すぐ後ろにランプを持ったジョハンがいて、「ですが、旦那様」 と言っているから、この人が梅さんの弟のロディファスさんか。
どちらかと言えば優男風に見える梅さんとは全然似ていなくって、言われなければ兄弟だなんてわからないや。
それに、この人の方が年上に見えるな。

「剣が落ちたのは、支えが外れたからだろう。ドアが勝手に開いたのは、窓でも開いていたのだろう。兄上の霊などと、バカげたことを言うんじゃない」
「支えは外れてはおらず、窓は閉まっておりました。それに、おかしなことが起こる少し前に、ボロボロの衣が玄関に落ちていたのです」
「衣だと?」
「はい。それは血が染み込んで茶色くなってしまっていて・・・メイヴェル様がお亡くなりになったのは、オークの集団に・・・」
「止めろ、バカバカしい!」

オレは吹き出しそうになるのをグッと堪えたよ。
そっか、オレが捨てた血染めの衣が、いい感じにアクセントになってたんだな。
使用人たちが関連付けてくれて、むしろありがとなって感じだ。
ロディファスさんは梅さんが生きていることを知ってるから、幽霊だとか言われても信じないのは当たり前だ。
だけどジョハンから 「奥様は、大変怯えられていらっしゃいます」 って聞くと、ロディファスさんは眉間に深いシワを作って部屋を出て行ったんだ。
オレは閉まったドアに耳を当ててみたけど、話声は聞こえては来なかった。

ベッドの下から顔を出したサンラーが、オレを見上げた。
ジグが切れたらしい。

「シュリーナさんから、わたしたちのことを聞くかしら?」
「オレたちのことを聞いて、それからうずらさんの店にも行くだろうな」
「それからまた、お家に戻って来るのですよね?」
「そりゃそうだろ」
「でしたら、ロディファスさんが戻る時に、わたしたちも入れてもらえますよね?」
「入れてもらえる?」

何のことを言っているのかと首を傾げていると、サンラーがオレンジジュースが飲みたいと言い出した。
ココからデジョンして、うずらさんの店に行って、ロディファスさんと会い、屋敷に一緒に戻る。
つまり、そういうことか!

「腹も減ったよな。よし、それじゃうずらさんの店に行くとするか」
「はい」

サンラーは呪符で、オレは指輪で一度ウィンダスに戻り、そこからサンドリアにとんぼ返りだ。
サンラーがプリズムパウダーをもう少し買い足しておきたいと言うので、競売所で手に入れてからうずらさんの店へと出かけた。

「あら? お店のランプが点いていませんね」
「今日は休みか?」
「でも、中は明かりがついているみたいです」

閉められている窓のカーテンから、仄かな明かりが漏れていた。
オレたちは裏口へと回り、扉をノックした。
2回目にノックをした時、中から 「どなた?」 と言うチリさんの声が聞こえた。

「バルファルだ。それから、サンラーも」
「あらあら、まぁ・・・」

すぐにドアが開き、チリさんがオレたちを招き入れてくれた。
そして店の方へ顔を向けると、「うずらちゃん、バルファルさんとサンラーさんよ」 と声をかける。

「それじゃ、私は行って来ますわね」
「うん、お願いね」

そのままチリさんは、オレとサンラーに 「がんばってくださいね」 って言って、店から出て行った。
うずらさんはカウンターの中にいて、何かを作っているらしい。
その前の席には、さっき梅さんの部屋で見たエルヴァーン、ロディファスさんが座っていた。
オレとサンラーは、何となくロディファスさんに会釈をした。
すると、ロディファスさんもオレたちを見ながら、会釈を返してくれたよ。

「今日は休みなのか?」
「臨時休業よ」
「それでチリさんは、どこ行ったんだ?」
「ん、ちょっと黒糖さんの所」
「爺やの所? 何しに?」
「夜なべでお裁縫」
「はぁ?」

うずらさんは意味深に 「うふふ」 と笑った。
それから、うずらさんはオレたちのことをロディファスさんに紹介したんだ。

「この二人がさっき話した、怪奇現象の原因よ。バルちゃんと、サンちゃん。それでこちらが」
「ロディファスさんだろ? オレはバルファルだ」
「サンラーと申します」
「貴方がたでしたか!」

ロディファスさんは厳つい顔で頷きながら、わざわざ席から立ち上がってお辞儀をしてくれた。
顔の割には、真面目な人っぽいな。
それから、やけにサンラーのことをまじまじと見ていると思ったら、うずらさんがまたクスクスと笑い出した。

「ロディファス様、この子が梅ちゃんの秘蔵っ子よ。バルちゃんは見つかっても仕方ないけど、サンちゃんだけは何としても守らないと、梅ちゃんに何されるかわからないわよ~?」
「オレは見つかっても仕方ないのかよ!」
「バルちゃ~ん、クルたんがオカンムリよ。『面白そうなこと、何でクルクに内緒にしてるのさ!』 ですって」
「うへぇ・・・。で、クルクはどこにいるんだ?」
「梅ちゃんに頼まれごとされて、彫金師の所にお使いに行ってるわ」
「彫金師~?」
「ほら、クルたんの親友に、匠がいるって言ってたじゃない?」
「あぁ・・・」

タルタルの女性で、名前は確か・・・ライカだったか。
三つ子で、三人とも合成の匠だって聞いたな。
クルクは親友のくせに、三人の見分けがつかないって言ってたっけ。
「きっと同一人物なんだよ」 とか、バカなことを言っていた。
オレたちが背の高い椅子によじ登って座ると、うずらさんは作り立てのサンドイッチを皿に盛って出してくれた。

「ロディファス様に、持って行ってもらおうと思っていたのよ。お腹減ってるでしょ? サンちゃんは、オレンジジュースでいい? バルちゃんは?」
「オレも同じでいいや」

オレの隣で、改めてサンラーとロディファスさんが挨拶を交わしている。
オレはサンドイッチをパクつきながら、うずらさんに向き直った。

「でさ、梅さんは何をしようっていうんだ?」
「さぁね、詳しいことはあたしも知らないわ」
「・・・うそつけ」
「あら、何でそう思うのよ?」
「例の一件に関しちゃ、アンタらツーカーなんだろ? オレらに言わないことでも、梅さんはうずらさんには説明くらいするだろうと思ってさ。それにうずらさんは、知らないまま協力なんかしないだろ?」

うずらさんは目を細めてオレを見ると、フフンと笑った。

「そうね・・・。とにかく、梅ちゃんは埋めてしまった剣を手元に戻したいのよ。ずっと使っていた剣だったからね。だからこそ、遺体が梅ちゃんじゃないと疑われないように、一緒に埋葬しなくちゃならなかったんだけど」
「部屋にウィングソードがあったけど、やっぱりあれじゃダメなのか・・・」
「あの剣は、ウィングソードではないのです」

聞いていたのか、ロディファスさんが教えてくれた。
部屋に飾ってあった剣も梅さんのお気に入りだったらしく、刃がキレイなのだそうだ。
刃がキレイ?
似ているけどウィングソードじゃなくって、刃がキレイって言うと・・・エフェメロンか?
抜刀すると陽炎みたいな霞が刃を覆い、光の粒が舞うっていう・・・。
エフェメロンがあるなら、それでいいじゃないかって思うけどな。

その時、店の裏口を叩く音が聞こえた。
やって来たのは、クマさんだった。

「お待たせ。かぼちゃん特製、悪霊セットだよ。説明が書いてある手紙も預かって来たから、その通りにしてね」
「ありがとう。何か飲んで行く?」
「うぅん、これから黒糖さんの所に行くから」
「大変だけど、よろしくお願いね」
「任せて!」

クマさんはこっちに顔を向けて、ヒラヒラと手を振ってから帰って行った。
悪霊セットとかいうのは数枚の呪符で、うずらさんは添えられていた手紙を見ながらそれを分けて、オレとロディファスさんの前に置いた。

「ロディファス様は、大聖堂から護符をもらってきたと言って、この呪符を梅ちゃんの部屋のドアに貼ってくださいな。あとは、手筈通りに・・・」
「うむ、わかった」
「手筈ってなんだ?」
「バルちゃんたちは、梅ちゃんの部屋に戻ったら、コレを暖炉の中とカーテンの見えない所に貼ってね。炎のマークがある方が暖炉よ。間違えないで」
「あ、あぁ・・・」
「それから、適当に床や壁やドアを叩いたりして、怪奇現象を起こし続けてちょうだいね。ただし、ドアは開けないように」
「はい、わかりました」

手筈が何だかわからないままだったが、それはロディファスさんがどうにかすることなんだろうな。
腹も一杯になったし、ロディファスさんが帰るみたいだから、オレたちも腰を上げた。
うずらさんは明日の分だと言って、パンやチーズ、スモークした肉を包んでくれたよ。
それと、小さなランタンも渡してくれた。

「黒糖さんたちとクルたん次第なんだけど、早ければ明日中には片が付くはずよ。あんまり怪奇現象を長引かせると、使用人たちが街で話のネタにしちゃいかねないから」
「それに関しては、私が箝口令を布いておきましょう」
「お願いするわ」

店から出て屋敷へ戻りながら、サンラーはロディファスさんに、梅さんは昔から豆が嫌いだったのかって聞いてたよ。
子供の頃から嫌いだったそうだ。
でもサンドリアって言ったら、豆料理が有名じゃなかったっけ?
ロディファスさんは、豆のシチューが大好物らしい。
そんな他愛もない話をしていたら、あっという間に屋敷に着いた。
オレとサンラーはインスニをして、ロディファスさんの後に続いた。
普通に玄関を入り、そのまま先に階段を上っていると、ロディファスさんがジョハンとポリエッタを呼んだ。

「お帰りなさいませ」
「シュリーナはどうしている?」
「奥様は、落ち着いていらっしゃいます」
「あれから、おかしな物音は聞こえておりません」
「・・・そうか。とりあえず、大聖堂の司教様から護符をいただいてきた。私は霊など信じてはおらんが、皆も面白おかしく噂話などせぬよう、注意しておくように」
「それはもちろんでございます」
「では、護符を・・・」
「いや、これはこの家の主人である私が貼るようにと言い付かった」
「かしこまりました」

階段を上る音が聞こえ、ロディファスさんとジョハンがこちらへやって来る。
ロディファスさんは梅さんの部屋の前で立ち止まり、ゆっくりと部屋のドアを開いてくれた。
オレたちは何の問題もなく、梅さんの部屋に入れたよ。
ドアを開けたロディファスさんは、部屋の中の様子を窺うような仕草をしてから、ドアを閉めた。
それからカサコソという音がドアからしていたから、きっと護符を貼っているんだろう。
かぼすが作った、インチキの護符だ。

「仮に霊というものがいたとすれば、これで閉じ込めたことになる。明日明後日にでも、霊験あらたかな司教様が、お払いに来てくださることになっている。それまで、決してこの部屋を開けてはならん。よいな」

ロディファスさんはそう言って、自分の部屋へ戻って行ったみたいだ。
となれば、誰もこの部屋には入って来ない。
オレはうずらさんからもらったランタンに火を入れて、ベッドとソファーの間の床に置いた。
小さいけど、真っ暗な部屋の中では十分に明るく感じるよ。
かぼすの呪符は、夜が明けてから貼ることにした。

「サンラーは、ベッドで寝ろよ。オレはソファーで寝るからさ」
「でも・・・」
「怪奇現象はまだ続くんだから、ベッドが乱れていたって平気だよ」
「はい」
「じゃ、寝る前にいっちょ、床でも叩いておくか」

サンラーが靴を脱いでベッドによじ登っているのを見ながら、オレは両手剣で床を不規則に数回叩いた。
それからランプの明かりを小さくして、オレはソファーに横になった。
爺や達は、何をしてるんだろう?
不審に思われずに墓の中の剣を取り出すって、どうやるんだろう?
ぼんやり考えていたら、突然ガリガリという音が聞こえた。
オレは起き上がり、ベッドを見た。
サンラーも体を起こして、オレの方を見ている。

「今の音・・・」
「・・・何でしょう?」

その場で静止したまま耳を澄ましていると、またガリガリという音が聞こえて来た。
何かを引っかいているような音は、部屋の入り口の方から聞こえている。

「ドアを・・・開けろって催促しているみたい・・・」
「お、オポオポでも、飼ってるのか・・・?」
「ホンモノのオバケかも・・・」
「バ、バカっ、そんなこと言うなよっ!」

オレもチラッとそう考えていたから、声に出して言われると、怖さが余計に増しちまった。
いや、もしかしたら、かぼすのインチキ護符の仕業かもしれないぜ?
でも、そうだとしたら、オレたちが怪奇現象を起こし続ける必要はないはずだよな。
うずらさんも、そう言うはずだ。
じゃぁ、何が音を立ててるんだよ!?
ガリガリという音は続いていて、焦れているようにだんだん早くなっている。
そして、一瞬止まったと思った次の瞬間、ドーンドーンと大きな音がドアから聞こえ・・・静かになった。

「バ、バルファルさん・・・」
「お、おう・・・」
「コワイです」
「オレもだ」

男の見栄とか、そんなの一かけらも頭になかったよ。
ただ、デジョンもしないでそこにいられたのは、「バルはコワがりで、ヨワッチイんだもんね~」 と言ってプププと笑う、子供の頃のクルクの顔が脳裏をよぎったからだ。
物陰から飛び出して来ては脅かされ、後ろにオバケがいると指さされては脅かされ、その度にオレは 「クルたん、やめてよ~」 と言って泣いていた。
くっそ! オレはもう爺やよりも強いんだぞ!

「オバケでも何でも来やがれっ」

音が聞こえなくなったからじゃ、決してない。
オレは両手剣を握って、朝まで素振りをすることにした。
ここんとこの練習不足も、それで解消されるだろう。
サンラーはベッドの中に潜り込み、丸くなって何か言っている。
よく聞くと、「梅先生のお部屋に、オバケは入って来れません」 って、呪文みたいに繰り返し呟いていた。

絶え間なく剣を振るっていると、だんだん無心になってくる。
どう動いているのか、考えるよりも先に体が動いている。
ブン、ブン、という剣が風を斬る音だけが聞こえてきて、自分が呼吸しているかさえわからない。
コレが、剣と一体になってるってことなのかな・・・。
アドゥリンでの修行中に、おっさんに言われた言葉を思い出した。

「一種のトランス状態だよ、バル」

耳元で声が聞こえた気がして、ハッとオレは動きを止めた。
二、三度まばたきをすると、五感が全て戻って来た。
窓の外が、うっすらと明るくなり始めていた。
ベッドを見ると、真ん中にこんもりと小さな山が出来ている。
ふぅ・・・と、立っていられないほどの疲労感に襲われて、オレは床に大の字になって転がった。
また、ドアがガタガタ音を立てていたけど、そんなことはもうどうでもいいほど疲れて、そのままオレは眠ってしまった。

「グゥ~ギュルギュルキュルル・・・」

何かの鳴き声で、オレは目を覚ました。
部屋の中は明るくて、窓から陽が射している。
オレはのっそりと起き上がった。

「今の、何の鳴き声だ?」
「バルファルさんの、お腹の虫です」
「オレ?」

サンラーがクスクス笑いながら、うずらさんが用意してくれた包みを差し出してくれた。
途端に空腹を自覚するから、ゲンキンなもんだよな。

「音は?」
「朝になったら、聞こえなくなりました。ですので、わたしが何度かドアを引っかいたり叩いたりしていました」
「・・・今、何時だ?」
「えーっと・・・ずいぶん前に、正午の鐘が鳴っていましたから・・・」

そんなに寝てたのかよっ!
クルクじゃあるまいし・・・。
サンラーは、かぼすの呪符も貼っておいてくれたらしい。
オレはまだ何となく疲れていたから、ソファーでダラダラとして過ごしていた。
サンラーはベッドに座って、本を読んでいたよ。
そうやって、たまにドアを引っかいたり床や壁を叩いたりしながら、もう一晩このままかと思っていたんだ。





<後編へ続く>





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【2016/05/03 23:59】 | * クルク一家
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やっぴ~、クルクです(・▽・)ノ

コンクエで、いつまで経ってもバスが1位になれないので、なかなかウィンダスに帰れません(´・ω・`)
さっさと戦績で、バス組の礼服をもらって帰りたいのにぃ。
クルクの分は、ランクが10になった時にバスが1位だったからもらっておいたんだけど、その時はみんなの分をもらうほど戦績がたまってなくってね。
それから、ずーっとずーっと、いつまで経っても上がってきやしませんw
バス国民たちよ! 何をしてるのだ~!!ヽ(`д´)ノ
サンドやウィンに負け続けて、恥ずかしくないのかっ!!
クルクは恥ずかしくないよ(・▽・)
ただ、礼服がほしいだけ★

今日は、縄張りに行って、キングを倒してきました。
やっぱりケチンボなアイテムしかくれなかったよ。
チェッ!
青浮草だっけ? カメのエサ。
あれも何人か持ってるから、そのうち行って来ようっと。
あの場所は、行くのがメンドーだからねぇ。

Klu3098.jpg

そして、前振りのSSですw
ちょこっとしたお話のつもりが、ちょこっとじゃ絶対に無理だと気づいたのは、書き始めてからでしたw
しかも、前編後編になっちゃった(長さ的には、前中後にしたかったんだけど)

キャラに設定付けしているが故に、過程がないとやりたくてもやれないという、ねw
だって、一家の末っ子ちゃんが、いきなり過去とかにいて1人でバリバリ冒険してる記事とか、そんなの 「えぇぇ!?」 でしょ?
いや、クルク的にはそうなのだw
そして実際に、「修行をしている」 ってことになっていないうちは、レベルすら上げることも出来ない仕様になっておりますw
なので、まずは保護者から準備を整えなければね☆
そのためのお話w
タイトルは、「回生」 です。
また、オールキャストになっちゃった。
明日うp出来るかな・・・。






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【2016/05/02 23:59】 | ヴァナ日記
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やっぴ、クルクです(・▽・)ノ

んとね、昨日でサージウォーク終わっちゃったでしょ。
最終日だけど、クルクも乗り込んでみました。
サーチしたら、100人以上いたんじゃないかな?
#4が人気のようで、みんな吸い込まれていくから、クルクも入ってみたのです。
これは前の時に書いたけど、一人につきフェイスが4~5人いるでしょ。
一匹倒すのが早いことったら!
終了前に戦闘に参加して、一発でも叩いておかないとって、走り回ってるうちに追い出されちゃうのね^^;
こんだけ人がいるなら、フェイスはいらんって、クルクは1人で突撃してましたw
けっこう叩いてたかな。
そのかわり、SSを獲るヒマもなかったよぅ。

報酬は、コインとか宝石とか角。
メリポがどんどこ溜まって、一度消費しに戻ったりしました。
初めは人が多すぎて、あっという間の戦闘で、その繰り返しが疲れちゃうなって思ったりもしたけど、クルク1人で走り回ってるうちに、それにも慣れました。
でも、ちょ~っと慌ただしすぎだなぅ。
そうそう、キャンペーン中って、何がどうなのかわかっていないクルクなのでした(^_^;)

でね、SSがなかったから、今日は撮影だけのつもりで入りに行ったのw
サーチしたら、0人なんだもんw
昨日と同じ#4に入って、キマイラとSS撮って来たよ(・▽・)ノ

Klu3096.jpg

ついでに、倒しておいたよ★
今回はもちろん、一人っきりなのでフェイスを呼びました。
アムチュチュ、シャントット様、カラハバルハ、コルモル博士の4人です。

Klu3097.jpg

頭めりこんじゃってるけどw
ソロでもフェイスがいれば、倒せるんだね。
全部やっつけて、追い出されてお宝もらって帰って来たよ(・▽・)ノ
また、コインと黄色い宝石と角だったけどw

また遊びにこよう~っと♪






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【2016/05/01 23:59】 | バトルコンテンツ
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