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2度目のヴァナディール 妄想屋クルクと仲間達。
やっぴ、クルクです(・▽・)ノ

人数が多すぎて、まとまらなくなった 「トゥルース」 の続きを、どうにか終わらせましたw

今回は、お兄ちゃんメインです。
もともと、かぼすが原因で集まったわけだしねぇ。

それにしても、人数が多くて場所移動のないお話は、もう止めようと思いましたw

ダラダラ長くなっちゃいましたが、よかったらおつきあいください m( _ _ )m


「トゥルース:さざ波」
「トゥルース:ウソつきの系図」
「トゥルース:ロマンスを君に」




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サンからモグハに連絡があり、ボクはウィンダスにやってきた。
生まれ育ったウィンダスとは違うとは言え、勝手知ったるなんとやら。
手の院の屋上と言われれば、「あぁ、あそこか」とすぐわかる。
サンは、「梅先生が呼んでいる」と言っていたけど、ボクも一度挨拶はしておかなくちゃって思ってたとこ。
だけど、どうしてこの場所なんだろう?
ボクは手の院の階段を登りながら考えていたけど、答えはじきにわかった。

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扉を開けたボクの目にまず飛び込んできたのは、初老のガルカ。
あの人はたしか、モグハの管理をしにアドゥリンに行っちゃった爺ちゃんだ。
ぴよ君の隣には、クマちゃんもいる。
サンドのうずらちゃんと、アトルガンのチリちゃんも来てるの?
で、とうぜん父さんと母さんと先生も勢揃い。
サンがボクに気づいて駆け寄ってきたけど・・・。

まったくもう、こんな顔ぶれが揃うことなんて、もう二度とないはずだったのに。
まぁね、実際にボクが知っている人たちとは、全くの別人なんだけどさ。

ここはボクがいた世界ではない。
だけど今は、ボクの世界だ。

「どうも、お招きいただきまして。サンの兄のかぼすです。サンが大変お世話になってます」

ボクは、笑顔を作って挨拶をした。

「お兄ちゃん、あのね・・・」
「あ、ぴよ君にクマちゃん」

話しかけてきたサンを無視して、ボクは二人に初めて気づいたフリをして手を振った。
この時クマちゃんが、とっても心配そうな顔をして俯いてしまったので、ボクはすぐにピンときた。
さて、ボクは悪者になった方がいいのかな?
それとも、無害でいい子を演じるか・・・。
まぁ、これからの付き合いを考えたら、素のままが楽だよね。
それじゃ、ぴよ君をからかって、皆にはボクの位置づけを決めてもらおうかな。
そんなことを考えていたら、ぴよ君に手招きされてビックリ!

「なぁに?」
「・・・いや、別に用はないよ」
「じゃ、なんで呼んだの?」
「だって・・・知らない人ばっかりだろ?」

突然呼び出されてやって来たボクが、知らない人達に囲まれて居心地が悪いって思ったの?
そして親切にも、1人1人指さして名前を教えてくれたよ。
本当にぴよ君は、なんてお人よしなんだろうね。

そしたらね、母さ・・・じゃなくてクルクさんが 「なんだ、二人は仲良しじゃん。ざ~んねん」 だって。
ボクはすぐに、腰にある武器を確認した。
あれは、エミネンスバクナウ。
ここにいる人たちの中で、武器を携帯しているいるのはクルクさんだけ。
ボクはヒヤリとした。
ぴよ君をからかって、険悪にさせなくてよかった~。
それを裏付けるように、「殴られなくってよかったな」 って、バルファルさんが声をかけてきた。

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ボクは微妙な気持ちになってしまった。
サンについてこの世界に来る前に、ボクは父さんが大切にしていた、昔母さんからプレゼントされたっていう両手剣の 「ラム・ダオ」 を、勝手に持ち出して売っちゃったんだ。
だって、もう使っていなくて飾ってあるだけだったんだもん。
こっちの世界で暮らすにあたって、当座の資金が必要だったからね。
まぁ、たいした金額にはならなかったんだけど、足しにはなったかな。
一応、売った店のメモは残しておいたし、お店の人にも買い戻しに来ると思うとは言っておいたけど。
もしもバレて母さんに殴られそうになっていたら、父さんは止めてくれたかなぁ?
そんなことを考えつつ、ボクは気になったことを尋ねてみた。

「ところで、いくつ?」
「・・・は?」
「ボクより年下だよね?」
「・・・・・・」
「じゃ、バル君て呼んでもいい?」
「・・・いいけど・・・」
「クルクさんは・・・クルちゃんでいっか」
「かぼす君、クルクのことはクルたんて呼んで」

クルたんに 「君」 付けで呼ばれて、ボクは背中が寒くなってしまった。
母さんがボクを怒る時、「かぼす君、ちょっとこっちにいらっしゃい」 って、いつもは付けない 「君」 をつけて呼んでいたから。

「あ、あの、ボクのことは呼び捨てでいい・・・デス」
「じゃぁ、かぼすな」
「バル君には言ってないよ」
「オマエなんか、呼び捨てで十分だ」
「・・・・・・ハィ・・・」

くぅ~・・・やっぱり同じ顔で言われると、弱いなぁ。

「ねぇねぇ、かぼす君は、バスでおまじない屋さんをやってるんですってね?」
「いつもアタシに、お守りの魔符を作ってくれるんです」
「縁結びの魔符とかもあるかしら?」
「かぼちゃんなら、きっと作ってくれると思います」

話しかけてきた姫ちゃんに、クマちゃんが説明をしてくれる。
やっとクマちゃんの表情が明るくなって、ボクはホッとしたよ。

「魔符の御用命がありましたら、一報ください。迅速丁寧確実な仕事をしますよ」

うずらちゃんにそう言いながら、ボクはうずらちゃんのバツの数を思い出していた。
元いた世界でボクが最後に会ったのは、うずらちゃんが6度目の破局を迎えたって報告に来た時だったかな。
さて、こちらの世界では、どうなるだろうね?

「かぼすよ、ちと聞きたいことがあるのだがな」

重低音の呼び掛けに振り向くと、爺ちゃんがボクを見下ろしながら、プリンを差し出してくれていた。

その昔、ボクのちょっとしたオチャメな一言が原因で、怒り狂った母さんを止めてくれたのは、爺ちゃんだったなぁ~。
あの時は流石に父さんも怒ってて、出てけって家から蹴り出されちゃってさ。
爺ちゃんはボクを探しに来てくれて、一緒に謝ってくれたっけ。

「なぁに?」
「おぬしはぴよの気を引きたいのか?」
「ブッ・・・」

ボクは口にいれたプリンを吹き出しそうになっちゃった。

「なにそれ、どういう冗談?」
「違うのか?」
「嫌われてる相手の気を引こうだなんて、ボクはそんな物好きじゃないよ」
「ではなぜ、ぴよを構うのだ?」
「からかうと、すぐムキになって面白いから」

その答えで怒るかな?って思ったけど、爺ちゃんは笑った。

「なんで笑うのさ?」
「いや、すまん。その昔、からかうとすぐに泣くから面白いと言った娘がいたのだ。泣かされていた相手は、今ではその娘のよきパートナーとなっておるがの」
「へ~、ソイツはずいぶん物好きだね。だからボクとぴよ君もって、そう思ってるの?」
「どうであろうな?」
「・・・ふぅん、よくわかんないの」

二つ目のプリンを食べていたら、バル君が寄って来た。
クルたんはサンと話をしている。

「サンちゃんがウィンにいるのに、かぼすはどうしてバスにいるんだ?」
「だって、妹のお守りなんてイヤだもん。それと・・・バスは懐かしいから」

そう答えたら、聞こえたのか、サンが眉を吊り上げてこっちにやって来た。

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「お兄ちゃん、私のお守りってなによ。子供扱いしないで!それに、バスに行ったことなんかなかったくせに。バスに行くのは機械に興味があるからって言っていなかった?」
「サンは、いちいち細かいことにうるさいなぁ」

そう、バスに行ったのは、初めてだったよ。
連れて行ってくれるって約束したまま、その約束は永遠に果たされることはなくなっちゃったんだ。
だから、思い出探しに行ったんだ。

「ところで、プリン、もう一つちょうだい」
「お兄ちゃん、3つは食べ過ぎよ!」
「え・・・ごめん、クルク3つ食べちゃった」
「クルクはおやつばっかり食い過ぎだ」
「だったら、ボクだって3つ食べたっていいじゃないか」
「3つは食い過ぎだって言ってるだろ」
「ちぇっ」

クルリと見渡すと、相変わらずぴよ君とクマちゃんは仲良くおしゃべりしているし、うずらちゃんとチリちゃんは爺ちゃんと話をしている。
先生…梅先生はこちらを見ていたけど、ボクと目が合うと、指先だけ動かしてボクを呼んだ。
見慣れちゃってるから何とも思わなかったけど、この人は、昔っから変な帽子を被ってたんだね。
ペコリとおじぎをして、ボクは挨拶をした。

「サンがお世話になってます」
「なに、こちらも世話になっている」
「へ? サンが役に立ってますか?」
「お前は、少し妹を子供扱いしすぎているようだな」
「・・・だって、まだ子供です。だから・・・」
「そう心配するな。お前からもらった手紙は、読んでいる」

ボクはコクリと頷いた。
サンは、まだまだわからんちんのお子様で、すぐにメソメソするし、バカのくせに色々と口出ししてきてうるさいけど、ボクの妹なんだ。
だから、いなくなったりしたら・・・。
あぁ、ホントに、クリスタルに消えちゃった時は、血の気が引きすぎて倒れちゃうかと思ったよ。

「それから、あの二人のことだが」

そう言って、梅先生はぴよ君とクマちゃんに視線を向けた。

「あ・・・うん・・・」
「好きにすればいい」
「え?」
「お前がいた世界では、あの二人にまとわりついていたタルタルは、なんの力もない小さな子供しかいなかった。そうだろう?」
「うん・・・」
「この世界には、今のお前がいる。同じになるとは限らない」
「・・・はい」

その代わり、色々なことが変わってきちゃうんだろうな。
だけど、全部わかってて同じ未来なんてつまらないからね。

「・・・兄様、これからうずらちゃんと黒糖さんと、飲みに行こうとお話をしていましたの。兄様も、ご一緒にいかがです?」

チリちゃんが、梅先生を誘いにやってきた。
ボクはずっと思っていたんだけど、うずらちゃんは少しチリちゃんを見習った方がいいんじゃないかな?
だって、玉の輿を狙っているわりには、おしとやかな淑女とはほど遠いんだもん。
その点、チリちゃんは言うことなしなんだけどね。
なのに、ボクがいた世界のチリちゃんは、お嫁さんにはいかずに、アトルガンに行っちゃったんだよね。

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梅先生がなかなか返事をしないから、ボクはとりとめもなく、そんなことを考えていたんだ。
で、やっと口を開いた梅先生は・・・。

「断る」
「・・・なぜです?」
「お前は、酒が入ると泣き上戸で面倒だ。うずらは、よくモグハで飲んでいる時に管を巻いているようだし、コクトー氏は、担いだ時に腰を痛めたからな」

なんだか最悪の飲み会になりそうだね。
チリちゃんは断られて、しょんぼりと戻って行っちゃった。
入れ替わりにやって来たのは、バカでおせっかいでお子様の、ボクの妹。

「お兄ちゃん、今夜はどうするの? モグハをレンタルするの?」
「うちに泊まればいい」
「モグさんが、おいしいご飯を作って待っててくれてるのよ」
「んー、帰るよ」

皆に挨拶もしたし、他に用事はないからね。

「やぁ~ん、デートォォォ~?」

突然、うずらちゃんが大声を上げた。
そっちを見ると、うずらちゃんがおかしな格好でクネクネしている。
その前にいるのは、クルたんとバル君。

「そんなんじゃないってば~」
「違うって言ってるだろ」
「どこが違うのよぉ~? これからジュノに買い物に行くんでしょ? アレがいいとかコレがいいとか、やっぱりアッチにしようかとか、2人でキャッキャするんでしょ!? その後、疲れたからお茶しようとか言っちゃって、ついでに食事とかもしちゃうんでしょ? テーブル挟んで向き合って、今日は楽しかったね~とか言っちゃって、別れ際には名残惜しそうになかなか背を向けられなくて、何度も振り返って手を振ったりして、それのどこがデートじゃないのよっ!!」
「・・・アンタ、大丈夫か?」
「うずらはいつもこんな調子だから、あんまり気にしない方がいいよ~」

クルたんは慣れてるのか、相手にしていないみたいだな。
チリちゃんが、「落ち着いて」 とか言って宥めてる。
・・・何か、取り憑いてるのかな?
今度、憑き物落としの魔符を送ってあげようかな。

「それじゃ~、みなさん。また何かあったら、ココに集合ってことで、今日はお開きにしまーっす!」

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クルたんがそう言うと、それぞれ挨拶しながら扉に向かう。
ボクも帰ろうとしてたら、クマちゃんが慌てたみたいに寄って来たんだ。

「かぼちゃん、帰るの? だったら、一緒に帰らない?」
「・・・え・・・」
「あのね、セルビナでお魚を買って帰るんだけど、かぼちゃんが急いでないなら、お船で帰らない?」
「・・・急いでないけど・・・」
「ぴよ君! 大丈夫だって!」

クマちゃんは、嬉しそうにピョンピョン跳ねながら、ぴよ君に手を振った。
だけど・・・いいのかな。
またぴよ君の機嫌が悪くなっちゃうんじゃないの?

「船代は自分で出せよ」
「誘ったのはそっちなんだから、出すのが普通じゃないの?」
「じゃぁ、1人で帰れ!」
「ぴよ君が1人で帰れば~? ボクはクマちゃんと、お船でゆ~っくり帰るからさ」
「コラ~、二人とも、仲良くして!」
「カボチャのせいで、怒られただろ」
「カボチャじゃないし、怒られたのはぴよ君のせいだよ」
「もうっ! アタシ1人で帰っちゃうからね!」

ボクとぴよ君は、頬を膨らませて睨みあいながら、クマちゃんの後について行く。
うずらちゃんとチリちゃんと爺ちゃんは、水の区にある音楽の森レストランに行くみたい。
ジュノに行くっていうクルたんとバル君は、クリスタルに向かう。
梅先生とサンは、モグハに帰って行った。
そしてボクは・・・。

永遠に果たされることはないと思っていた、あの約束。
大好きな二人と一緒に、バスへ・・・。

ぴよ君をからかいながら、クマちゃんに怒られながら。

161.jpg


<おしまい>





いつも遊びに来てくれてありがちょん(・▽・)
ポチッと押してくれたら嬉しいな♪





【2015/05/01 23:59】 | * クルク一家
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過去世界
らぶりぃ
クルちゃん、こばわんわん(*´ω`)ノ

かぼすくん視点の物語ですね♪
本来のかぼすくんがいた未来ではみんなが知り合い(  ̄▽ ̄)b
さすがクルちゃんのお子さ…ごほんごほん

こっちの世界ではこうして時間が流れて、
いつかかぼすくんやサンちゃんが生まれて知ってる世界になるのかな~
それとも2人が来た時点で少しずつ未来が変わっちゃう?

どんな未来になるのか2人以外には誰にも分からないけど、
ゴール地点が同じならどんな道になっても、
クルちゃんと一家のみんななら大丈夫って思いますヾ(⌒ω⌒)ノ

うずらちゃんはバツだらけになってるって、
どんな生活を送ってたのか気になる、そんな物語でした(笑)


Re: 過去世界
クルク
らぶたん、こばわんにゃ(・▽・)ノ

なかなか、もぉ~まとまらなくってねww
なので今回は、かぼす視点にしちゃいました★

クルクの子だったら~、クルクに似て、素直で優しくておっとりしてて、誰からも「かわい~い(*´▽`*)」って言われる子のはず(>▽<)
・・・え?(・▽・)

バツだらけのうずらは、ホント何やってるんでしょうねぇ~?(^_^;)
サンやかぼすがこっちの世界に来たことで、6ペケの破局から逃れられるといいんだけどね★

未来はきっと、サンやかぼすにもわからない、新しい世界になるでしょう♪
問題だらけの一家だけど、これからもヨロシクです(・▽・)ノ



ミチカ
こんにちは!ミチカです。
かぼす君がメチャクチャかわいいですね。
妹のサンラーちゃんをバカとかいいながら大切に思っていたり、ぴよ君を怒らせちゃうくらいからかうのはすぐむきになって面白いからっていいながら本当は大好きだったり。
お母さんとお父さんには頭が上がらないけど、お父さんの大切な剣を売っちゃったりお母さんを激怒させるようなことをいったりしてて、意外とヤンチャですね。
かぼす君の知っている一家のみなさんは、それぞれ違う場所にいたりするのですね。
うずら姫が×6ってスゴい!
でもサンラーちゃんとかぼす君来たから、この世界ではうずら姫は玉の輿に乗れるかもしれないし、サンラーちゃんとかぼす君は生まれないかもしれないんですよね?
そしてサンラーちゃんが事故で行方不明になったり、ぴよ君とクマちゃんも大伽籃で消息不明になることもないのかも!?
そうであってほしいです!
梅兄さんがステキです。
最後はぴよ君とかぼす君はケンカ友達みたいになるのかな。
たくさんの人数は大変そうなので、またそれぞれのお話を読ませてください!
楽しかったです!

Re: ミチカさんへ
クルク
ミチカさん、おはようございます(・▽・)ノ

かぼすが可愛いとは、ミチカさんは素直じゃないコがタイプなのかな?(*´▽`*)
怒られるとわかってるのに・・・っていう、確信犯的な自己チューですねw

あっちの世界では、こっちよりも先の未来で、いなくなっちゃったり今とは違う場所に行っちゃった人がいます。
うずらも、6回も破局してるなんて、いったいどんな人を選んでいるのやら・・・( ̄_ ̄)
もしくは、うずら自体がどんな人になっちゃってるのか・・・?
親友のはずのチリちゃんが、アトルガンに行っちゃってるしね。

でもこっちの世界に、サンラーとかぼすが来たことで、そこからあっちとは別の未来になってきているから、これから先のことは、サンラーにもかぼすにも、誰にもわからないのです★

大人数、大変でした(^_^;)
別の場所にそれぞれがいるんだったら、またちょっと違っていたんでしょうけどw
今度は、2~3人程度にしておきますw
とりあえず、「今日はお休み★」 の記事に、小ネタとか近況みたいのを出していきまね♪

ありがとうございましたヽ(*´▽`*)ノ



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